[CSD]2006年 6月4日号ヘッドライン

[CSD]2006年 6月4日《ヘッドライン》
 = 1面 ニュース=
★ペンテコステ・メッセージ:「新しい心で、豊かな実りを」 記・池田 勇人

 = 2 面 ニュース=
★映画「ダ・ヴィンチ・コード」公開始まる——各国で教会関係者ら抗議
★ペンテコステ運動から100年——WEA総主事が祝辞
★沖縄・辺野古基地反対の平良夏芽牧師ら防衛庁前で抗議行動
◎福音ルーテル:戦責告白に立ち平和を希求——憲法前文及び9条の改訂に反対声明
★<教界の動き>ベテル聖書研究会新委員長に増田育生氏、ニュークリエイションが活動終了
★<落ち穂>文化活動としての「聖書を学ぶ会」

 = 3 面 クリスチャンライフ=
★母校のために祈る——東京・開成高校OB会「ペンケン祈祷会」
★障害者支援チャリティコンサートのボランティア募集——盲目のバリトン歌手・時田直也さんも出演
★<私の子育て失敗談>子どもは「王様」、私は「しもべ」? 記・斎藤 望

 = 4 面 ビジネスパーソン=
★「罪赦された」確信与えられ——堀ノ内 菊三郎さん[上](森村商事[株]情報システム部技術顧問)
★<佐藤綾子のイキイキクリスチャン自己表現法>[12]本質以外は寛容であれ

 = 5 面 牧会/神学/社会=
★「戦後60年と日本のキリスト教」シンポより:戦争責任の視点でこれからを展望する?——少数者・任意共同体である意味 発題・増田 琴
◎<オピニオン>12年ぶりの大規模な超教派国際宣教大会 記・守部 喜雅
★国際:WCCとバチカン教皇庁が「改宗」の共通規定作成へ

 = 6 面 関西だより=
◎失ったときから始まった賛美——祈りと慰め歌う安田美穂子さん
★こころとからだのリフレッシュ——教会で「こひつじヨガ教室」
★聖書に学ぶ女性の在り方——「母の学校」開校
★「敬拝と賛美」が日本でも開始

 = 7 面 全面広告=
☆第56回日本ホーリネス教団夏季聖会 「神の力によって生きる」
7月17日(月)~19日(水) 会場・箱根ホテル小涌園
ホームページ http://www.jhc.or.jp/
 = 8・9 面 日本宣教のパイオニア/森五郎=
★柔和を形づくった救いの喜び
★弾圧で20か月投獄——終始笑顔に巡査も感心
★生来の性格でなく聖霊に変えられた

 = 10 面 教会学校=
★<「成長」攻略法>ペンテコステ・「教会の誕生」 記・中台 孝雄
★<CS分級>パズルに挑戦:ペンテコステ後の弟子たちの働きは!? 記・矢吹 博

 = 11 面 情報=
★<情報クリップ>催し情報・放送伝道ハイライトほか
★MOVIE:「ココシリ」——結局、人の欲が犠牲を生むのだ(6月4日からシャンテシネほかで公開)
★BOOK:『みくにがきますように——しゅのいのり』ターシャ・テュータ・絵(日本キリスト教団出版局、1,260円)
★REVIEW:『ジョン・プラウマン談話 田舎牧師の直言』チャールズ・H・スポルジョン著(燦葉出版社、1,575円)

 = 12 面 ひと=
★埼玉県最初の教会物語——日基教団・和戸教会

福音ルーテル:戦責告白に立ち平和を希求−−憲法前文及び9条の改訂に反対声明=0606040204

 日本福音ルーテル教会(山之内正俊総会議長)は、5月5日、第22回定期総会において、「日本国憲法」の前文及び第9条の改定に反対する声明を発表した。
 声明では「戦後60年がたち、今、日本に求められていることは、『戦争放棄』を明記した憲法を持っている世界で唯一の国として、世界の中でいかに平和貢献をなしていくかである」とし、「2001年9月11日の同時多発テロ以降、アメリカの単独先制攻撃主義に基づく対イラク戦争の勃発に際し、日米関係を優先して、これに加担し、今日に至っている」「自民党をはじめ政府与党は『自主憲法制定』を標榜し、『日本国憲法』改定案を作成し、憲法改定国民投票案を進めている」と指摘。「平和憲法を守る立場にとっては看過ごし得ない状況にある」との立場を表明した。
 同教会は、1993年「宣教百年信仰宣言」において第二次世界大戦を含め十五年戦争のあいだ、「神のみを神とする十戒の第一戒を守り抜くことができ」なかったこと、その結果、「一九四一年の日本基督教団合同に際して、ルーテル教会の信仰告白をあいまいにし、戦争の勝利を祈り、協力し」た罪を再認識した上で、 「このような過去の戦争への反省と悔い改めから、二度と過ちを犯すことがないようにとの平和への祈りと志から、現憲法の有する平和主義、主権在民、基本的人権の精神が堅持されることを強く望むものである」「21世紀の時代、『日本国憲法』の前文と第9条が現に有する理念の具現化こそ、わが国のなすべき世界における国際貢献であり、かつ平和貢献であると確信するものである。ゆえに、我々は、この改定に断固反対する」と抗議した。

