2001年12月23・30日号《ヘッドライン》

2001年12月23・30日号
《ヘッドライン》
 = 1面 =
★クリスマス・メッセージ:飼い葉桶と十字架 記・北野 耕一
◎日替わり聖句腕時計で励まし——NYテロ殉職者遺族にプレゼント
★ロックミュージカル「ゴッドスペル」日本でも公演
★インドネシア:ジハード団が虐殺、破壊——「流血のクリスマス」脅迫
★<落穂抄>どうして日本では伝道が進まない?

 = 2 面 =
★We are one 主の民の祭典——日本同盟基督教団宣教110周年
★<ひと>ラディン・ジェイコブ氏(カンバーランド長老教会総会議長)
★米国キリスト教高等教育の成功理由は「質と支援体制」——B・アンドリンガ会長
★韓国:吉田耕三宣教師に「宣教大賞」——謝罪と和解の宣教20年を評価
★米国:ホノノルル市内日本人教会からえひめ丸遺児へクリスマスギフト
★<論説>21世紀最初のクリスマス——「平和の君」として来られた方 記・岡村 又男

 = 3 面 =
◎21世紀の文脈化は「ハウスチャーチ」——「RACジャーナル」は廃刊、メルマガでネットワーク化へ
★WVJ:アフガン国内避難民も支援へ——母国への帰還は長期化
★2002年も年頭に断食祈祷聖会——東京・淀橋教会で1月21日~23日
★JEA信教の自由セミナー:新しい国家主義の台頭を警戒
★年明け国会で靖国推進の動き——新年1月18日に緊急集会
★KMRC:交流で学ぶ世界の日本人伝道の現状・課題——ハワイへ宣教研修旅行
★<世界の出来事>中国、トルコ

 = 4・5 面 =
★回顧と展望——米国中枢同時テロの衝撃
★回顧と展望——日本伝道会議を深める動き
★回顧と展望——えひめ丸事件発生 その時地元教会は
★回顧と展望——勝訴判決 ハンセン病療養所では
★回顧と展望——キングス・ガーデン20周年
★回顧と展望——ペンテコステ、ホーリネスが100年
★回顧と展望——世界の福音派が会合
★2001年 国内の動き
★回顧と展望——「国歌」強要、首相靖国参拝、天皇制論議
★回顧と展望——フェスティバル2001
★回顧と展望——歪曲歴史教科書に韓国反発
★回顧と展望——一般の人に切り込む伝道
★回顧と展望——韓日共催W杯サッカー伝道
★回顧と展望——青年宣教の機運
★回顧と展望——教育の新しい動き
★2001年 海外の動き

 = 6 面 教会教育・教案誌特集=
★CSが教会の中心に——アッセンブリー・泉福音キリスト教会
★地域からも信頼——MB・恵みの丘キリスト教会
★総ルビで子どもにも読みやすい聖書物語
★教案誌ニュース:日本ホーリネス教団 新カリキュラム
★教案誌ニュース:日本ナザレン教団 「希望」に改称し大幅改定

 = 7 面 =
★ゴスペル歌って神に出会う——ゴスペル・クワイヤー・フェスタ・グランプリ大会
★映画「親分はイエス様」見て受洗へ——主人公に自分の姿ダブル
★民族音楽でチャペルコンサート——バプ同盟・広島平和キリスト教会
★「讃美歌21」刊行5周年記念で「クリスマス・コンサート2001」
★新年に夢をのせて——浅井力也さんの絵 トヨタカレンダーに採用

 = 8 面 =
◎シンポ「グローバル時代の国際秩序とキリスト教」——自己批判能力欠く人間絶対主義
★マタイ福音書に見る神の国の本質——テロのない社会にするためには?
★<新会堂建築>祈りが形になった会堂——単立・向島キリスト教会

