[CSD]2009年4月26日号《ヘッドライン》

[CSD]2009年4月26日号《ヘッドライン》

 = 1面 ニュース=
◎大学も人柄買う「学生宣教師」——韓国から留学生9人やってきた
★夜空に輝くルーリン彗星

 = 2 面 ニュース=
★日朝和解キリスト者の視点語る——日朝国交促進国民協会が連続討論
★9・11テロの疑問を検証——国会で追及の藤田幸久国会議員が出版
★日本ホーリネス教団:任命制度を再検討——新教団委員長に郷家一二三氏
★日本ホーリネス教団:牧師の性加害事件検証へ——再発防止決意を実質化
★イムマヌエル綜合伝道団:信徒参画も促進——人権問題で委員会立ち上げも
◎ダンス・ミニストリー創始者のヤップ夫妻が来日セミナー(5月2日-5日)
★<落ち穂>老宣教師のスピリット

 = 3 面 =
★世界各地のイースター:イラク・キリスト者激減の中でも
★世界各地のイースター:米国・オバマ大統領も礼拝出席
★世界各地のイースター:イタリア。大地震の被災地はテントで
★スウェーデン:セゴブロックで作ったキリスト復活像
★「K元牧師性加害事件の検証への取り組み」(説明資料全文)
★<オピニオン>帰国者大会と日本宣教の展望 記・米内 宏明

 = 4 面 ビジネスパーソン=
★お店も行員の心も統合できた——篠 松二郎さん[下](元みずほ銀行調布支店支店長)
★<ピンチはチャンス>[1]金融危機はどうして起きたのか? 記・篠 松二郎

 = 5 面 情報 =
★<情報クリップ>催し情報・放送伝道ハイライトほか
★MOVIE:「重力ピエロ」(4月25日から宮城・仙台で先行ロードショー、5月23日から全国ロードショー)
http://jpnews.org/pc/modules/smartsection/item.php?itemid=13
★CD:『心に歌えば』常盤台バプテスト教会(同教会、1,500円税込)
★REVIEW:『アメリカ大統領の信仰と政治』栗林輝夫著(キリスト新聞社、2,100円税込)評・佐藤 岩雄

 = 6・7 面 特集/日本プロテスタント宣教150年 =
★「キリストにあってひとつ」を証し
★琉球の宣教師ベッテルハイム——宣教師の先触れとしての役割 記・頓所 正
★世紀を貫く信仰の記憶——先達が夢見た「公会」へと昇華 記・吉良 賢一郎
★名を呼ぶ神の招きの歴史——名もなき小さな者たちを憶えつつ 記・網中 彰子

 = 8・9 面 聖書特集 =
◎五感で味わう聖書の世界——イスラエルの春の季節と聖句 記・菊池 実
★「読みたくなる聖書」で伝道——「VIP聖書」ネットで頒布
★目と耳で親しもう聖書の世界

 = 10 面 教会学校 =
★<教会学校の実情を探る>教会に戦隊ヒーロー参上——保守バプ・恵泉キリスト教会
★<CSもうひと味>教会レンジャーの「つくり方」——オリジナルキャラも楽しく

 = 11 面 クリスチャンライフ =
★83年ぶり イエス様と再会——教会カフェ発 福音の輪
★インタビュー:学生宣教師FROM韓国——金 主榮さん・金 昭亨さん
★<痛みに中に生きる>[13]子育て編 「ホッとする」教会の親子クラブ

 = 12 面 教会 =
◎カフェが高齢者と教会つなぐ——単立・久留米キリスト教会

◎大学も人柄買う「学生宣教師」−−韓国から留学生9人やってきた=0904260101

 北にアルプス連峰を遠望し、旧宿場町の風情を残す長野県上田市。悠然と流れる千曲川沿いの上田福音自由教会(鈴木義明牧師)にこの春、韓国から9人の留学生がやってきた。20歳前後の若いクリスチャンたちで、韓国内の宣教団体で訓練を受けて派遣された「学生宣教師」でもある。日本の地域教会に仕えることを目的に日韓双方で進めてきた計画で、留学生たちが勉強と宣教に落ち着いて臨めるように彼らの出身校と長野大学の姉妹校提携も実現した。地元教育界をまきこんだ韓国宣教団体と地方教会の宣教協力が一歩前進した形だ。

