4月にオープンした「Tラウンジ」 京都・伏見に多文化交流の場 外国人子弟の学習支援の場も準備
京都市でビジネス宣教を展開するエミリ・チョウさん(=チョウ・ルイさん=株式会社TOBIRA代表取締役)が、伏見区のマンションにソーシャル・ビジネスの拠点「Tラウンジ」を開設し、4月7日にオープニング・パーティを開催した。今後、友人のTPKF・ 甲西キリスト福音教会牧師の松本よしゆきさんが中心となって、海外がルーツの子ども支援ミニストリー「いちじくの木」の場として活用しようと準備中だ。
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香港出身のエミリさんは、オーストラリア移住後、シドニー大学卒業の年にクリスチャンになった。神学校で学んだ後、同志社大学に留学して信仰と仕事について研究を重ね、卒業後は日本で、ビジネス宣教として若者のための企業支援を開始した。日本宣教の難しさは百も承知だった。
「費用対効果を考えると、カンボジアやアフリカのほうが成果があるのはわかっていました。アフリカでは、お菓子や絵本を配ったら子どもたちがすぐに集まってくる。日本の子どもは見向きもしません」
神学校在学中、日本で短期宣教をしたことがあるが、徒労感でいっぱいになった。一人の日本人を救いに導くには10年かかると言われている。けれども、エミリさん自身、中学生の頃聖書と出会い、8年後にやっとクリスチャンになった。気を取り直して日本にチャレンジした。東日本大震災でボランティアに駆け付け、瓦礫(がれき)を取り除いたり、買い物代行したり、被災者に寄り添った。
「神様は日本が好きなんだと感じていました。一人でも救いに導けたらいい。神様が喜ぶことをしようと思いました。それに、日本はきれいで、クリスチャンの兄弟姉妹の皆さんは素晴らしい信仰の持ち主です」
Tラウンジは多文化交流のフリースペースとして開放する。ふらりと立ち寄ってお茶を飲んで語り合う場だ。地域には学校が多く、団地もあり、外国人の多い土地柄。英語、中国語など、母国語で話せる場があれば喜ばれる。今月13日からは、中国語と日本語2か国語礼拝を開始した。
中国留学の経験のある松本さんは、京都市の通訳ボランティアをしている。学校で外国籍の子どもたちの支援や、保護者と学校の橋渡しをする中で、より自由な場所でフォローアップできる場所を作りたいと考えた。
子どもたちは日常会話はできても、学習言語となるとなかなか身につかない。そうなれば授業についていけなくなる。慣れない日本で暮らす中でストレスを抱えている子どももいるはずだ。子どもたちが安心して語り合い、学べる居場所作りが急がれる。
「困っている人たちに、ここに私たちがいますよと、発信していきたい。ここで良きサマリヤ人の働きができたらと願っています」
(2023年05月28日号 02面掲載記事)
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