[CSD]2007年8月19日《ヘッドライン》

[CSD]2007年8月19日《ヘッドライン》
 = 1面 ニュース=
★神が共にいる証として——第18富士山丸事件の紅粉船長、北朝鮮抑留7年の手記を出版
★「世界平和祈りの式典」でアフガンでの拉致韓国人のため祈る

 = 2 面 ニュース =
◎「過ちを繰り返さない」——JECA総会で2007年宣言を採択
★クリスチャンとユダヤ人の関係緊密化訴える——エルサレム・サミットAsia?
◎石原都知事に靖国参拝中止を要請——平和遺族会など全国41団体が共同提出
★<教界ニュース>BBN放送番組改編
★<落ち穂>文化伝道ラブ・ソナタの波紋

 = 3 面 教界ニュース =
★「契約から神との聖約共同体へ」——聖学院第2次教育会議
★米国:ハリー・ポッターに神を捜す…——揺れる米国クリスチャンの反応
★<オピニオン>参議院選挙に表された「民意」の意味 記・根田 祥一

 = 4 面 ビジネスパーソン=
★町工場を夢のある職場に——坂本 旭さん[上](ミクニキカイ[株]代表取締役会長)
★<ゴールデンルール>[18]他者の呼びかけに応答する 記・田上(たのうえ)昌賢

 = 5 面 牧会/神学/社会=
★第2回韓・日宣教協力学術セミナー:両国の伝統宗教・思想を検証 記・油井義昭
★バチカン:教皇のラテン語ミサ許容で賛否両論
★<精神障害と教会>[9]一緒に研究しよう 記・向谷地 生良

 = 6・7 面 8・15特集=
★戦争責任告白をどう生きるか——聖書からの語りかけを聴くことが課題 発言者・岩井健作氏
★戦争責任告白をどう生きるか——戦責を平和メッセージに継承 発言者・木邨健三氏
★戦争責任告白をどう生きるか——「弾圧受けた」から気づきへ 発言者・内藤達朗氏
★<書籍>『靖国の闇にようこそ』辻子 実著(社会評論社、1,890円税込)

 = 8 面 特集/神戸ルーテル神学校=
★創立50周年:躍進続ける開かれた神学校
★これまでも、これからも——主の来りたもう日まで 記・橋本昭夫校長
★9月17日に創立記念礼拝・講演会

 = 9 面 情報=
★<情報クリップ>催し情報・放送伝道ハイライトほか
★BOOK:『5つのパンと2ひきの魚』フランシスコ・グェン・ヴァン・トゥァン著(女子パウロ会、1,365円税込)
★BOOK:『神の底抜けの恵み=後編』錦織博義著([株]ヨベル、1,470円税込)
★BOOK:『レガシー 遺産』スティーブン・J・ローソン著(ホームスクーリング・ビジョン、1,980円税込)
★REVIEW:『第二ヴァティカン公会議』G・アルベリーゴ著(教文館、2,415円税込) 評・具志堅 聖

 = 10 面 関西だより =
◎自立支援の拠点にレストラン「グレースカフェ」オープン——NPOトータルケアセンター
★「宣教は苦労して汗かいて楽しむ」——世界宣教セミナーでレジャイアン氏講演
★建築家ヴォーリズの生涯を絵本に——『ヴァーリズさんのウサギとカメ』発行
★教会も地震対策急務——[株]めぐみ堂が提唱

 = 11 面 クリスチャンライフ =
★人形が物語る聖書の世界——聖書人形ミニストリーを始めた杉岡広子さん
★福音の受け皿として食をデザイン——韓国家庭料理レストラン「妻家房」上野店オープン

