[CSD]2006年 7月23日《ヘッドライン》

[CSD]2006年 7月23日《ヘッドライン》
 = 1面 ニュース=
◎音楽伝道の発信基地——ユーオーディア・プレイズホール誕生
★CJC:キリスト者の迫害増加——印・パ・インドネシアが最も危険  = 2 面 ニュース=
◎憲法「改正」危機に平和祈る——「軍隊を持たない国」コスタリカから提言
★神は名もない人を用いる——OMF創立40周年「世界宣教の夕べ」
★内向きでなく、外向きの開かれた教会へ——エリヤ会シンポジウム
★<教界ニュース>日本キリスト教協議会:辺野古基地建設の白紙撤回求める
★<教界ニュース>日本キリスト教協婦人矯風会:創立120周年全国大会
★<落ち穂>「修復的司法」と日本の教会の課題  = 3 面 クリスチャンライフ=
★回復はらせん階段で——ひきこもり体験伝道師がセミナーで語る
★<暮らしの中の信仰>ことばの善玉、悪玉 記・東後 勝明  = 4 面 ビジネスパーソン=
★つらい経験 すべて益に—是久 昌信さん[下]([有]グレイス代表取締役)
◎韓国でも広がるビジネスパーソン伝道——ソウルでVIPを開設した金光石氏  = 5 面 牧会/神学/社会=
★講演:国際聖書フォーラム2006より[3]死海文書に関する近年の学問上の諸問題<上> 講演:エマニュエル・トーブ
★<オピニオン>協力は宣教の力 記・永井 敏夫  = 6・7 面 地域宣教特集:北海道=
★札幌に一点集中、広大な空白地帯——地方と都市のネットワークが課題
★課題を共有、支え合う気風を培った北海道宣教懇談会
★観光地の教会の感化——登戸中央福音教会
★歴史は物語る:ハリス宣教師とクラーク博士  = 8 面 関西だより=
★「いのちってなんだ」——いのちありがとうの会組織作り始動
★「我死ねり、生きるのはキリスト」——松原和人召天40周年記念聖会  = 9 面 健康特集=
★なぜ世界最長寿国になれたのか?  = 10 面 教会学校=
★<成長攻略法>苦難の中でのヨセフ——すべては神の計画の中に
★<CS分級>ぴったりを捜せ 記・矢吹 博  = 11 面 情報=
★<情報クリップ>催し情報・放送伝道ハイライトほか
★MOVIE:「蟻の兵隊」(http://www.arinoheitai.com/)
★EVENT:Feel the Spirit! Hawaiian Gospel Live 2006(http://newhope.jp/feelthespirit2006/)
★REVIEW:『日本の伝道』近藤勝彦著(教文館、2,100円税込)  = 12 面 ひと=
★人々の信仰の成長に携わりたい——宣教師・漆原淑子さん

