[CSD]2008年4月13日号《ヘッドライン》

[CSD]2008年4月13日号《ヘッドライン》
 = 1面 ニュース=
★第5回日本伝道会議のプログラム概要決まる——危機の時代にフォーカス
★「ネガティブな心 救われた」——VIPクロスカルチャーでVERBAL自らの信仰を語る

 = 2 面 ニュース=
◎共同体が翻訳の型を決める——聖書翻訳ワークショップ
★日本宣教の門は拡大している——イエス・ビジョンが第3期宣教師派遣式礼拝
★韓国ミッションスクールと日本の3宣教団体が宣教協定を調停
◎キリスト教性教育研究会が発足—深刻な性の問題を研究・啓発—
★<教界ニュース>カンバーランド長老教会日本中会
★<人事>日本クリスチャンアカデミー関東活動センター所長、横浜YMCA総主事
★<落ち穂>映画「靖国」の上映中止にみる「面子」

 = 3 面 =
★<教会の実情を知る:教会ルポ>[5]信徒が隣人愛を実践する場——教会が教会として生きていくために
★<教会の実情を知る:集計データから>[9]教勢変化の原因——「増加」に共通 ビジョンの実践
★<オピニオン>「全体の奉仕者」は誰に仕える 記・根田 祥一

 = 4 面 ビジネスパーソン=
★サックス・でどこまでもミニストリー——播 博さん[下](三好内外国特許事務所所長代理・弁理士)
★<更正の手がかり>[15]危機感ある会社は生き残る 記・梅津 善一(公認会計士)

 = 5 面 情報 =
★<情報クリップ>催し情報・放送伝道ハイライトほか
★BOOK:『日本人はなぜキリスト教を避けるのか』勝本正實著(いのちのことば社、1,260円税込)
★CD:「トリニティ2008 抱きしめて」アン・ソンジン(小牧者出版、2,100円税込)
★BOOK:『キーワードでたどるキリスト教の歴史』林 信孝著(日本キリスト教団出版局、2,100円税込)
★REVIEW:『祈り』フィリップ・ヤンシー著(いのちのことば社、2,310円税込)評・吉川 直美

 = 6・7 面 北陸宣教座談会 =
★北陸から考える宣教の課題と展望——求められる1教会1教派を超えた支援体制と宣教協力

 = 8・9 面 宣教アイテム・家族伝道特集 =
★オリジナルお菓子で伝道——福島県・洋菓子「カムラ」
★オーダーメイドのアクセサリーで聖書の世界を——東京・ビーズ&ワイラー「ビーズベリー」
★手作り雑貨に福音を込めて——東京・Tシャツ、バッグなどグッズ「TABITHA」
★CD:「Cloud By Day」(大和カルバリチャペル、1,000円税込)
★トラクト:「四季のうた」シリーズ 詩画・星野富弘(EHC、4種各50部入り1,000円税込)

 = 10 面 教会学校 =
★家庭を基礎にのびのび育てる——札幌キリスト福音館附属チャーチスクールがスタート
★<CS分級アイデア>ことばの完成を競え——文字集め 記・みどり野教会JFキッズ

 = 11 面 クリスチャンライフ =
★共に味わう聖書の世界——久米小百合さんの「Bible cafe」
★埼玉県内での実績買われて——川口キングス・ガーデン開園
★日本語初の英語ワーシップ集CD——ミクタムレコードから発売
★「神様についていけば光れる」——ヒップホップMC・VERBAL

 = 12 面 教会 =
◎近隣住民との心のバリアフリーめざして——東京:カルバリー・バプテスト豊田キリスト教会

◎共同体が翻訳の型を決める−−聖書翻訳ワークショップ=0804130201

「聖書翻訳ワークショップ」(日本聖書協会、日本ウィクリフ聖書翻訳協会共催)が3月12、13日、東京・港区六本木の国際文化会館で開催。オランダからローレンス・デ・フリス氏(アムステルダム自由大学翻訳学教授、聖書協会世界連盟翻訳コンサルタント)を主講師に招いた。フリス氏は「翻訳とは常に複数の選択から一つの訳を導き出すプロセス。翻訳の機能、方針は様々あるが、原著者の言う範囲内ならばすべて良い」と、スコポス理論について語った。