 = 12 面 ひと=
★「北の国から」の大自然に魅せられて——有機酪農家・武藤講三さん



◎「過ちを繰り返さない」−−JECA総会で2007年宣言を採択=0708190201

 日本福音キリスト教会連合(JECA)は6月27日、第8回総会を開催し「日本福音キリスト教会連合第八回全国総会宣言(2007宣言)」を採択した。
 同連合ではこれまでも、95年総会で「第二次世界大戦における日本の教会の罪責に関する私たちの悔い改め」を、01年総会では「日本福音キリスト教会連合2001宣教宣言」を採択。第二次大戦時にキリスト教会が犯した、天皇を神とする偶像礼拝やそのアジア諸国への強要、戦争への協力を悔い改めると共に、「国を絶対化し、天皇を神格化し、それらに従うことを強制されることがないように見張り警告するとともに偶像礼拝をせず、主イエス・キリストに死に至るまで忠実に生きる」と宣言した。
 その後05年6月30日の第7回総会で、95年の「罪責告白」を反古にしない、「告白」の精神と教会のもつ歴史認識を次世代のキリスト者に継承したい、右傾化に対する警告と、米の武力主体の姿勢に同調することへの危惧、の思いを抱いた3人の起草者が「戦後60年を迎えての日本福音キリスト教会連合声明」を緊急提案した。同声明は、代議員総数の3分の2に近い賛成があったものの、必要な4分の3に満たず否決された。
 しかし第7回総会後の05年9月に開催された全国社会委員会では、緊急提案に代議員の半数を超える賛同があったこと、また与党の躍進により憲法改正の動きが強まることへの懸念から、今総会でJECAとしての宣言を提案することになった。
 今総会で採択された「2007年宣言」は、同教団が95年に「戦責告白」、01年に「2001年宣教宣言」を採択したことに触れた上で、昨年12月の教育基本法「改正」、防衛庁の「省」昇格、今年5月の憲法改正手続法の通過など、「『憲法改正』の動きが現実味をおびてきた」ことを危惧。「現在及び将来において、過ちを繰り返さないために、悔改めの心をもって」、・聖書に啓示された真の神のみを信じ、イエス・キリストを主と告白します。
 ・地の上に平和を願います。紛争を解決する手段として、戦争への道を歩みません。
 ・イエス・キリストの福音を宣教することに励みます。これらを妨げようとする「憲法改正」、すなわち、主権在民、基本的人権、国際平和主義を弱め、特に国家が宗教的活動をすることの容認、思想・信条・信教の自由の制約につながる「憲法改正」に反対します、としている。

◎石原都知事に靖国参拝中止を要請−−平和遺族会など全国41団体が共同提出=0708190203

 政教分離の侵害を監視する全国会議、日本キリスト教協議会靖国神社問題委員会、平和遺族会全国連絡会、靖国参拝違憲訴訟の会・東京の4団体が共同で8月3日、石原慎太郎東京都知事に対し、靖国神社を参拝しないよう求める申し入れを行った。
 石原都知事は、知事就任2年目となる2000年から7年間、8月15日に参拝を行っている。「石原都知事に靖国神社参拝の中止を求める声明」では、・すべての戦没者遺族が都知事に参拝を要請しているわけではない。多くの遺族・市民が、日本の侵略・加害の精神的支柱であった靖国神社に肉親が合祀され、「英霊」として「慰霊」・顕彰の対象とされることを望まず、都知事の参拝に対して違憲訴訟を起こしている。・靖国神社は現行憲法下にあって特定の宗教団体であり、宗教法人として東京都の認証を受け、神社神道としての宗教活動を行っている。東京都知事が参拝を行うことは日本国憲法第20条「信教の自由・政教分離」に抵触することであり、「国及びその機関」が靖国神社に「特権」を与え続けることでもある。憲法、及び宗教法人法の精神に反する。・石原都知事は長期にわたり、靖国神社参拝違憲訴訟の被告として責任を問われてきたが、現行憲法の精神を公然と無視する姿勢をあらわにしている。改めて、憲法第99条「憲法尊重擁護義務」の遵守を強く喚起する。・東京都では多くの外国人と共に生活を営んでいる。石原都知事が侵略と軍国主義の精神的支柱だった靖国神社への参拝をくり返すことは、そうした人々の心を深く傷つけることである、の4点を指摘。
 「都知事は負の遺産の早期解決のために力を尽くすべきであり、戦後62年、日本国憲法施行60年、対中国侵略戦争が拡大する景気となった廬溝橋事件や南京大虐殺事件から70年目の節目にあたるこの時、アジアの方々との和解と共生に道を開くことを決意すべき」として、参拝の中止を強く求めた。同声明には、41団体が賛同団体として名を連ねている。

