[CSD]2007年7月29日《ヘッドライン》

[CSD]2007年7月29日《ヘッドライン》
 = 1面 ニュース=
★新潟県中越沖地震:「日曜なら大惨事だった」——ホーリネス・柏崎聖光キリスト教会礼拝堂が全壊
★大風4号沖縄・九州南部に上陸——生かされた日ごろの台風対策

 = 2 面 ニュース=
◎新潟県中越沖地震:激震の直後から支援活動——キャンプ場や教会が救援・支援活動の拠点に
★新潟県中越沖地震:会堂建設中で難逃れる——伝道福音・柏崎キリスト教会
★新潟県中越沖地震:救援・支援窓口
★<教界ニュース>バプ連盟が自衛隊の監視活動に抗議、日本YWCAが久間前防衛相発言に抗議
★<落ち穂>劇場未公開映画「AMEN」のメッセージ

 = 3 面 =
★戦前想起の阿部内閣に危機感——靖国法案国会提出38周年で「靖国の集い」
★ジーザスフェスティバルに7千人——チョー・ヨンギ氏日本宣教30年
★バチカン:プロテスタントは教会とは言えない——教皇が声明で言及
★<オピニオン>迫り来る原発震災の危機 記・水草 修治

 = 4 面 ビジネスパーソン=
★ピッピーから店舗屋へ——堤 重和さん[上]([株]夢屋代表取締役社長)
★<ゴールデンルール>[17]責任についての2つのあり方 記・田上(たのうえ)昌賢

 = 5 面 情報 =
★<情報クリップ>催し情報・放送伝道ハイライトほか
★MOVIE:「馬頭琴夜想曲」——極彩色で平和訴える(7月21日からシアター・イメージフォーラムほかで公開)
★CD:「j-worship Vol.4」ライフ・エンタテイメント(ライフ企画、2,310円税込)
★REVIEW:『日本の説教? 榎本保郎』榎本保郎著(日本キリスト教団出版局、2,625円税込) 評・佐藤 博

 = 6 面 結婚特集 =
★わが国最初のキリスト教結婚式——新島 襄と山本八重
★デーティングは探検、結婚は共に成長すること——ジョナサン・ウィルソン牧師結婚セミナー

 = 7 面 特集/宣教アイテムガイド =
★恵みを無駄にしていませんか

 = 8 面 全面広告 =
☆東京基督教大学 国際キリスト教福祉学科開設(2008年4月予定)
開設予定説明会:8月11日、11月3日、2008年1月26日
ホームページ http://www.tci.ac.jp/
 = 9 面 特集/視覚障がい者 =
★福音点字情報センター:新スタッフ加わり働きをバトンタッチ
★日本盲人キリスト教伝道協議会:夏に青年部全国大会を開催

 = 10 面 教会学校 =
◎子どもの心を蝕む点数至上主義——都教員が語る「学校教育のいま!」
★<CS分級アイデア>夏野菜スタンプ——余った野菜も無駄にせず 記・石橋えり子

 = 11 面 クリスチャンライフ =
◎南米宣教会:マナウス日伯学校校長ら来日し報告会——学校教育から広がる宣教
★神の「癒し」を処方——世界クリスチャン医師ネットワークが国際医師会議を主催
★<私の子育て失敗談>あなたの未来には希望がある 記・斎藤 望

