[CSD]2009年3月22日号《ヘッドライン》

[CSD]2009年3月22日号《ヘッドライン》

 = 1面 ニュース=
◎「神は貧者のため奮闘している」——賀川豊彦献身100年 記念礼拝
★ここが聖書和訳の原点——横浜開港資料館で「開港と宣教師」展(4月19日まで)

 = 2 面 ニュース=
★第5回日本伝道会議 参加登録開始——「危機の時代」の課題を反映
★賛美でたどる宣教150年——名古屋で記念フェスティバル
◎坪井節子弁護士のFEBCラジオ番組「ひとりじゃないよ」に反響——子どもの叫びを受け止めた
★南アフリカ:闘士ブーサク氏が反ANCで州知事選出馬
★<落ち穂>上野の山での路傍伝道今昔

 = 3 面 =
★聖公会司祭児童虐待事件:管区小審判廷が京都教区審判廷に差し戻し——和解目指したか争点に「十分審理尽くすべき」
★緊急検証:小牧者不祥事をどう捉えるか[5] キリスト教界の自浄能力
★<オピニオン>バランスのとれた大きな三角形に 記・神津 喜代子

 = 4 面 ビジネスパーソン=
★激務の中でも守った教会生活——稲墻 正さん[中](ファイザー[株]医薬事業開発統括部)
★<ストップ・ザ・不祥事>[5]積立金の無断借用からどう決着を見たか 記・楠田高久

 = 5 面 情報 =
★<情報クリップ>催し情報・放送伝道ハイライトほか
★VOICE:「キリスト教は普遍的真理語っているか」
★VOICE:「私にできることはやさしい言葉かけ」
★REVIEW:『クリスチャン弁護士の ちょっと気になる事件簿』持田明広著(マナブックス、1,000円税込)評・佐々木 満男

 = 6・7 面 宣教アイテム特集 =
★書く楽しさ、送る喜びを形に——「花と聖句の色紙集」の宮岡まさ子さん
◎5色で表す福音——「字のない本」普及から60年の歴史
★日韓交流と宣教活力の場に——キリスト教専門書店「マラナタ」
★この春おすすめアイテム——みことば選「日ごとのいろどり」「オートエンブレム」

 = 8・9 面 高齢者特集 =
★求められる「安心」——「迷惑をかけたくない」意識増加?
★ふれ合いで「孤独」払拭——須崎市:ベルホームすさき
★人の輪で生き生き——横浜市:フレンドシップあさひ
★高齢者の活動の場を提供——松原聖書教会「キラキラサタデー」
★「老い」から生の尊さを知る——クリスチャンアカデミー主催修学院フォーラム「老い」

 = 10 面 教会学校 =
★今春デビューのCS教師へ:「分かち合う」恵み——中高生とデボーション仲間になろう
★<書籍>『こどもと共に学ぶ 続・明解カテキズム』日本基督教団全国連合長老会日曜学校委員会編(キリスト新聞社、2,730円税込)
★イベント:「千葉CSK研修会09」CSK実行委員会主催、6月20日開催(Tel.044-900-8990 聖書同盟)

 = 11 面 クリスチャンライフ =
★教え子らに囲まれて100歳の誕生日会——教会音楽家 三谷幸子さん
★37年前の飛行機事故を映画化——アンデスの惨餐「アライブ—生還者—」
★<痛みに中に生きる>[9]団塊編 試練のたびに求めた神の導き

 = 12 面 教会 =
★信徒の自主性が「喜び」生む——基督聖協団・名古屋グローリアスチャペル

◎「神は貧者のため奮闘している」−−賀川豊彦献身100年 記念礼拝=0903220101

 明治・大正・昭和にかけて、キリストの愛の精神に基づき人格や人権が尊重される公正で平和な社会を実現するために生涯を捧げた伝道者賀川豊彦(1888~1960)が、神戸のスラムに身を投じて100年。その記念事業の皮切りとして2月28日、青山学院本部ベイリーチャペルで記念礼拝が行われた。賀川豊彦献身100年記念事業全国委員会(阿部志郎・東京プロジェクト代表、今井鎮雄・神戸プロジェクト代表)に連なる教会、学校、社会福祉法人、生活協同組合、共済組合の関係者ら約100人が出席し、賀川の社会改良運動の幅広さをうかがわせた。
 財団法人本所賀川記念館の雨宮栄一理事長が司会。イエスの友会の花盛勲一会長が祈祷し、世界平和・日本の救い・教会が強められるという賀川の遺言を受け継ぐ決意を表明。社会福祉法人雲柱社の服部榮理事長がヨブ記31・35を朗読した。
 前日本基督教団松沢教会牧師の石川和夫氏が、「大胆な祈りの現実化」と題して説教。石川氏は特に、賀川が始めた事業に携わる人々に、賀川の献身の目的をしっかり受け止めてほしいとして、次のように説いた。
 「賀川先生は神戸で妾の子として生まれ、差別された。洗礼を受けると、神は貧しい者を愛し奮闘しておられると受け止め、『だから私も奮闘しないでおられようか』と神戸・新川の貧民街に飛び込んで行かれた。晩年、教会がふるわないのは目的を失っているからだと批判したが、周りに神と自分たちを必要としている人たちがたくさんいるのに自分たちのことばかりしか関心をもたない、と言おうとされたのだと思う。神が私たちを召した目的がそこにある」。そして思うところを大胆に神に叫び求めたヨブなど聖書中の祈りに、賀川の精神を重ね合わせた。 財団法人雲柱社の齊藤宏理事長が祝祷。記念パーティーでは、父の代から賀川と親交があり医師として看取った、聖路加国際病院理事長の日野原重明氏がスピーチした。
 今年1年を通して、神戸と東京の両プロジェクトで多彩な記念事業が行われる。