 スコポスとはギリシャ語で「目標」「機能」の意。「誰のため、どのように使われるのか、また共同体の聖書観の違いなどによって聖書翻訳の方針と型が決まる」というのがフリス氏の説くスコポス理論だ。
 フリス氏は「どんな翻訳も、原著の意図するすべての面を表現するのは不可能だ」とし、「聖書翻訳には逐語訳から意訳まで非常に多くの選択肢がある」と語る。「その結果長い聖書翻訳の歴史の中で多くの訳が創出されてきた。聖書翻訳プロジェクトでは、原典の選択や翻訳過程で、この多数性をかつ明確に取り扱わなければならない」と述べた。
「聖書翻訳におけるスコポスは、翻訳聖書がもつ機能や聴衆と深くかかわっている」とも。「言語学的翻訳理論には主に形式中心、解釈中心、意味中心の3つの主義があるが、スコポスの概念では翻訳する側の共同体が主導権を握り、自分たちの状況に合わせて翻訳を決めていく。翻訳者は共同体の目的、機能によって原著にある特徴を選べる。ただし、翻訳者は原著者、テキスト、翻訳を受け取る人々に忠実でなければならない」
「スコポスに裏付けられた翻訳作業の過程を聖書学者が理解することも不可欠だ」とも。「翻訳チームにおける聖書学者の役割は原著のもつ不確定さを明確に示すこと、学者の総意から外れてしまう訳を出さないことで、翻訳方針とは異なる持論を押し付けることではない」と語った。
 講演では「日本で『らい病』と訳され問題になった『レプラ』が、オランダではどう訳されたか」という質問も。フリス氏は「西暦前3世紀以前にはらい病は中近東にはなく、旧約では使えないとの学者の意見があり、『スキンイーター』という皮膚病の一種の造語をつくり、旧新約両方で使用した。それによる社会的な反発は全くなかった」と語った。
 そのほか、福田崇氏(アジア・大洋州区ウィクリフ総主事)が「聖書翻訳のプロセス?翻訳チェックの方法を中心に?」、福島直恭氏(学習院女子大学教授)が「日本語の変化について?進化かそれとも堕落か?」、松村隆氏(日本ウィクリフ聖書翻訳協会協力メンバー)がインドネシア部族語であるイラルトゥ語の聖書翻訳の体験を踏まえ 「釈義と翻訳の実際」をテーマに語った。
 最後にフリス、福田、松村の3氏によるディスカッションが行われ、渡部信氏(日本聖書協会総主事)が新共同訳聖書の翻訳経緯を説明。
「75年に、意味中心のダイナミック・エクイバレンス(動的等価訳理論)による共同訳『ルカ福音書』を出版したところ、信仰共同体である諸教会が使用を拒否された。それで翻訳方針を変え、意訳を省き原典に忠実に翻訳したのが新共同訳だった。今回のスコポス理論は直訳か意訳かでなく、どちらにも選択の余地を与えてくれている点で、聖書翻訳理論として一歩前進したと言えるのではないか」と述べた。

◎キリスト教性教育研究会が発足−深刻な性の問題を研究・啓発−=0804130204

 キリスト教性教育研究会の第1回公開研究大会が4月29日、東京都三鷹市の国際基督教大学で開催される。今日の深刻な性の問題に、キリスト者としてどのように対応すればよいか、様々な立場から考察する。
 テーマは「人格と性~キリスト教の視点から~」。コール・テモテ氏(ファミリー・フォーラム・ジャパン代表)による基調報告「性と性教育の現在~日米の比較を通して」、及びシンポジウム「低年齢化する若者の過剰な性行動とその社会的インパクト」。シンポジウムの発題者は星野仁彦氏(福島学院大学教授、児童精神科医)、稲垣久和氏(東京基督教大学共立研究所所長)、森本あんり氏(国際基督教大学教授、牧師)、大矢正則氏(栄光学園中学校・高等学校教諭)。
「キリスト教性教育研究会」は07年発足。キリスト者による性教育に関する研究を進めるとともに、研究を通して教会教育・学校教育への支援、貢献を目的とする。
 4月29日(火)午後1時?。東京都三鷹市の国際基督教大学本部棟206会議室で。参加費一般2千円、会員千円。職業・所属、氏名、住所、電話番号を明記の上、国際基督教大学教育学科町田健一氏まで。Fax0422・34・6983。Eメールmachida@icu.ac.jp