 学生宣教師は、この春高校を卒業した学生や大学を休学した学生ら、男性3人、女性6人。「教会の役に立ちたい」と元気はつらつで、まずは教会学校や礼拝での奏楽の奉仕にあたる予定だ。教会が市内の一軒家を賃貸して学生寮として提供し、今後4年間、長野大学で学びながら同教会の活動に加わる。
 今回の派遣をとりまとめたのは、日韓の牧師たちで組織されている「教会形成青年宣教ミニストリー」。日本の地域教会の必要に応えるための団体で、鈴木牧師も代表の一人だ。同教会では、上田市が歴史上キリスト教と教育機関が深い関わりにあったことを受けて地域宣教の足がかりを教育界に求めてきた経緯があり、同ミニストリーと鈴木牧師の働きかけで長野大学と韓国のキリスト教系学校、一心女子高校と清潔大学との姉妹提携を昨年末に実現した。
 9人の学生宣教師のうち5人が一心女子高校の出身で、姉妹校留学としてほかの4人も含め全員が有利な条件で留学できたという。今後は清潔大学からの留学生派遣も検討されているほか、大学側へのクリスチャン教授の紹介なども行っていきたいという。
 学生たちが宣教師としての訓練を受けたのが、学生を対象に活動している韓国の宣教団体イエスビジョンで、代表の趙誠源牧師は同ミニストリーの韓国側の代表。祈り会や聖書の勉強会を行い、中学生から大学生までが集っている。宣教訓練にも力を入れ、数週間の短期宣教でたびたび日本に学生を送り出している。
 長期留学の形をとる学生宣教師の派遣は、アメリカや大阪などに次いで今回で4度目。長老派やホーリネスを主体に70ほどの教会がイエスビジョンの活動を支えているが、いずれも会員が数十人規模の教会で、今回の9人も中小規模の教会が人材面でも経済面でも大きな犠牲を払って送り出したと言えそう。
 同教会の教会員たちも「教会が明るくなった」と、彼らの来日を喜んでいる。昨年から続く世界的な経済状況の悪化で経済的に留学が困難な学生もでたが、入学金を上田教会が支援するなどして支えた。教会員の一人は、「大学や留学生の保護者とのやりとり、学生寮の準備などを進める中で神様が道を開いてくださっていることを感じて励まされました」。

 学生で宣教師でもある9人に、「学生だからこそできる伝道があると思います。少子化が進み、しかも若者が流出する地方で、若いクリスチャンたちが来てくれることは地方教会にとって大きな助けです。でも学生の本分はまず勉強」とは鈴木牧師。「まずは勉強をがんばって、友だちをつくり、信頼を築いて、教会に誘ってほしい。彼らを宣教の道具にはしたくありません」と、彼らの人生にもプラスになる4年間にしたい考えだ。また、いずれは上田市内のほかの教会とも協力しながら働きを広げていきたいと期待している。 
 「大学側も留学生たちのクリスチャンとしての人柄を高く評価して、今回の姉妹提携をとても喜んでくれています。すでに証を立てているわけで、まさにキリストの香りを放つ学生たちです」と鈴木牧師は話している。
(記・山路 薫)

◎ダンス・ミニストリー創始者のヤップ夫妻が来日セミナー(5月2日-5日)=0904260206

ダンス・ミニストリー
創設者が来日セミナー

 タンバリンと踊りをもって神をほめたたえる超教派のダンス・ミニストリー「シャカ・ミニストリーズ・インターナショナル(SMI)」の創立者マイケル&マーガレット・ヤップ夫妻が5月に来日し、2日から5日まで神奈川県相模原市橋本の「杜のホール橋本」でセミナー(SMI主催)を開く。「シャカ」とはヘブル語で「礼拝」の意。SMIは「真の礼拝者」を訓練し、特にダンスの分野でのクリエイティブアートを再び主のものとして取り戻し、それを本来あるべき教会に戻すことを使命とする。
 始まりは、ヤップ夫妻が米クライスト・フォー・ザ・ネイションズ(CFNI)神学校在学中、召命を受けたこと。妻のマーガレットさんは長年のバレエ教師としての経験を生かし、数々の講目や教科書を生み出している。同ミニストリーは現在アメリカだけでなく、香港、ドイツ、マレーシア、シンガポール、メキシコ、そして日本など世界各国に広がっている。
 「SMIクリエイティブ・ワーシップ・セミナー2009」(有料・要申し込み)についての詳細はURL http://www.smij.org/ 6日午後2時からは無料の「プレイズ・オブ・ヘブン賛美集会」(席上献金)。また無料(要予約・席上献金)のカリキュラム紹介もある。問い合わせEmail shachahjapan@shachah.org  Tel&Fax.042・771・6562、(SMI日本事務局)。

