[CSD]2003年6月29日《ヘッドライン》

[CSD]2003年6月29日《ヘッドライン》
 = 1面 =
★従軍クリスチャン野島 剛記者が見たイラク——教会は「なぜクリスチャンは戦うの?」に答えて
★実物大の十字架——遠州キリストの家新会堂に設置
★<復活——中嶋常幸プロ>[10・最終回]復活は人間はできない。でも新しく生まれ変わることはできる
★<落穂抄>一人の魂への配慮

 = 2 面 =
◎CCWA:子どもらに緊急食糧支援——エチオピア干ばつ深刻
★SARS余波で国際大会中止
★土に還るバイオ納骨堂システム——教会で初の採用
★スリランカ洪水被害に福音同盟が支援
◎<提言>聖書に基づいた地球環境問題 記・住田 裕
★<神のかたち>[44]女が、女が男の創造者である、と教えることを許しません(2) 記・稲垣 緋紗子
★<今週の本棚>『現代の世界経済』中山 弘正著(岩波書店、3700円) 評・東條 隆進
★<今週の本棚>『ビバ☆わたしのパスター』柳川 茂作/奈知 美佐子画(イーブック出版、190円)
★<今週の本棚>『こころの診察室』山中 正雄著(日本キリスト教団出版局、1700円)
<情報クリップ>催し情報ほか

 = 3 面 全面広告=
☆ニューヒムプレーヤー 新聖歌版
http://www.kyobunkwan.co.jp/
 = 4 面 全面広告=
☆第35回 日本伝道の幻を語る会
2002年8月18~20日 山崎製パン厚生年金基金会館 SUN CITY
Tel.03-3804-1765

 = 5 面 =
◎<北から南から>北海道・マナチャペル——教会で「ホームレス問題考える」
★<ひと>オルガニスト・西本 顕子さん——神と人を結ぶパイプに
★「落ちこぼれ」半生をビデオ化——めぐみ堂社長・西本 誠一郎さん
★<CDの時間>「There's a song in my heart」上野 直子 (ジョイン企画、2200円)
★<恵みのどんでん返し>本当のお父様は優しい愛のお方 記・仁井田 義政

 = 6 面 教会学校教師の広場=
★会堂内はお祭りムード——関宿チャペル 恵泉キッズ・フェスティバル
★<先生☆キラッ>準備中が神様と向き合うとき 岩本尚子さん、恵美さん
★チャーチスクール生徒1人から——恵泉インターナショナルスクール
★<ゆっくり行こう!CS教師>[10]目標だけははっきりと 記・福井 誠
★<オッフーのあすすめこの1冊>[4]『こどもの心百科』東山紘久編(創元社、2800円) 記・藤田 桂子
★<CSでできること できないこと>[10]保護者の教会に対する理解が鍵 記・杉谷 乃百合


CCWA:子どもらに緊急食糧支援−−エチオピア干ばつ深刻0306290201

エチオピアで干ばつによる食糧難が深刻化している。それを受けて、基督教児童福祉会(CCWA)・国際精神里親運動部(理事長=深町正信 青山学院長)は、パートナー団体キリスト教児童基金(CCF)と協力して、エチオピア中央部ボセット、ファンタレの町で栄養不良に陥る子どもたちへの緊急食糧支援活動を6月から始めた。8月末までに総額370万円の募金を目指している。
 現地ではここ2年間雨が降らず、収入源である家畜の多くが死亡。生計を立てるため、わずかに生える木を伐採し収入を得ているが、その木もなくなりつつあり、人々の生活は困難を極めている。子どもたちの食糧事情は深刻で、避難民で両親が住民登録をしていない場合、子どもはわずかな配給さえ受け取ることができない。しかも現時点で配給されている穀物は必要量の半分程度で、子どものための補助食糧確保も厳しい状態にある。8月からは920万円の予算で安全な水を確保するためのプロジェクトも計画している。
 国連世界食糧計画(WFP)は「今すぐ食糧支援が行われないと、エチオピアの人口の2割、千250万人が飢餓に直面し、85年以来の大干ばつに発展する」と警告した。
 【募金先】郵便振替00170-8-196462、CCWA国際精神里親運動部(「エチオピア食糧」と明記)