 = 12 面 教会 =
★「韓流」伝道で手づくり敬老パーティ——リバイバル連盟・甲府教会



◎新潟県中越沖地震:激震の直後から支援活動−−キャンプ場や教会が救援・支援活動の拠点に=070729

 新潟県柏崎市、長岡市、刈羽村、長野県飯綱町で震度6強を記録するなど中越地方を中心に広い範囲で強い揺れを観測した新潟県中越沖地震。7月19日現在、消防庁災害対策本部による被害状況は死者10人、重軽傷者千310人、全壊944棟、84か所の避難所で6千278人が生活している。犠牲者の一番多かった柏崎市内では、市役所のある海側の被害が大きく、倒壊した瓦屋根の木造家屋や、道路の陥没や隆起が随所に見られ、地震の激しさがうかがえた。教会及びキリスト教団体、クリスチャンのボランティアは、柏崎市鯨波の聖ヶ丘バイブルキャンプ場(新潟聖書学園内)、柏崎市東本町の日本基督教団柏崎伝道所などを拠点に、救援活動を行う模様だ。  聖ヶ丘バイブルキャンプ場にとっては、「キャンプシーズンはこれから」という時だった。キャビンを支える柱が傾き、施設内の家財道具が散乱するなどの被害。
 地震発生の翌日に訪問した時は、キャンプ場は電気、ガス、水道は止まった状態。トイレの水は流れず、蛇口の水も出ない。お湯はガスコンロで沸かす。夜は懐中電灯とロウソクの灯で過ごす。
 電話もつながらず、外との連絡は携帯電話頼み。電池が切れても充電器も手に入らない。日常何気なく使っていたものが使えなくなる、災害時の不便さを知った。その夜長野から駆けつけた信徒やスタッフと共にはロウソクの灯のもと、チャペルで寝袋にくるまり一夜を明かした。
 翌朝、同キャンプ常駐スタッフの佐々木昇さんの案内でキャンプ場を回る。「外見は大丈夫そうだが、細かく見ると壁にひびが入っていたりドアが傾いたりしている」という。キャビンの土台を見ると支柱が傾き、入り口の部分がずれて溝が出来ていた。「危険ですね。寝泊まりは難しいでしょう」とひと言。泊まれる所とそうでない所を見極める必要がある。
 佐々木さんの住まいも、本棚が倒れ、食器棚の皿が散乱するなど、地震の揺れの激しさをうかがわせた。佐々木さんは地震発生当時、娘と外にいたという。「止まっている車が踊っているような感じだった。集会室に置いてあったピアノが1メートルぐらい移動した。妻と息子は、比較的物が少ないリビングにいたのでけがはなかった」。妻と子ども2人は、魚沼市にある佐々木さんの実家に避難している。
 同キャンプ場は18日に水道、電気、電話が復旧した。「水道、電気が復旧したことで、だいぶ落ち着いた」という。
 7月中は、運営母体の日本伝道福音教団、日本同盟基督教団だけでなく東洋宣教会インターナショナル(OMS)、日本国際飢餓対策機構(JIFH)などからボランティアが来て、同キャンプ場を宿舎にする予定。
 佐々木さんは、「7月いっぱいは片付けに追われるが、8月にはキャンプができるよう準備したい」と語る。  日本伝道福音教団柏崎キリスト教会(吉澤昭男牧師)は旧会堂を取り壊し、ちょうど新会堂建築の基礎工事の段階だったため、難を免れた。「古い会堂にいたら危なかった」と吉澤牧師。
 この地震の影響で今年10月に完成予定の新会堂は竣工が1、2か月延びそうという。「工事期間が伸びるのは仕方がない。むしろ、大工さんには被害の大きかった家屋の再建を優先してほしい」
 新会堂建設予定地の斜め向かいに牧師宅があるが、その前の電信柱が牧師宅に大きく傾いていた。「地震直後はもっと傾いていた。危ないので、少し起こしてもらった」
 また、その隣には日本伝道福音教団引退牧師の春日勝司夫妻宅がある。春日夫妻は今回の地震で軽いけがを負い、現在、避難所での生活を余儀なくされている。
 吉澤牧師は「大きく傾き住むことが難しくなった家をやっとの思いで逃げ出した高齢の方や、屋根瓦がほとんど崩壊し壁も崩れ落ちるなど、信徒の中には大変な状況の方々もいる」と祈りを要請した。
 日本基督教団柏崎伝道所(臼田宣弘牧師)は、建物の2階の家財道具が倒れたが、建物に被害はなかったという。
 柏崎市以外では、長野県上水内郡飯綱町にあるジャム、ワインなどを製造・販売するクリスチャンカンパニーの(株)サンクゼール(久世良三代表取締役社長)が、売店に陳列していたワインやジャムの瓶が倒れ、多数破損した。同社のスタッフ飯森国正さんが地震発生翌日救援活動のため柏崎市に駆けつけた。
 3年前に新潟中越地震を体験し、会堂の壁に亀裂が入るなどの被害に遭った新潟県長岡市学校町の長岡聖契キリスト教会(日吉俊泰牧師)は、今回も震度6強の強い揺れを受けたが、大きな被害はなかったという。
 3年前の地震を体験した長岡の教会の牧師、信徒らは、震災直後に柏崎市内に赴き、教会や聖ヶ丘バイブルキャンプ場を訪れ、水やおにぎりなどの救援物資を届けるなど素早い対応をした。 【救援・支援窓口】
●日本基督教団教団関東教区は、柏崎伝道所にボランティアセンターを設置。7月31日まで教団の牧師、信徒らが交代で常駐、柏崎市内のボランティアセンターを通してボランティア活動をしていく。問い合わせは20257・21・6992。
●日本伝道福音教団は、各個教会の自主性を重んじ、それぞれの教会でボランティア活動や義援金の支援活動を行う。窓口はTEL:080・6586・7182(佐々木)。
●日本国際飢餓対策機構(JIFH=堀内顕理事長)は被災者救援準備のため18日、被災地にスタッフ2人を派遣。被災者のニーズや行政を含め各種の救援体制の動きなど、今後の救援活動を策定するための情報収集を行う。10人ほどのボランティア学生の派遣を計画している。被災者救援募金も開始。郵便振替00170・9・68590、日本国際飢餓対策機構(記入欄に「中越沖地震」と明記)。
●日本緊急援助隊のケン・ジョセフ代表は、震災直後の16日午後、柏崎市内に入り、救援活動を開始している。必要な救援物資は飲料水、缶詰、粉ミルク、救急箱、レトルト食品など。救援物資送り先は〒106-8691東京麻布郵便局私書箱65号。義援金振り込み先は郵便振替00160・7・162438、日本緊急援助隊(記入欄に「新潟県中越沖地震」と明記)。学生のボランティアも受け付けている。問い合わせTEL:0570・000・911。
●日本福音同盟(JEA=具志堅聖総主事)も災害救援募金を開始。郵便振替00190・5・7790、(JEA)日本福音同盟援助協力委員会(記入欄に「新潟県中越沖地震義援金」と明記)。またJEAの協力支援団体CRASHが23日、ボランティア活動のため聖ヶ丘バイブルキャンプ場に入り、CRASH柏崎ボランティアセンターを設置。ボランティアの受け入れを開始している。問い合わせTEL:0428・30・1604。