◎五感で味わう聖書の世界−−イスラエルの春の季節と聖句 記・菊池 実=0904260801













五感で味わう聖書の世界

 聖書の世界は奥が深い。普段、読んでいる聖書の舞台となっているイスラエルの春の季節について、エルサレム聖地研究所、初代キリスト教研究センターにも留学経験のある菊池実氏(同盟基督・上大岡聖書教会牧師)にレポートしてもらった。


イスラエルの季節
「あなたは、夏と冬を造られました」(詩篇75篇17節)


羊飼いの後ろで羊が草を食べている。


 この地にあるのは基本的に夏と冬の2つの季節、である。その夏は乾燥して厳しく、冬もまた寒い。創世記8・22 「地の続くかぎり、種蒔きと刈り入れ、寒さと暑さ、夏と冬、昼と夜とは、やむことはない」の言葉は、イスラエルで生活する者の実感だ。一帯のこの二季性気候は「地中海性気候」と呼ばれるが、その中でもイスラエルだけは「激的地中海性気候地域」と専門家が表現するほど、ここはまさに両極端なのだ。そもそも聖書には「春」という言葉さえないこと、気づく人はあまりなかったかもしれない(唯一「春・秋」とあるヤコブ5・7も、便宜的にそう訳している)。
 しかし、イスラエルにも春は、ある。1か月弱の短い時であり、季節の移行の時ではあるが、私たちの感覚でも、春と呼べる春、いや、もっとも春らしい春がある。イスラエルの春は本当に美しく、また輝いている。冬の寒さ、夏の乾きが厳しいだけに、春は命の感動にあふれる。



春の先触れ
「アーモンドの枝を見ています」(エレミヤ1章11節)


1月から2月、アーモンドの花


1月から2月、まだ雨季のさなかにユダの山地や谷間のいたるところで高木が白い花をつけ始める。春の到来を「見張る」(シャカッド)、アーモンド(ショケド)の花である。
気づくと、この時期の豊かな雨によってイスラエルの地全体が芝を敷き詰めたように牧草で覆われる。色とりどりの花が咲く前、大地はカンバスの背景を整えるのである。頻繁に降雪もあるユダの山地であるが、寒さの中にもアーモンドは必ず来る春をしっかり告げるのである。



春のおとずれ
「盛んに花を咲かせ、喜び喜んで歌う」イザヤ35・2


ガリラヤの春(3月)花々が咲き誇る


 3月に入るとともに、全地は赤・黄・紫・白と、ありとあらゆる色が吹き出し、緑のじゅうたんの上に神のいのちのデザインが映える。中でも、アネモネや30種を超えるあざみの美しさは格別である。
 半世紀に一度、死海のほとりでも大雨が続くことがある。数十年間眠っていた花の種子がいっせいに芽を出し、荒野は花園となる。
 日本にはない大きなスズメがひときわ大きなさえずりで春を歌う。十字架と復活の季節は、ここに重なってくるのである。エルサレムで迎えるイースターには、肌と魂で感じる命の息吹が溢れている。



春の雨(後の雨)
「後の雨のように、地を潤される」ホセア6章3節

 雨季の最後の雨を、「後の雨」と呼ぶ(ヘブル語でマルコシュ。意訳して「春の雨」)。すでに大雨の季節は過ぎている。乾季前、麦の収穫を実り多いものとするための非常に大切な雨である。そのゆえに、聖書にあるとおり、これは大きな恵みのしるしであった。



春の息吹
「主のいぶきがその上に吹くと、草は枯れ、花はしぼむ」イザヤ40章7節


写真のアザミは激烈な熱風により、花の鮮やかな色はそのままに、ドライフラワーのようになったもの


 短い春の終わりは熱風とともにやってくる。イザヤが記し、その同じ経験を持つペテロもイザヤの言葉を引用している。花は立ち枯れ、そのままドライフラワーと化すほどの熱風だ。季節の変わり目の不安定な時期に、低気圧がもたらす砂漠からの風である。エルサレムも砂の嵐でかすんでしまうほどである。花はあっという間にしぼんでしまう。
 日本における桜のはかなさと異なる、激烈な熱風による花のいのちの終わり、はかなさがある。であればこそ、「私たちの神のことばは永遠にたつ」ということばも深い実感があるのだ。いつもいのちを考えさせられる国であり、その春である。永遠のいのちをどこよりも思うことのできる国でもある。