◎自立支援の拠点にレストラン「グレースカフェ」オープン−−NPOトータルケアセンター=0708191

 「障害の違いではなく、人を全人格的に受け止め、一人ひとりのアイデンティティーと自尊心の確立を目指す」ことを目的として、2004年に浜松市内に設立された「NPO法人トータルケアセンター」(安間孝明代表)が今年5月、レストラン「グレースカフェ」をオープン、地域の話題を呼んでいる。  レストランの目玉メニューは、30種類の天然スパイスをブレンドしたオリジナル薬膳カレー。ミニサラダ付で650円はお得感がある。「何年もかけて家内が開発したもので、絶対の自信作」と言うだけあって、ほかでは味わえない独特な美味。一度訪れた人は常連になる確率が高いといい、評判は上々だ。
 「トータルケアセンター」は、精神・知的・身体にハンディをもつ人々の自立支援のために、単立・コミティッド・ジャパン浜松が母体となって立ち上げた。同教会の牧師でもある安間氏は、もともと大学では福祉を専門に学んだ。映像関係の会社経営に携わりながら、牧会と福祉と、3つの分野で働きを進めてきた。「その時その時のニーズに応えているうちに、いつの間にか今の形になっただけ」と言うが、イザヤ43・4と箴言31・8~9のみことばが一貫して心の支えであり続けた。「神の目にはすべての人が高価で尊いという確信。そして『ハンディのある人の口となって訴えを弁護せよ』との主の命令に従ってきた」と話す。
 小規模作業所「グレース工房」や、障害をもった人をケアする男女別の「ケアハウス」、フリースクール「コミティッド・アカデミー浜松分校」などを運営しながら、さまざまな弱さを抱えている人たちの自立・就労支援のために、格闘と試行錯誤の日々を送っている。
 安間氏は、「カフェの試みは、障害者の働きの場を提供することが第一の目的。ちゃんと給料も支払い、経営的にも自立させたい」と力を込める。与えられた場所は、もとフランス料理店だったもの。オーナーとの不思議な出会いもあって、実力以上の事業展開へと導かれた。「これは主のみこころだという確信があった」。だが、テナント料と人件費をまかなうことは並大抵の苦労ではない。「毎月の支払い日が近づくたびに、胃の痛む思いを味わっている」
 移動販売車で、浜松市役所やパチンコ店の駐車場でカレーを売るなど、営業努力を重ねているが前途は多難。「近隣の人々には、ぜひカフェを利用してもらいたい。遠方の方には、冷凍パック詰めのカレーを全国どこへでもお届けします。作業所のメンバーで製品化した天然塩やオリジナルスパイス、50種類のハーブティーやカンボジア宣教の助けとなるシルバーアクセサリーなどもあります。教会のイベントやバザーなどでぜひ用いて欲しい」と訴える。
 カフェの一角にはウェディングドレスの展示コーナーもあり、レンタルや販売の予約を受け付けている。「クリスチャン事業家の方が提供してくださっており、市価では考えられないほどの低価格」。口コミやホームページなどで、試着や見学に訪れる女性も増えているという。人に仕えるキリスト者の愛、事業家としての厳しさに耐えてきた経験が、ほとばしる情熱を支えている。
 グレースカフェ=TEL:053・474・0700。
 トータルケアセンター=〒433-8105浜松市三方ヶ原町2041ノ3。TEL&FAX053・414・5202。ホームページhttp://www.npotcc.com