音楽伝道の発信基地−−ユーオーディア・プレイズホール誕生=0607230101

 クリスチャン音楽家の集い「ユーオーディア」(柳瀬洋代表)の活動拠点が新しく東京都世田谷区にあるナザレン・三軒茶屋教会(日下部繁牧師)の地下1階へと移転。「ここに主への賛美が満ち溢れ、流れゆき、この日本、そして世界にキリストの香りが広がることを願って」ユーオーディア・プレイズホール(Euodia Praise Hall)と名付けられた。6、7月はオープニングコンサートが連続で開かれている。  「ここは地域に開かれた宣教ビルにしたいと作られた場所。特に地下室は防音になっていて、音楽伝道をと願って作られたと聞いている」と日下部氏は語る。1985年に三軒茶屋駅のすぐ近くに建てられた三軒茶屋教会は「ナザレンハイツ」と「ナザレン女子学生会館」有する11階建てのビル。1階部分を礼拝堂としている。地下部分は独立しているが、3年前に日下部氏が赴任した時は使用されていなかった。
 現在、全国に教派を超えクリスチャン音楽家約300人の会員がいる「ユーオーディア」。その活動を練馬区の教会の空いている時間、空いている部屋を借りて行ってきたが、専用の活動拠点をと願っていた。
 そんな中、2000年、交流のある台湾のクリスチャン音楽家の集まり「音契合唱管弦楽団」に活動拠点として街の中心地のビルの一角が与えられ、教会と一体となって音楽伝道を行っていることを知る。このビルは一教会が宣教ビルとして建てた17階建て。その地下スペースすべてを同楽団に寄贈した。完成を祝うイベントに台湾から招かれた時に、柳瀬さんは「このような場所がほしいなあ」とつぶやいた。「彼らに『祈ってる?』と聞かれ、はっとした」。それから祈り始め、ただ「与えてください」と祈るだけではなく、神様に用いられる器となるようにと行動をおこしていった。
 2004年には音楽家たちが演奏技術を磨くことだけではなく、聖書や証の語り方なども学び、音楽伝道者、教会音楽奉仕者として整えられていきたいとユーオーディア・アカデミーを作った。このような時期、メンバーの1人が三軒茶屋教会の会員であったことがきっかけで、地下室の存在を知った。「共同の宣教の場としたい」と日下部氏。教会の宣教ビジョンと一致した。
 柳瀬さんはこの音楽伝道の働きが教会と一心同体であることを強調する。「教会には敷居が高くて入れないような方も、コンサートホールなら敷居は低い。そしてキリスト教や聖書に興味をもたれた方に諸教会を紹介することもできる」。
 多目的スペース「ユーオーディア・プレイズホール」など約30坪ほどのスペースが音楽伝道の発信基地となる。「賛美があふれ、教会と音楽家をつなぐ場所として、ここから日本へ、世界へ神様の祝福が伝わるように」
 今後コンサート、講演、アカデミーの授業、賛美礼拝などを行う予定。
 ユーオーディア・プレイズホール 世田谷区三軒茶屋2ノ19ノ15三軒茶屋ナザレン教会B1F、TEL&FAX:03・6657・5011

憲法「改正」危機に平和祈る−−「軍隊を持たない国」コスタリカから提言=0607230201

 昨年10月28日、自民党は「自衛軍の保持」を定めるなどした憲法「改正」草案を発表。その後、「改正」に伴う国民投票法、教育基本法「改正」、「共謀罪」などの法案が国会で審議の対象にもなり、日本国憲法がもつ「平和主義」の原則が根底からくつがえされようとしている。そんな中、「平和を実現するキリスト者ネット」は7月6日、東京・新宿区のニコラ・バレ聖堂で「平和を求める祈りの集い」を開いた。  「祈りの集い」には、1949年に憲法で軍隊をもたないことを定め、以来「平和憲法」を実践し続けている中米・コスタリカからカルロス・バルガス氏(コスタリカ大学法学部教授)を招いた。バルガス氏は「平和憲法『改正』の危機にさらされている日本の状況に危機感を抱き」、来日した。
 バルガス氏は第1部の「平和を求める祈り」のメッセージの中で「日本は今、歴史的に重大な時にあると思います。1945年から日本はずっと平和を守ってきましたが、今になって憲法9条が変えられようとしている。このような緊張した状況の時、神に目を向けることが重要です」と語りかけた。また「コスタリカが平和、民主主義、人権を尊重する根本にはキリストへの信仰があります。私たちコスタリカ人は、平和は権利として主張すべきものだと考えています。みなさんも、『平和を恵んでください』ではなく、力強く平和を主張していくべきだと思います。そこにキリスト者としての使命があります。みなさんが日本だけでなく、世界の平和維持に貢献できるように願っています」と励ました。
 第2部の応答の時には、「『軍隊を廃止した場合、他国から責められたらどうするか』と聞かれた時、私たちは返答につまってしまう。なぜコスタリカのキリスト者は戦力放棄を信仰的に決断することができたのか」などの質問が。バルガス氏は「コスタリカでは、幼い頃から神に信頼し、信仰に基づいて生活することを学んでいます。困難な状況には神からの助けがあると。そのようにして神の奇跡を信じてきた結果でしょう」と返答。「日本は危機的状況にあり、苦しみの中にあります。ですが今の子どもたちに、過去のことをしっかりと学び、現在と将来を見据えるような教育がなされていった時、この苦しみが周辺諸国と共生して暮らせるような社会をつくれるかもしれません。そういう喜びの時となるかもしれません」と締めくくった。
 「平和外交」を維持するコスタリカは83年、内戦を繰り返す中南米諸国や、それに介入しようとするアメリカに対して「永世非武装中立宣言」を発表し、中立的立場を貫いた。またオスカル・アリアス元大統領は中米和平の道筋をつくり、自国だけでなく他国の平和づくりに貢献した。「環境先進国」としても名高く、国土の4分の1以上が国立公園や自然保護区。医療、教育はすべて無償。学校では「民主主義」「人権」「環境」などのカリキュラムがあり、平和へ向けた実践的な教育が展開されている。