 = 9 面 第2部=
★喜びは家族とともにある——新興宗教幹部から回心した小澤さん一家
 = 10・11 面 クリスマススペシャル=
★アラブ料理で祝うクリスマス
★<CD>「いいうたいろいろ4」沢 知恵(コモエスタ、2730円税込み)
★<CD>「The Living Room Sessions」Chris Rice (ライフ企画、2200円)
★<CD>「Sing to The LORD of The Harvest for Christmas」MARIKO SASAKI(2300円)
★<CD>「Christmas」Jaci Velasquez(ライフ企画、2200円)
★<CD>「Light of the World」Brooklyn tabernacle Choir(ライフ企画、2200円)
★クリスマスは出会いの時——クリスマスランチ in 西麻布
★<書籍紹介>「サンタクロースの謎」賀来周一著(講談社、740円)
★<書籍紹介>「クリスマス・ラブ」レオ・ブスカーリア著(宝島社、838円)

 = 12・13 面 地方伝道を考える=
★生涯一貫しての開拓伝道者——拡大宣教神学院・永井 明牧師
★70歳からの開拓伝道——秋芳キリスト教会・松田 幾雄牧師
★決心カードを普段から携帯——富雄キリスト教会・榮 義之牧師
★ビジネスマンから開拓伝道——リバイバルキリスト教会・松本 勲衛牧師

 = 14・15 面 読書特集=
★<書籍紹介>「クリスマス物語」絵・立花 江津子(女子パウロ会、2500円)
★<書籍紹介>「みんなでいこうベツレヘム」文・加藤常昭 絵・金斗鉉(日基教団出版局、900円)
★<書籍紹介>メトロボリタン美術館版「クリスマスキャロル」(日基教団出版局、3800円)
★<書籍紹介>「ほんとうにたいせつなもの」マックス・ルケード作(フォレストブックス、1600円)
★<書籍紹介>「ジョイのおくりもの」作・柳川 茂 絵・河井ノア(フォレストブックス、1200円)
★<書籍紹介>「わたしがママのこでよかった?」リサ・T・バーグレン作(フォレストブックス、1500円)
★<書籍紹介>「聖書がわかれば世界が読める」石井 希尚著(岳書房、1600円)1月15日発売予定
★<書籍紹介>「ふつうの家庭から生まれる犯罪」石井 真史著(主婦の友社、1500円)
★<書籍紹介>「雲晴れる日まで」岩田たまき著(晩聲社、2500円)
★<書籍紹介>「医者井戸を掘る」中村 哲著(石風社、1800円)
★<書籍紹介>「腕で歩く」ボブ・ウィーランド著(竹書房、1400円)
★<書籍紹介>「三本の苗木」佐波正一ほか共著(みすず書房、2800円)
★<書籍紹介>「ひとすじの道」吉田好一著(主婦の友社、3000円)
★<書籍紹介>「みんなで生きよう」大崎良子(星和書店、1800円)

 = 16 面 人と地球にやさしいクリスチャン=
★体にもいいもみの木で内装材——(株)サン勇建材
★パキスタンの天然岩塩がうまい——ギブ・サンクス(株)
★事業は福音を伝えるため——恵みの蜂グループ
★てんぷら油から軽油代替燃料——(有)染谷商店