<オピニオン>12年ぶりの大規模な超教派国際宣教大会 記・守部 喜雅=0606040502

 この4月、40か所ほどの沖縄の教会を訪ねる機会があった。そのほとんどの教会に「沖縄フランクリン・グラハム国際大会」のポスターが張られ、受付には大会の趣旨が紹介されたパンフレットが並べられていた。11月3日から5日の開催に向け、沖縄の教会は静かに燃えているという。
 沖縄の教会としては26年ぶりのグラハム国際大会である。ただし、その時の講師は20世紀を代表するアメリカの大衆伝道者ビリー・グラハム氏であり、今回の沖縄の大会には長男のフランクリン・グラハム氏がメッセージを取り次ぐ。
 このような超教派の大規模な集会が企画される時、それが地域教会の健全な成長にどのような貢献をするのかという点が問われる。過去に、労多くして実は少ない、といった反省の声がなかったわけではない。「沖縄フランクリン・グラハム国際大会」の実行委員長・国吉守氏(那覇バプテスト教会牧師)は、この点について、大会趣旨を説明する中で、「…3日間の大会は氷山の頂点の部分で、それは全体の10パーセント。後の90パーセントは45パーセントがクリスチャンライフの証しの訓練で、45パーセントがフォローアップの取り組み」と記し、沖縄の諸教会が教団教派を超えて共に主の前におのおのの罪を悔い改め、聖霊の一致をもって主キリストが今、生きておられることを多くの県民に見せ、証しできる好機である、と訴えている。
 それにしても、これまでビリー・グラハム氏には絶大の信頼を寄せていた人も、フランクリンって誰? と首をかしげるかもしれない。十年近く前、フランクリンさんのメッセージを聴いたことがある。正直、話を聴く前はあまり期待していなかった。ところが、若き日に挫折し、そこから立ち上がらせてくれた神の恵みがいかに大きかったかを、弱さを隠さずに、福音を力強く語る姿には感動した。  
 3月にはフィリピンのマニラで、フランクリン・グラハム国際大会が開かれた。4日間で延べ39万人が集まり、福音をストレートに親しみやすく語るフランクリンさんのメッセージを聴いて3万人余りが決心したという。
 1994年に開かれたビリー・グラハム国際大会以来、日本で超教派の国際大会と呼べる伝道計画はなかった。今回は、プロテスタントの教会が200以上ある沖縄での開催ということに絞られたが、日本の福音化というビジョンのもと、ここは、全国規模のとりなしが期待されているのではないだろうか。

失ったときから始まった賛美−−祈りと慰め歌う安田美穂子さん=0606040601

 クラシックからアニメソングまで幅広いレパートリーを持つ歌手の安田美穂子さん(日基教団・千里聖愛教会員)は「みんなが幸せになり豊かになるものは神様からくる」と語る。4月に大阪クリスチャンセンターで開いたチャリティーコンサートでも、賛美歌、映画音楽、アニメソングとバラエティー豊かなプログラムで観客を楽しませ、収益金はアフガニスタンとフィリピンの子どもたちの支援に役立てた。深く澄んだ歌声の背後にある、絶望から再生した体験が聴く人の心を打つ。  「私をあなたの喜ばれるようにしてください」
 安田さんはいつもこう祈る。神の前に自分で自分を品定めして差し出すのではなく「ただ私を神様の道具として使ってください」と。
 神戸女学院大学で声楽を専攻し、卒業後も教職のかたわら多くの演奏会で歌ってきたが、結婚で世界が一変した。主婦業と夫の慶典さんの医院を手伝う日々。音楽から遠ざかって10年が過ぎ、気付いたら以前のようには歌えなくなっていた。「レッスン命」、いわば音楽のエリート集団の世界で10年のブランクは長すぎた。「どん底に突き落とされたようでした。私の取り柄は歌うことだけだと思っていましたから。それを取り去られたときに残ったのは、妻であり母であり嫁であっても、そのどれ1つとして満足にできていない自分、それなのに歌うということにしがみついていた傲慢な自分だったのです。そのことに初めて気がつき、自分が嫌になりました」
 「私なんか生きている意味がない。何も役に立たないから取り去ってもらっていいです」。そんな嘆きの中に響いてきたみことばに勇気を得た。
 「あなたは私にとって高価で尊い」(イザヤ43・4)
 「もう一回生きてみよう。けれどももう歌えないから、神様の言われることなら苦手なことでも何でも、とにかく神様に自由に使ってもらおう」。その祈りが新たな転機に。教会やキリスト教関係の集会から依頼が来るようになり、「昔のような声は出ないが、今の声でいいのなら」と、もう一度歌い始めたことが評判を呼び、「CDを作って」と言われるまでになった。2001年に初めてのCD「WINGS OF ANGEL」を、04年に「WINGS OF ANGEL VOL.2」を出した。実績も信仰もリセットして、ただ「みこころのときにみこころの人に渡って、何かを感じてくださるように。聴きながら誰かの顔が思い浮かんだなら、その人にもこの思いが伝わりますように」と祈って作ったCDは、病床の人や心痛む人を慰める神の役に立つものとなった。
 「今歌うのは伝えるため。神様が私を使ってくださることへの感謝と、賛美のことばに祈りとメッセージを込めて。立派な歌は歌えないけれど、もし、つらい思いをしている人に響くものがあるとしたら、家の苦労を背負いながらこうして使ってもらっているからこそ」。神様がなされることは良いことだけ。どんなときも、これだけは疑ったことはない。「私たちは何もしなくていいんです。ただゆだねるだけ。神様はどう祈っていいか、祈りすら教えてくださるのだから」
 「歌の練習? 掃除機をかけながらとか、お風呂掃除のときとか」。安田さんのレパートリーの1つ「サウンド・オブ・ミュージック」のヒロインを思わせる明るく温かい人柄。深く澄んだ歌声は、朗らかな奉仕の場から生まれる。