◎子どもの心を蝕む点数至上主義−−都教員が語る「学校教育のいま!」=0707291001

 近年、「学力低下」論など教育問題への関心の高まりとともに、子どもたちを取り巻く状況が目まぐるしく変化している。政府は「教育改革」を声高に叫び、関連法案の成立や学習指導要領の見直しなどを押し進めてきた。しかし、最もこの「変化」の影響を受けるのは、教育の受け手である子どもたちということを忘れてはならない。今、教育の現場で何が行われ、子どもたちはどのような状況にさらされているのだろうか。  「日の丸・君が代」の強制など、教育に関しての締め付けがもっとも厳しく行われている東京都。その公立学校に勤務する教員が現場の状況を語るパネルディスカッション「学校教育のいま!—いじめ・不登校から学力テスト・学校間格差まで」(日本キリスト教団東京教区北支区教育部、同社会部、同信濃町教会社会委員会主催)が7月13日、東京・新宿区の同教会で開催された。パネリストは長谷川和男(前小学校教員、前杉並区教職員組合委員長)、片桐健司(小学校教員、障害児を普通学校へ・全国連絡会運営委員)、岡田明(都立高校教員、「日の丸・君が代」強制反対・予防訴訟原告)の3氏。司会は飯島信氏(中学校特別支援学級教員、日基教団・池袋台湾教会伝道師)。
 足立区の中学校に勤務する飯島氏は、昨年4月に同区で実施された学力テストで不正が行われていた問題に触れ、「今回の問題は、学力テストの成績によって各学校への予算配分に差をつける、教育の体制に問題があると思う。近年、教育が大きく変わってきているのを感じる」と問題提起をした。
 今年3月で定年退職し、現在は中学校の不登校学級などに勤務する長谷川氏は、37年間の小学校教諭の経験から、子どもたちを取り巻く環境の変化を次のように語る。「最近では、『優秀』と言われている子が『荒れている』クラスの中心にいる。昔では考えられないことです。私は、競争主義が子どもの心を蝕んでいると感じています」。学区ではなく自分で行きたい学校を選べる学校選択制や学力テストが導入され、子どもたちが分けられる状況が起こっているという。
 しかし問題は、それらが子どもたちのためにではなく、教育委員会が学校を管理するために行われている点にあると片桐氏は指摘する。「校長は、入学者の数が自分の成績になると考える。自分の学校にいかに子どもを集めるか、ということに必死になってしまう」
 岡田氏は、教員の間の意識の分断が進んでいると指摘する。「統括校長、副校長、主幹などが新たに導入されて階層化されることにより、教員の団結の場をなくしていくことが都教委のねらいの一つ。教員が競争の場にさらされ、なぜ先生を目指したかという『志』の部分を押し殺していかないと生きていけなくなってきている」
 片桐氏は「教員は書類によって管理され、教育活動で本当に必要な時間、子どもといっしょに過ごす時間が取れなくなっている」と言う。
 そうした中では、点数至上主義になりつつある今の教育に対抗していくには、教員だけの力では難しい。長谷川氏は「昔なら『過度の競争はいけない』と、保護者・世論が声をあげていたが、今はいっしょになって子どもを競争の中に投げ込んでしまっている。子ども自身に目を向けずに、『どのような評価を受けるか』ということが教育を動かす原理になりつつある。教員、保護者、地域の人と結びついて団結していかなければ対抗していけない」と語る。
 片桐氏は「学力が高いのがいいことで、低いことは悪いこと、というのが学力低下論の問題。学力が低くてはいけないのか? 学力が低くてもその子は一生懸命生きていて、私たちはそこに目をつけなければいけない。いろんな子が助け合って育っていくのが子どもたちの能力であり、生きる力ではないかと思います」と、今の教育の問題点を訴えた。

