[CSD]2004年5月30日《ヘッドライン》

[CSD]2004年5月30日《ヘッドライン》
 = 1面 =
◎日韓学生が合宿訓練——未伝地開拓への拠点・福岡CCC福音宣教センター献堂
★金永三韓国元大統領、日本で教会関係者らと親睦——現職大統領弾劾の朝、とりなし祈る
★首相訪朝を前に——「めぐみさんも帰国の夢見た」横田早紀江さん
★<恵みのどんでん返し>説教する自身失い、何を語れば 記・内山 勝
★<落穂抄>三重苦を克服した伝道者

 = 2 面 =
★「政教分離の会」創立から30年——有事体制下 今も変わらぬ神道癒着の体質
◎「力の論理と聖書の倫理」——G・スタッセン教授、テロ時代の平和を聖書から説く
★<聖書訳語の最前線>[5] 理由?それとも結果? 記・内田和彦
★<寄稿>なぜ「高価で尊い」のか? 記・ボーマン・ルリ子
★<今週の本棚>『イエスのように』マックス・ルケード著(いのちのことば社、1,680円) 評・日高 恵
★<今週の本棚>『天国の宴会』矢口以上文著(英宝社、1,890円)
★<今週の本棚>『イエス 神のデザイン』伯 靖郎著(キリスト新聞社、1,470円)
<情報クリップ>催し情報ほか

 = 3 面 キリスト教学校特集=
★平和、隣人愛する精神を次世代へ——神奈川・平和学園
★「切り捨てない」人間関係をスポーツ教育にも具現化——埼玉県・聖望学園
★始まりは教会の教育伝道——大阪府・清教学園
★6月に横浜でキリスト教学校展開催

 = 4 面 =
★「霊的刷新と成長」牧師自身の課題として——第6回アジア教会会議の焦点
★伝道と成長の方向付け、量と質をバランスよく——キム・サンボクEFA議長に聞く
★アジア教会会議2004 宣言文
★青年の必要に教会の課題は?——アジア青年指導者会議
★参加者の声——こんなことを教えられた

 = 5 面 特集・今、北朝鮮は=
◎北朝鮮の救い、祈ろう——世界福音同盟・信教の自由委員会から課題
★祈りこそが解決に導くことを信じて 記・斉藤眞紀子(「横田早紀江さんを囲む祈り会」世話人)
★「本当の愛」が必要——脱北者支援、日韓教会が協力
★Photo:北を望み、祈りささげ——アジアの教会指導者ら

 = 6 面 キリスト教社会事業家シリーズ=
★苦難の中に「美はしき幻」を見る——大阪水上隣保館生みの親 中村 遥・八重子夫妻

 = 7 面 =
★フィリピンでバーリング語新約聖書献書式——村の協力者と共に30年コツコツ
★映画「パッション」イタリアでは・・・——年齢制限なし、「聖書に忠実」が話題の中心
★映画「パッション」日本でも好調維持——「週日も入りがいい」
★東アフリカ:障害者支援にコンピューター教育
★<召天>門木 文雄氏(元日本ルーテル・深川エマヌエル・ルーテル教会牧師、76歳)
★<CDの時間>「Jesus Loves You Yeah,Yeah,Yeah!」Evergreen Chair(ライフ・ミュージック、2310円)

 = 8 面 教会学校教師のひろば=
★公園で御言葉の種まき——ハーベスト・チャペルみもみキリスト教会テクナ子供会
★<先生 キラッ>越川澄子さん(みもみキリスト教会)
★<ゆっくり行こう!CS教師>[21]形より内面で神と霊的な時を 記・福井 誠
★<オッフーの神様と出会っていますか?>[9]罰と赦しは100%か0%か 記・藤田 桂子
★<まいまいのちょっと愛デア>[8]どう?キャンプ前にお泊り会 記・永井 真衣子