日替わり聖句腕時計で励まし−−NYテロ殉職者遺族にプレゼント0112230102

日替わり、週替わり、月替わりで聖書のことばが画面に表示されるプログラムを内蔵した腕時計型パソコン「onHand PC」千台が、ニューヨークでテロの被害にあった消防士や警察官の遺族にプレゼントされる。
 プレゼントするのは同コンピューターのソフトを開発した(株)グローバルコム(松村友邦代表取締役・東京都立川市)とアメリカの子会社MATSUCOM(コロラド州デンバー市)。両社はセイコーインスツルメンツ社と共同で、世界最小、重さ52グラムのコンピューター「onHand PC」(日本販売名ラピュータ)を開発しアメリカ国内で299ドルで販売している。デスクトップパソコンやノート型パソコンからソフトをダウンロードでき、宇宙飛行士たちにも愛用されている。
 テロ後、何かの形で犠牲者の遺族たちを支援したいと考えていたグローバルコム社の松村氏が、弁護士の佐々木満男氏に相談したところ、「onHand PC」の画面に、誰もが励まされるような聖書のことばを表示する案が浮上。コンピューター関係に詳しい能城一郎氏(単立・暁キリスト教会牧師)ほか9人の牧師たちによって、欽定訳聖書から約500節が選ばれ、同社のテクニカルマネージャー関口隆宏氏がクリスマスに間に合うようプログラミングしている。
 松村氏はこの計画を進めているある日、通勤途中の電車の中で座席の横に忘れ物の新約聖書を見つけたという経験から、今回の計画に「ふしぎなものを感じる」と話す。聖書のことばが内蔵された「onHand PC」は一般にも市販される。現在、日本国内で販売されているラピュータに、日本語の聖書のことばをいれることも検討中だ。グローバルコム社のホームページはwww.gci.co.jp。「onHand PC」の情報はMATSUCOMホームページwww.matsucomusa.comで。

21世紀の文脈化は「ハウスチャーチ」−−「RACジャーナル」は廃刊、メルマガでネットワーク化へ011

文脈化研究会(RAC、福田充男代表)が1995年から刊行してきた宣教学専門誌「RACジャーナル」が、このほど発行した第10号で廃刊となった。今後、同研究会は「RACネットワーク」と改称し、メールマガジン発行などを中心にハウスチャーチのネットワーク作りを目指す。また、これまでセミナーも開催してきたが、今後はメールマガジンで情報を受け取った人々を中心とした交わりと学びの場を設ける予定という。
 会員向けの郵送によるニュースレターも来年3月発行の号で終わり、4月以降に2つのメールマガジンの発行を予定している。1つは国際的な週刊宣教ニュース「フライデー・ファックス」の日本語版。英語版ニュース2週分から選別・編集したものを第1・3週に会員にeメールで送る。もう1つはヴォルフガング・ジムソン著『ハウスチャーチが世界を変える』の翻訳文の連載。第2・4週にコメント付きで配信する。(予定)。
 会堂でのプログラムが中心の「伝統的」教会や、「伝統的」教会を活性化するためにコミュニティーを分割するセル(細胞)教会に対して、「ハウスチャーチ」は、未信者の人脈の中で教会が生まれると考える。セル教会と重なることが多いが、セル教会がしばしば「神の軍隊」にたとえられるのに対し、ハウスチャーチは「神の家族」の面が強い。教会を「神の家族」と考えれば、必ずしも会堂がなくても、伝道集会をしなくても、神の臨在と聖徒の交わりがあれば、それを教会だと認めることができる、と福田代表は説明する。
 3種類の教会は、それぞれに与えられた異なる使命を尊重し、互いの成長を喜び合い、互いに支え合う関係を築くことにより、日本の弟子化のための基礎が据えられる、と考える。
 このハウスチャーチが21世紀の文脈化の姿だととらえ、RACはこれまでの活動を転換することにしたという。従来の教会が西洋からの輸入だとすれば、文脈化は西洋的な教会のあり方を前提に、福音を日本文化にしみ通るように「翻訳」する移植を目指していた。ハウスチャーチではこの文脈化の考え方をさらに一歩進めて、より直接的に聖書的な教会の本質が日本文化の中で受肉することを求める。西洋文化をなるべく削ぎ落とした純粋な苗を移植しようとするのではなく、福音の種そのものが文化の土壌に落ち、自ら発芽するのを見守ろうとするのだと福田さんは説明する。
 2つのメールマガジンの購読には会員登録が必要。新規入会者には「RACジャーナル」第10号と9号を贈呈。入会手続きはファクスかメールで事務局へ。
 【RACネットワーク事務局】〒664-0016兵庫県伊丹市昆陽北1ノ5ノ3、TEL&FAX.0727・83・2817。e-mail:rac@mbg.nifty.com。
 「RACジャーナル」第10号(定価600円税込み)の内容は、天田繋氏が「礼拝の中で斉唱賛美と合唱賛美を併存させる可能性」を論じた賛美論、後藤牧人氏がコリント人への第2の手紙8~10章から論じた偶像論と、三好明久氏が日本人ビジネスマンを対象に実施した意識調査を基礎に、日本のイエ構造を教会の文化構造として用いることの是非を論じた3論文。購入はキリスト教書店または前記の事務局へ。