◎南米宣教会:マナウス日伯学校校長ら来日し報告会−−学校教育から広がる宣教=0707291101

 南米宣教会(後藤敏夫理事長)宣教報告会が7月12日、東京世田谷区のJECA・キリスト教朝顔教会(後藤敏夫牧師)で開かれた。同宣教会の三浦春寿宣教師(マナウス福音ホーリネス教会)が4年ぶりに帰国。同宣教師が理事長を務めるマナウス日伯学校のエリエッチ校長、カリーナ生徒指導主任も共に来日し、マナウスでの働きを報告した。会場には、同宣教会支援者のみならず、マナウス日伯学校にゆかりのある人、支援者ら100人近くの人が駆けつけた。  マナウスはアマゾナス州の州都でブラジル北部に位置する。中田智之宣教師によって始められたマナウス日伯学校は、キリスト教精神に基づいた学校(小中学校に相当する9年制の学校)で、現在のエリエッチ校長も熱心なクリスチャン。しかしその歩みは順調ではなかった。現在は180人の生徒が学んでいる同校だが、「初期には子どもも少なく、校長が立て続けに何人も代わるうえ、給与も満足に支払われないこともあった」とエリエッチさん。その苦境の中で、中田宣教師がまだ若いエリエッチさんを責任者とした。1994年に校長に就任したエリエッチさんは、「教師を志したのも校長の重責を引き受けたのも、すべて主の御心ならばという祈りの中で示されたこと」と証をした。
 14年前から同校で働くカリーナさんは「マナウス日伯学校で大切にしていることは・霊的な面、・しつけの面の2点」だという。「ブラジルでは教育への意識があまり高くないので家族の協力を得るのも大変。でも教育は学校だけではないので家族の協力を求めます」と語った。運動会や父母会を通して、家族ぐるみで学校行事に参加してもらうなどの工夫をしている。また、三浦宣教師も「霊的な面の成長とは、『キリストの愛のうちに全人格的成長を目指す』もので、子どもたちの体、学力など数値に表れる成長だけでなく、心、精神、霊性を保ち、育てることが大切」と語る。
 参加者からは「一時はマナウス日伯学校の存続も危ぶまれ、信仰が試された。今、神様が祈りに応えてくださった報告が聞けて感謝です」「昔と変わらないエリエッチ先生の活発な様子や三浦宣教師の元気な姿を拝見できてよかったです」などの感想を寄せた。後藤敏夫氏は「こうして現職のブラジル人の先生お二人がお証くださったことが、喜びであり、神様に感謝いたします」と結んだ。
 2008年にブラジル日本人移民は100周年を迎える。南米宣教会では、その記念事業の1つとして新改訳聖書の贈呈運動を計画している。そのための送料およそ37万円の援助を募っている。
 聖書贈呈運動についての問い合わせは南米宣教会
 〒156- 0043世田谷区松原2ノ29ノ19 103・3321・6722郵便振替00160・6・6392。