日韓学生が合宿訓練−−未伝地開拓への拠点・福岡CCC福音宣教センター献堂0405300101

 日韓学生が合宿訓練  五旬節(ペンテコステ)の日、弟子たちが聖霊に満たされたことに端を発し「全世界に出て行き、すべての造られた者に、福音を宣べ伝えなさい」と言われた主イエスの大宣教命令は遂行されてきた。そして今年、5月30日のペンテコステを前に、教会がない日本の市町村での開拓伝道を目指す宣教センターが、福岡空港から徒歩数分の好立地に献堂された。日本にまだ千700以上残る教会未設置市町村での教会設立に、日韓の協力宣教の拠点から拍車がかかることが期待される。
 韓国キャンパス・クルセード(CCC)が昨年約380平方メートルの土地を購入し、今年2月に木造2階建て延べ約505平方メートルの施設が完成した「福岡CCC福音宣教センター」。同センターに隣接し、土地取得に協力した日本バプテスト連盟博多キリスト教会(川内研二牧師)で5月4日、献堂式が挙行された。総工費9千万円はおもに韓国と米国の諸教会・団体が献金した。4室に日韓の大学生や留学生ら30人ほどが合宿でき、日本語学校を併設。ペンテコステの日に弟子たちが祈った「屋上の間」にならい、2か所の屋根裏祈祷室も設けた。
学生伝道を促した 祈りのサランバン
 韓国で「サランバン」と呼ばれる、生活の諸問題を扱う部屋がどこの村にもある。同センターはそのサランバンのいわばキリスト教版。献堂式で韓国CCCの金俊坤総裁は、韓国での学生伝道がサランバン方式で学生たちが合宿して交わりを深め、伝道訓練を受けて前進してきたことを紹介し、こうメッセージした。
 「エルサレムの屋上の間に無名の弟子たちが120人集まって祈り、聖霊の力を受けて地の果てまでキリストの復活の証人となりました。世界宣教のビジョンをもったのです。愛の交わり、共同体が形成され、社会が変革されました。私たちも地上のすべての人に福音を宣べ伝えるためにビジョンをもつべきです。人類の救いのためひとつになって祈らなければなりません。祈るなら門戸が開かれます。日本も変わります。ここが祈りのセンター、世界宣教のセンター、聖書勉強のセンターとなって、無名の学生たちが祈るのです。日本が福音化すれば世界のどこへでも門戸が開かれています。日本と韓国が協力して、世界に福音を伝えましょう」
松浦市開拓伝道 教会設立を模索
 韓国CCCは91年から13年間で約1万6千人の大学生を日本宣教のために送り、全国8地域で約650の教会と共に協力伝道「ニューライフ」を進めてきた。97年から00年にはEHC(全国家庭文書伝道協会)とも協力し、教会のない市町村へのトラクト(伝道文書)配布などの活動「LOVE JAPAN」を展開した。ニューライフ短期ワーカーの中から、中長期の奉仕を希望する青年らによって98年に「ジーザス・キャラバン」チームを結成。西日本17県の170教会を拠点に、4~5人の伝道チームがトラクトや「ジーザス」テープなどを配布しながら伝道活動を展開してきた。
 この「マケドニヤ・プロジェクト」では、3年前から教会未設置市のひとつ長崎県松浦市に教会設立を目指した開拓伝道を進めている。韓国CCCの朴エステル宣教師を中心に1年半前からは市内に会館を借りて住み込み、韓国語会話や文化交流、聖書研究などを通して伝道。隣接する佐賀県伊万里市の単立教会や福岡の日本バプテスト連盟、日本同盟基督教団の教会なども協力している。
 松浦では過去に開拓伝道の試みはあったが、教会設立には至っていない。今は幸いサッカーの日韓W杯や韓国映画ブームが追い風となり、韓国語会話教室などへの反応はよい。ただ、借りている会館では十字架を掲げることができず、日本人牧師も必要。恒久的な教会の基礎を据えるには次の段階へ進む必要があると、マケドニヤ・プロジェクトの責任者具元俊氏(韓国CCC宣教師)は、未伝地開拓に重荷をもつ日本同盟基督教団九州宣教区などとの間で情報交換を始めている。
 献堂式で具氏は「このセンターが日本福音化の使命を成就するために用いられることを願い、主に捧げます」と献堂宣言。ニューライフ日本実行委員長の神田宏大氏は「センターを日本の福音化だけでなく、日本と韓国のクリスチャンが協力して中国の、アジアの福音化のために用いて下さい」と献堂祈祷を捧げた。  ▽福岡CCCセンター=〒816-0051福岡市博多区青木1ノ11ノ8、Tel&FAX:092・622・4040。同センターへの献金は郵便振替01740・6・62815、ニューマケドニヤを支える会。

「力の論理と聖書の倫理」−−G・スタッセン教授、テロ時代の平和を聖書から説く0405300202

 テロの脅威に対して力の論理をもって世界秩序を維持しようとする中で、逆に平和そのものが脅かさる。そうした中で、真の平和をつくり出すパラダイム(考え方の枠組み)構築とその実践のために、聖書に真摯に立ち戻り現場の声に耳を傾けようと、世界的なキリスト教倫理学者を迎えての平和講演会が6月18、19の両日、東京・千代田区のお茶の水クリスチャンセンターで開かれる。
 「力の論理と聖書の倫理」を主題に東京ミッション研究所が主催、日本福音同盟(JEA)宣教委員会、同援助協力委員会が共催、ワールド・ビジョン・ジャパン、日本国際飢餓対策機構、JEA女性委員会が協力。講師は米国フラー神学大学院でキリスト教倫理学を講じるグレン・スタッセン氏で、国際社会におけるキリスト教のあり方を聖書から具体的に説き起こす世界的学者として知られ、著書『Kingdom Ethics』がこのほど邦訳出版される。現代の平和運動が、アメリカの政治的姿勢への反動ではあっても、同じパラダイムの中にとどまっている傾向が大きいことを指摘し、今までにない新しい平和理解を聖書の忠実な神学的研究から引き出す論法が注目されている。
 講演会は?18日午前11時から「テロ時代に読み直す山上の説教」?同午後1時から「テロリズムの中での平和活動」?19日午後1時から「平和への新しいパラダイム~平和をつくり出す十の実践」。入場無料・席上献金。6月22日から25日まで東京・東村山市の東京聖書学院で東京ミッション研究所が開催する夏期学校でも「神の国の倫理」をテーマに講義する。受講料は全期間1万円、1セッション千円。夏期学校申し込みはFAX:042・391・3076か、Eメールtbs@jhc.or.jpで。