韓国でも広がるビジネスパーソン伝道−−ソウルでVIPを開設した金光石氏=0607230402

 「ここに答えがある」  99年2月、柿谷正期さん(日本リアリティーセラピー協会理事長)の紹介で、広島県福山市にある教会の礼拝に出席した。「説教で、イエス・キリストが愛をもって人々を導かれたということがとても印象に残りました。自分には全くない考え方で、自分には愛がないことを知ったのです。耳に痛い言葉でしたが、ここに自分が求めている答えがあることを実感したのです」
 それから毎週、礼拝に出席するようになった。「これまでの人間関係の歪みは、すべて自分の罪から出ていることが分かりました。一つひとつの罪を神様の前に告白した時、辞めていった社員への苦々しい思いを消すことができ、今まで抱えていた悩みからも少しずつ解放されていったのです」。1か月後、イエス・キリストを救い主として受け入れた。  倒産寸前社員に変化  しかし、社員との人間関係は依然として最悪の状態だった。「『内側から動機づけられた時いい仕事ができ、いい成果も出る』という選択理論で学んだ原則を会社でも実践してみようと思ったのです。しかし、昔の習慣はすぐには直りません。外側からコントロールしようとする癖が残っていて、何度も失敗しました」
 やがて、会社の業績も悪化。倒産寸前にまで追い込まれた。「もう、これはダメだ」と思った是久さんはある日、社員全員の前でこう語った。「すみませんでした。私の経営能力の甘さで、倒産の方向になりました。1か月間の給料は確保するので、皆さんはこの1か月間、再就職のために動いてください。これが、ここまでついてきてくれた皆さんに私ができる、最後のお返しです」
 ところが、社員たちに変化が起きた。10人ほどの社員は1人も再就職活動をせず、みんなが協力して仕事をするようになった。
 「私は自分のことで手いっぱいで、社員をかまう余裕がなくなりました。しかし、その時初めて社員たちが協力して仕事をするようになったのです。今までは内向きに走っていたので、みんなが嫌がっていた。ところが、私が外を向いて走り始めた時、みんなが助け合うようになった。『あっ、これか!』という手応えを感じました」
 さらに、社員の中から斬新なアイデアが出て、新商品が誕生した。「この商品のお陰で会社がまた復活し、首の皮1枚で倒産を免れたのです」  「グレイス」設立  会社は倒産を免れた。だがその後、ほかの大手上場企業に吸収合併することになった。是久さんは責任を取って代表取締役社長を辞任。一緒に働いてきた社員たちと別れた。そして「選択理論心理学をベースとしたマネジメント・ノウハウを提供したい」と決意し01年、マネジメント研修会社「グレイス」を設立。また、ゼロからの出発だった。
 「今までの経験が、すべてグレイスの働きにつながっています。私は必ずセミナーで自分の失敗談をします。間違ったリーダーシップによって、会社を倒産寸前に追い込んだ。会社は倒産ギリギリで復活したが辞職し、また1からのやり直しとなった。そんな失敗談や体験談は、もっとも関心の高い話なのです」
 新しい会社も、最初の1、2年は困難を極めた。「毎月どうしよう」と、資金繰りで胃に穴があくような日々が続いた。「自分でも、もう神様に委ねるしかなかったのです。『この苦難は必ず過ぎ去るんだ』と。そしたら、資本金も事務所も全部与えられましたね。『人生って、こういうものなんだなあ』と思いました」
 設立から6年経った現在、会社の経営も軌道に乗り、経済的にも安定してきた。今までは主に中四国、関西で研修セミナーを行ってきたが、今後は東京にも進出し、関東でも企業研修セミナーを展開していきたいと願っている。
 また、いろいろな出来事を通じて、「自分の方向性が宣教であるということが明確になってきた」とも。「企業研修などでみことばを伝えていくと、最終的には黄金律の『自分にしてもらいたいことは、ほかの人にもそのようにしなさい』(マタイ7・12)に行き着きます。聖書そのものが多くの人に広まれば、きっと日本は再生すると思いますね」
 次のステップを見据えている是久さんの顔は、輝いていた。