<提言>聖書に基づいた地球環境問題 記・住田 裕0306290205

1 地球環境問題
 地球温暖化をはじめ、砂漠化、酸性雨、オゾン層の喪失など、地球的規模での環境悪化は著しく、人類の存続基盤を危うくする様々な環境問題が存在することを多くの人が認識している。この原因は、豊かさ、快適さ、便利さを求めた人間の大量生産、大量消費、大量廃棄に基づく巨大化した活動や、ライフスタイルにあることが共通の理解になってきている。
2 具体的アプローチ
 この地球環境問題に対しては、環境容量よりの議論、環境効率の向上、循環型社会の構築、人口の抑制等のアプローチにより検討される傾向にある。そして、持続可能なライフスタイルや経済社会システムの構築が重要な課題とされ、環境を基軸に新しいパラダイムの構築が求められている。
3 思想の裏付け
 地球環境問題を引き起こしている原因は人間であり、人間を動かしているのは人々の思想であり、価値観である。この思想基盤については、ほとんど議論されていないようである。大量生産、大量消費、大量廃棄型のライフスタイルは、「むさぼり」や「貪欲」ともいえる。反省やライフスタイルの変更が議論されても、ここには、罪の自覚、悔い改めはみられない。
4 地球の帰属
 地球環境の危機的状態を取り上げる前に、「地球は誰のものだ」の帰属についての重大な命題がある。?人類のものである?誰のものではない?地球に息づく全生命のものである、といった解答がでてくる。
 「人類のものである」という立場であれば、環境破壊は人類の大きな損失であるという便益から議論される。
 「地球に息づく全生命のものである」の解答には、地球全体を一つの生命体と理解する
「ガイア思想」がある。多くの人が共感し、思想的基盤としている。これは、新たな形の汎神論であり、創造主を信じる私たちには脅威や危機感を感じる。
 一方、キリスト教界に対しては、創世記1章26、28節等に基づいて、創造主が人に被造物世界を支配させ、従わさせる権を与えたことにより、今日的な地球環境問題が発生した、と批判される。
5 聖書に基づく立場
 キリスト者は、「地球は誰のものだ」の命題に対して、「地球は創造主のもの」であり、人類は、「創造者から適正な管理を委ねられている」と信じ、告白できる明確な思想基盤がある。にもかかわらず、地球環境問題に対しては創造主が造られた被造物世界の破壊という理解はなく、感謝や恵みに関する理解も少ない。
地球環境問題の背後には人類と個人の「貪り」と「貪欲」の罪がある。この罪は本質において創造主を無視するものである。人々が創造主に対して悔い改め、イエス・キリストによる贖いを受け入れ、神の子として生かされる恵みの提示こそ、福音宣教の今日的な視点とも考えられる。
そこで、地球環境問題を聖書の立場にたった具体的認識、視点、理解、提案、実践を行うことが緊急の課題と考える。

<北から南から>北海道・マナチャペル−−教会で「ホームレス問題考える」0306290501

長引く不況、失業率5%を超えた日本。その中でも北海道拓殖銀行の破綻などで深刻な経済状況の北海道では、路上生活者が急速に増えているという。01年4月から札幌市で月1回、カムホーム伝道と名付けてホームレスの人々に食事や衣料提供などの奉仕をしてきたマナチャペル(藤井克行牧師)は、4月に同教会でシンポジウム「今、なぜ、ホームレス問題なのか―私たちのできること、願うこと―」(アメリカ総領事館、ホームレスの方々を支援する会共催)を開催した。当日は100人以上が集まった。

 横浜市寿町でホームレスの人たちの支援活動をするNPO法人「さなぎ達」のプログラムディレクター谷津倉智子氏は、「アメリカのホームレス事情」と題しニューヨークでのホームレス支援活動の様子を報告。「アメリカには現在、非営利団体(NPO)が145万ある。日本は1万で、このNPOの数の差は大きい」と語る。
 ホームレスの定義も違うという。「アメリカでは夜間に定まった住居がないだけでなく、シェルターに泊まっている一時宿泊者もホームレスとして数える」。中心的な政策は、住宅都市開発省によるシェルター、サポートハウス、シンプルルーム建設で、NPOに対する寄付は税金が免除されるなどNPOへの免税制度がしっかりしており、日本に比べ運営しやすいと述べた。
 「ニューヨークでホームレスになる三大要因は、ドラッグ、アルコール、精神障がい。しかしアメリカでは、ホームレス支援が当然で、建物の提供だけでなく、医療保健など多角的・包括的なサービスを提供している」と報告した。
 学生と共に札幌市内の路上生活者に奉仕する椎名恒氏(北海道大学大学院教育学研究科助教授、北海道の労働と福祉を考える会代表)は「野宿者に対する悪いイメージを、市民的規模で正していく必要がある」と述べた。支援活動は、何かしてあげる、というレベルで終わるものではない点も強調。「一方通行でなく、ホームレスの人たちと触れあうことによって、実はまだ自立していない学生自身と自立的でない人間が、自立していく契機となり、支え合う関係になる」と語った。
 市民レベルでホームレスの人々への支援活動をするカトリック信者の真鍋千賀子氏(みなつきの会メンバー)は、「目に見えない形での支援が必要」と言う。「本質的に人が必要としているのは、お金ではなく、自分の内にある渇きを、誰かに満たしてもらうこと。キリストの恵みは特別な方法で弱い人たちに与えられている」と述べた。
 法律の立場から田中貴文氏(札幌おおぞら法律事務所所属弁護士)は、「北海道は大変な不況。路上生活者になる理由のの6割は借金の問題だ。破産申し立てをすれば逃げ回らなくていいことを理解してもらう必要がある」と提言した。
 小澤利夫氏(ホームレスの方々を支援する会副会長、単立・シロアムキリスト教会員))は「昨年8月にホームレス特措法が公布され、全国に自立支援センターが設置されつつありますが、札幌市にはまだ設置されていない。極寒と飢えをしのぐ場所を早急に建設するよう、市民ボランティア団体が行政に働きかける必要がある」と語った。
 主催者は「自分たちに何ができるかと祈る中で今回のシンポジウムが実現し、実際に活動している人たちの現状報告を聞くことができた。今まで別個に活動していたグループが一つになり、法律的な面でも互いに連携が取れるようになれた」という。
 「ホームレスの方々を支援する会」は入会者を募集中。問い合わせは?011-272-0603、事務局まで。