シンポ「グローバル時代の国際秩序とキリスト教」−−自己批判能力欠く人間絶対主義0112230801

ある宗教団体が危険な破壊的カルトかどうか、どうやって見分けられるのか。カルトからどうしたら立ち直れるのか・・様々なカルト信者への救出カウンセリングの経験からマインド・コントロール研究所のパスカル・ズィヴィー所長が語った。(11月14日、東京でのJWTC秋のセミナーより)  9月11日の米国の同時多発テロ事件をうけて、11月9日、東京基督教大学共立基督教研究所が「グローバル時代の国際秩序とキリスト教」を主題にシンポジウムを開催した。
 パネリストは、浜田文夫(日本福音キリスト教会連合みずほ台キリスト教会牧師)、宮脇聡史(東京基督教大学講師)、東條隆進(早稲田大学社会科学部教授)の3氏で、それぞれ現地でのボランティア活動、国際関係論、経済社会学の立場から発題した。 難民に必要な教育環境の援助
 浜田氏は、アフガン難民のための学校をパキスタン・クエッタで運営する「燈台」の働きに携わっている。「燈台」では、アフガン難民の増加に伴い、今年は緊急で300人ほど入学者を増やしたという。それは孤児や、貧しくて教育を受けられないイスラムの子どもたちが、モスクで無償で寝食と共に教育を提供する「マドラサ」で教育を受け、多くタリバン兵士となっている現状があるからだ。「イスラム原理主義を教え込まれることを考えると、教育援助の必要性は高い」と言う。 過度の一般化や善悪二元論は疑問
 宮脇氏は、アフガニスタンの状況や歴史を無視し、イスラム教・イスラム世界などを、普遍的共通項はあっても過度に一般化することに疑問を示した。
 また、連続テロ事件の特異性は象徴的性格にあること、罪を持つ人間の「正義」は相対的であることなどを指摘。キリスト教会には善悪を二元論的に分けてしまいやすいことがあると述べ、情報が錯綜する現代では、性急な判断をすることなく、慎重に「待つ」姿勢や、身近な人々と和解するなどの地道な取り組みが大切であることを訴えた。 近代的体制へのプロテスト
 東條氏は、今回のテロは西洋文化や、市場原理を中心にする近代的な体制全体にプロテスト(抵抗)した「革命」ともとれると言及。しかし、問題の本質が見えてこないことから、「革命」ではなく「テロ」として歴史に残るだろうと予測する。
 そして、イスラム「原理主義」と同じようにアメリカも、「正義」を追求しながらも、根底では暴力を可能にした敵・味方の絶対化があることを指摘している。 イスラム文明との対話の可能性
 コーディネーターを務めた稲垣久和氏(研究会議議長)は、「人民にすべての自由と主権」があるゆえに西洋文明は堕落したと述べるイラン現大統領のムハンマド・ハタミ氏の『文明の対話』に触れ、「近代文明は、人間が主権を持つという『人間絶対主義』に陥っていて、その結果は、自己批判能力を欠いている」とし、超越の原理を持たなければならないとまとめた。
 そして、今後、互いの平和的共存のために、イスラム文明との対話の可能性と必要性を訴えた。
 シンポジウムの詳細は同研究所の機関誌「共立研究」Vol7No3に掲載されている。