イースター

 このいのちを感じる季節に、世界中からクリスチャンが集ってイースターを祝う。それは、新しいいのちに祝されて、時代・文化・人種、すべてを超えて新たに生かされる人々の命の賛美に溢れるイースターである。
 キリストの復活を記念する「園の墓」と呼ばれる場所には、イースターの朝は世界中のクリスチャンが列をなして集まってくる。朝の寒さ、時に熱風の中、春の雨に当たることもある。
 花が咲き乱れ、また枯れるのを見る時でもある。そこに、永遠のいのちを約束された者たちがそれを確かめるため、確信するため、感謝するために帰ってくるのがエルサレムという場所のように思う。そして、また自分の国に戻り、それぞれが永遠の御国を目指して日々励むのである。
 日本とエルサレムの春には、いくらかのいのちの感覚の違いがあるかもしれない。しかし、イースターに共通するのは、「まことのいのち」を与える方への大いなる賛美であり、そこには何の差異もないのである。 (記・菊池 実)



アネモネの花



クムラン(死海写本発見の場所)数十年に一度の雨で芽を出した花々



ユダ(エルサレム)の山地に自生する野生のシクラメン 1から2月



クリスチャン新聞4月26日号より



◎カフェが高齢者と教会つなぐ−−単立・久留米キリスト教会=0904261201

 多摩26市の中で清瀬市に次いで高い高齢者率(22・44%)を記録した東久留米市(東京都市統計協議会発行『東京としとうけい平成20年度版』より)。高齢化への対策が急務の同市にあって、単立・久留米キリスト教会(森本泰三牧師)で毎週月曜日午前中(10時から12時)にオープンしている喫茶室グレイスが、高齢者と教会をつなぐため一役買っている。

 喫茶室グレイスには近隣の住人やグループホームの入居者などが訪れ、賛美歌を聴きケーキを食べながら団らんのひとときを味わう。
 スタッフたちの手作りケーキと飲み物(紅茶・コーヒー)のセットが100円で味わえる。初めての人は無料。喫茶室独自の運営で、予算もその中でまかなっている。
 同教会の森本牧師は「喫茶室を始めて8年。教会の敷居が低くなったと感じています。信徒一人ひとりの賜物が生かされ、地域に開かれた教会となることが願いです。教会が地域の信頼を得るために、この働きが用いられていることがうれしい」と語る。
 喫茶室を始めたきっかけは01年の新会堂完成だった。「近隣の人たちに気軽に教会に足を運んでもらいたい」。そんな思いをもった教会員有志らが企画し、実現した。
 ゲストを招いての賛美コンサートも好評だ。森本牧師は「喫茶室の働きを通して洗礼にいたった人たちも数人与えられています。喫茶室の存在が、地域の人たちとイエス・キリストをつなぐ架け橋になっています」と語る。

複数の宣教師らと協力
 同教会の始まりは1955年。故・長瀬信一さんが自宅で教会学校を始め、61年にはハワード・ブレアー氏(センド宣教師)が牧師に着任。第1回聖日礼拝を行った。
 その後、フランク・ブラゼック氏、ウォレン・ジェンセン氏らをはじめ、複数の日本人の牧師らの協力を得ながら、礼拝を守ってきた。
 礼拝出席者の増加に伴い、礼拝を2回に増やすも、たちまち会堂は満員に。すぐに3回の礼拝をもつようになった。
 78年、「久留米基督教会」として法人認証。03年に森本牧師が着任した。

「複数の信徒牧会者
生み出す」が課題
 森本牧師は「年間を通して行われる様々な集会を通して、継続的に足を運んでもらえるようになることを大切に考えている」と言う。「牧師1人では何もできません。信徒牧会による教会形成を目指しています」
 同教会では、喫茶室のほかに2歳から幼稚園前の子どもとお母さんのための「ラムキンクラス」、ゴスペルクワイア、英語バイブルクラスなども行っている。
 今後は、複数の信徒牧会者を育成し、枝教会を生み出そうとしている。そのため昨年10月から、宣教師らが中心となり隔週で土曜日に集会をもち始めた。「これが新しい教会開拓の可能性になることを願っています」
 「東南アジアを中心に、海外宣教に従事する人も生まれてほしい」とも。信徒の賜物を生かしていくことが、同教会の特長となっている。

 単立・久留米キリスト教会=〒203-0053東京都東久留米市本町2ノ14ノ3。Tel.042・474・2300、Fax.042・474・2296。