◎近隣住民との心のバリアフリーめざして−−東京:カルバリー・バプテスト豊田キリスト教会=080413

 再開発に伴う区画整理で、旧家屋の解体、新家屋の建築、道路工事などなどと、日を追って景色を変える中央線豊田駅南口地区。その地区の豊田陸橋脇に、白い十字架を高く掲げたカルバリー・バプテスト・豊田キリスト教会(能勢誠牧師)の新会堂が立っています。
 07年、新会堂建設時にまず立てられた十字架は、遠くからもよく見えて、地域に福音を発信する象徴のようです。

1階は礼拝中心に
2階は交わりの場
 新会堂は、1階がバリアフリーの礼拝堂になっており、正面入口は中の様子がよく見えるようにガラス張りになっています。入口脇には親子室もあり、親子室での礼拝者も一体感がもてるようにと、こちらも前面はガラス張りになっています。
奏楽者が切望したオルガンは、我々にはとても贅沢に思えましたが「礼拝第一の教会を」という皆の願いにふさわしく、米国アーレン社製のものを購入。礼拝の度に素晴らしい音色で賛美をリードしてくれます。音響設備も最新のものを取り入れました。
 2階へは車椅子で移動できるようエレベータが設置されています。1階が礼拝中心で造られたのに対し、2階は交わりや学び、会議と、多目的に使えるフリースペースになっています。このスペースを用いて、毎礼拝後に食事をし、初心者のための聖書の学びやおしゃべりを楽しんでいます。

明確な救いを
確かに伝えるため
 私たちの教会は、1961年、F・テトロ宣教師、W・キャリコ宣教師による天幕伝道に始まり、吉崎典信牧師に引き継がれました。2両の米軍払い下げ貨車会堂、バラック会堂、65年から昨年まで使用していた会堂、そして現会堂へと形を変え、福音宣教と救霊の情熱によって47年の歩みを進めて来ました。
 明確な救いを確かに伝えるために、「十字架と復活のキリストの救い」に焦点を絞った伝道に努めています。人生に光を見いだせないで悩んでいる人や、弱さを覚えている人、道を求めている人が訪ねて来たなら、何としても喜びと希望の人生を手に入れてほしいという祈りと願いをもって接しています。
 また地域伝道の重荷を負ってトラクト配布にも力を入れています。
97年吉崎牧師が召された後、2人の牧師を経て04年、4代目牧師として、能勢誠牧師を招聘しました。

新会堂見学会には
近隣住民40人が参加
 長い間凍結状態にあった区画整理による移転問題は、能勢氏就任後、急速に進み、緊急に移転を迫られることになり、能勢牧師の最初の大仕事は、新会堂建設となりました。 
 教会員は全員参加で委員会を立ち上げ、新しい教会について頻繁に会議を開きました。牧師と教会員が一つとなって、真剣に考え、祈り、ささげました。
 代替地が二転、三転する中で、皆はいよいよ熱く祈らされました。それは実に会堂建設に先立って、御霊の一致のために備えられた必要な期間であったと思います。
 間もなく主は、南向きの平地に十分な敷地面積のある、我々の祈りをはるかに超えた良い土地を与えてくださいました。資金も備えられ、新会堂が完成しました。完成後、近隣の方々を招いた見学会には40人ほどが参加しました。
 能勢牧師は、「よく祈り、わかりやすい魅力的な説教をしてくれる」と信徒から信頼を受けています。また音楽の賜物を生かした礼拝は、それまでにはなかった新しい雰囲気を醸すようになりました。音楽伝道会、婦人集会、クリスマス、教会学校行事、その他あらゆる機会を伝道のために用いていただきたい。まだ一度も教会に足を踏み入れたことのない方々に、ぜひ来ていただきたい。それが牧師、教会員一同の願いです。(リポート=遠藤町子・同教会員)
  
 カルバリー・バプテスト・豊田キリスト教会=〒191- 0053東京都日野市豊田3ノ2ノ3。Tel042・587・9707。Fax042・519・5361。