◎坪井節子弁護士のFEBCラジオ番組「ひとりじゃないよ」に反響−−子どもの叫びを受け止めた=0903

 キリスト教放送局日本FEBC(AM1566kHz)で今年1月から毎週月曜日夜10時15分より放送中の番組「ひとりじゃないよ。─今、こどもの叫びを受け止めて─」(語り手・坪井節子弁護士=カリヨンこどもセンター理事長)が反響を呼んでいる。
 「あんたになんか憐れんでほしくないよ」と反発する子どもを前に、自分の無力さに打ちのめされる1人の弁護士。「私なんか死んだほうがいい」と続ける子どもに、とっさに出た言葉が「私はあなたに生きててほしい」。その言葉を聞いた子どもは「そんなことを言ってもらったの初めて」と驚く。「このことが伝わった時、底支えができたって感じになり、『私、生きてていいの?』って変わり、『生まれてきてよかった』と確信できる。それが人権、そして私たちが生きていけることの根幹にあることに気づいた…」
 番組では児童虐待や売春、自殺未遂、覚醒剤を経験し、カリヨンこどもセンターに助けを求めてくる子らと真剣に向き合う坪井さん(写真上右)の体験談がテンポよく語られる。聞き手の吉崎恵子さんとの呼吸も絶妙だ。
 聴取者からは「『生まれて来ないほうがよかった!』と言われてきた子どもたちに、一刻も早く『そんなことはないよ!』というメッセージが伝わりますように」、「坪井さんの生きた言葉に放心状態!」、「イエス様ご自身が底支えなんですね」など、感動の声が多数寄せられている。
 坪井さんをゲストに招いた番組制作は2度目。前回は特別番組だったが、今回は1回約20分の13回シリーズ。同番組企画者の長倉崇宣さん(企画開発制作部長)は「カリヨンの働きを聞かせていただく中で、坪井先生ご自身のお姿と、その祈りを知って頂けたらという趣旨で依頼した」と語る。「坪井先生の思いや情熱など、生の部分を聞かせていただけた。『自分は無力でいい、いや無力でないと本当に子どもと向き合うことはできない』という言葉は、まさに坪井さんの信仰告白ではないかと思う」。日本FEBC副代表の鈴木誠司さんは「坪井先生ご自身が、子どもを1人の人として尊重したうえで、それでも神の御手を信じていく中でしか関われないということを生き生きと伝えて下さり、まさに信仰者の姿だと思った。その意味で、本当に福音を届けられたのでは」。
 3月23日には第12回を放送。放送終了後にも約1か月間、ウェブサイトwww.febcjp.com で聴くことができる。3月25日には、同番組を収録したCD「ひとりじゃないよ。—今、こどもの叫びを受け止めて—」(5枚組13話=写真右)も日本FEBCから発売される。定価5千200円のところ5月31日まで特価4千500円で販売。問い合わせはTel.0422・52・1566、日本FEBCまで。

◎“5色で表す福音”−−「字のない本」普及から60年の歴史=0903220602

[img align=left]http://jpnews.org/pc/uploads/img49bdb98806321.jpg[/img] 金、黒、赤、白、緑。この5色でキリストの福音を伝える「字のない本」。日本CEF(日本児童福音伝道協会)では1948年から伝道アイテムとして用いている。
 そのルーツや活用法とは——。
 CEFの創設者、オーバー・フォルツァー氏が、1930年代にアメリカのカリフォルニアのあるキリスト教書店で、「字のない本」を見かけたことがきっかけだった。これを使って、ある夏にシカゴで戸外伝道を毎日した結果、数週間で5千人以上の子どもが救われたという。
 戦後、日本にCEFが創設され、子どもたちへの伝道アイテムとして「字のない本」が日本にも普及した。以来、60年以上愛用されている。
 日本CEFのフレッド田中さんは、「個人伝道で使うことを目的としていて、伝道集会やキャンプなど救いの招きに応じた子どもたちが、罪と救いをきちんと理解したか、その確認のために使われることが多いです」と語る。5色の小冊子を見せながら話すと、ただ言葉で説明されるよりもイメージが湧きやすく、理解の助けになるという。
 田中さんは土曜日の家庭子ども会で使っていた。「5色の小冊子を子どもたちに見せると、みんな『ほしい』というので、すでにイエス様を信じて救われている子どもたちに、『これを使って、意味を学校のお友だちに教えたら、あげるね』と約束して渡します。次の週、どんなふうに説明したか、反応はどうだったかを報告してもらい、できたお友だちに字のない本をプレゼントしていました」。こんなやりとりを通して、「子ども自身が信仰の証を語り、『手から手へ福音を渡す』、伝道者への第一歩にもなると気づきました」と語る。
 もとは、個人伝道のために作られたが、キャンプや修養会で、5色分、5回に分けたメッセージをして、キリストの救いを伝える場合もある。「シンプルだからこそ、応用が効くし、年齢に関係なく伝えられるのがメリット」だという。
 ブレスレットなどのアイテムも登場し、時代を超えて広く使われている5色で表現したキリストの福音。「『あらゆる国の人々に宣べ述べ伝えなさい』というイエス様の大宣教命令を誰もが実践できるアイテムとしても、とても有効なので今後も使ってほしいです」
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 「シンプルでストレート」。だからこそ、子どもから大人まで親しまれているのだろう。