北朝鮮の救い、祈ろう−−世界福音同盟・信教の自由委員会から課題0405300501

 北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)は、世界の中でも、最も抑圧的な政治的体制の下にある国の1つである。そこには、自由というものがほとんどないといってよい。ここ数十年、国政の失敗により、首都ピョンヤン以外の地域での状態は、あたかも暗黒時代に逆もどりした感がある。
 飢餓が広がり、ここ数年で、数百万の人々が死亡したという報告もある。子どもたちがあまりのひもじさに虫や草を取っては食べる現状の一方で、指導者・金正日総書記は贅を尽くした生活を送っている。また、国境を接した韓国は世界で12番目に経済力のある国として繁栄している。
 北朝鮮の軍事力は、国に対する忠誠心の表れとして増大を続けている。そして、金正日総書記の父親である故・金日成主席の時代から、人民が外の世界と接触する機会を奪ってきた。テレビやラジオはあっても、人々は、政治的プロパガンダの情報しか得ることができない仕組みになっている。その結果人々は、「世界中が北朝鮮を攻撃しようとしている」、「食料援助は偉大な金正日将軍への貢物だ」などのプロパガンダを聞かされるのである。 1950年、朝鮮戦争が勃発した時、共産軍から逃れるために、北から南へ何百万という人が避難していったが、その中には多くのクリスチャンもいた。だが、1953年、北と南とが38度線で分断された時、北に留まっていた約30万人のクリスチャンは消息不明となった。金日成支配下の北では、クリスチャンは政治犯として捕らえられ、現在も、強制収容所には約10万人ものクリスチャンが過酷な生活を強いられているといわれている。かつて北朝鮮の首都ピョンヤンは、「東洋のエルサレム」と呼ばれるほど、多くのキリスト教会が立ち並び、多くの信徒がいたのにである。
 現在、ピョンヤンには、カトリックとプロテスタントの教会堂が1つずつあるが、政府に厳しく統制されており、真の意味で信教の自由はない。クリスチャンの多くは地下で礼拝を守っていると考えられ、その数は20万人に及ぶという報告もある。
今年4月23日、中国との国境から50キロ地点にある竜川で、列車の大爆発事故が起こり、少なくとも160人が死亡、何千という人が負傷、3万人もの人が家を失った。しかし、病院には基本的な必需品が備わっていなかった。治療に必要な水、電気、麻酔薬、抗生物質、消毒のための設備などは、これまで外国の非政府援助団体が提供してきた経緯があるが、その多くは、必要とする所には届かず、闇市などに流れてしまっていたこともある。今回、北朝鮮側は、中国側の病院に被災者を移すことを許可していないし、韓国から援助を申し出ている医師たちの入国も拒否している。
 このような爆発による犠牲は同時に宗教的抑圧の犠牲をも意味する。被災者が苦しみの中で横たわっている時、彼らには、喜び、愛、救い、癒し、そして救い主からあまりにも遠い存在となっているのである。
 北朝鮮には信教の自由はなく、多くの人々はイエスのみ名を知ることもなく生き、そして死んでいく。その窮状を知って、北朝鮮との国境付近に住む中国や韓国の多くのクリスチャンは何とか北朝鮮に福音を、イエスの愛を伝えたいと願いながら待機している。
北朝鮮には市民社会なるものは存在しない。従って、政府に反対することもできない。この50年間というもの、外側の世界に対し反対のプロパガンダを進めてきた結果、人々は完全に洗脳された。北朝鮮に住む人々のほとんどは、ほかの人生を知らず、他の真実も知らない。この国が今、なさねばならないことは、外の世界への解放と内側からの変革である。しかし、これは、神だけがなしうる奇跡でもある。
このほど「北朝鮮の救いのために祈ろう」と、福音的教会の国際組織である世界福音同盟(WEA)の信教の自由委員会から以下のような祈りの要請が来た。これは、北朝鮮による拉致事件という過酷な重荷を負わせられた日本という国に住むクリスチャンにとって決して無関係でなない。
◆詩篇24・7は言う。「門よ、おまえたちのかしらを上げよ。永遠の戸よ。上がれ。栄光の王が入って来られる」。このように、栄光の王のために北朝鮮の門戸が開かれ、人々へ正義と癒し、慰めと豊かさに満ちた人生と救いが実現するように、そしてこの国が癒されるよう祈ろう。
◆竜川の悲劇が回復し、この災害がかえって最善に導かれるように祈ろう。
◆北朝鮮に、人権が回復するために説得を続ける外側の世界の指導者の働きかけが、さらに進むよう祈ろう。
◆北朝鮮の指導者の心が変わり、主が彼らをその器として用いられるように祈ろう。「王の心は主の手の中にあって、水の流れのようだ。みこころのままに向きを変えられる」(箴言21・1)。
◆クリスチャンの医療、開発援助のワーカーが北朝鮮に入国できるように祈ろう。