ヘッドライン
[CSD]2005年11月 20日号ヘッドライン
[CSD]2005年11月 20日《ヘッドライン》= 1面 =
★横田さんらの苦しみとともに——拉致問題解決のため一日集中祈祷会
= 2 面 ニュース=
◎日本ゴスペル音楽協会発足——クリスチャンミュージック界の振興目指す
★東京で国際シンポ「戦後60年—ドイツと日本」——両国の問題 神学的に深めようと
★米国:アーミッシュ 政治に踏み込む——土地利用にかかわる選挙きっかけに
★米国:プロテスタントの海外宣教献金が低下
★米国:教会に通うほど高収入?
★<落ち穂>「迫害下にある教会のための国際祈祷日」の意義
= 3 面 ニュース・ルポ=
◎憲法9条守ろうと東京で「平和巡礼」——宗教家が和してシンポジウム
★ルポ・クリスチャンブックストア物語[4]:大阪府堺市「ジョイフル」?
★<召天>高津 亮平氏(日基教団信徒宣教師、52歳)
☆祈りのガイド:北海道
= 4 面 ビジネスパーソン=
★長谷川保との出会いから介護福祉へ——遠藤 正一さん[中](日本ロングライフ[株]代表取締役社長)
★<佐藤綾子のイキイキクリスチャン自己表現法>[4]本当の共感表現は人を魅了する
= 5 面 牧会=
★<スピリチュアリティと心の援助>[2]危機的状況で見つめ直す関係——超越者による支えを求める存在 講演・窪寺 俊之
★<オピニオン>教会が神の家族になっていくための働き 記・村上 久
★<恵みのどんでん返し>受洗者が起こされますように 記・押方 恵
= 6・7 面 全面広告=
☆日本聖書協会:聖書週間 11月20日—27日
—聖書に親しむ、聖書を読む、聖書を贈る—
http://www.bible.or.jp
= 8 面 関西だより=
★関西聖書学院が生駒に新キャンパス——新しき地に天幕の場所を広げる
★<関西クリスチャンショップめぐり>[4]ほっこりと温かい喫茶店——珈琲館シャブオット
★戦争被害の子どもたちを代弁——美術作品で「平和をつくる」 西村正幸さん
★神戸でアーサー牧師の檄が飛ぶ——11月24日に「BLESSING NIGHT in Kobe」
= 9 面 世界=
★<宣教まっただ中>アメリカ発[4]アジア系米国人との連帯を 記・高田 正博
★カッティング・エッジ・リポート[1]神の計画の大切な要素——福音派の社会的責任として
☆祈りのガイド:岩手・世界
= 10 面 特集/愛のささげもの=
★エッセー:「助けて!」という叫びを聞きませんか
= 11 面 教会学校=
★<いまどき子ども事情>牧師家庭の子の「揺れる心」——子どもの声より二者択一に迫っていた 記・西村 敬憲
★<CS分級>分かち合おう収穫の恵み 記・平田 和子
= 12 面 神学・社会=
★<講演>米国キリスト教原理主義に見る、日本の福音派の課題[7]米福音派の価値観と政権 関野 祐二
★イスラエル:メギドで最古の教会跡?を発見
★<書評>『アダムの沈黙』ラリー・クラブ著(いのちのことば社、2100円)評・大嶋重徳
= 13 面 情報=
★<情報クリップ>催し情報・放送伝道ハイライトほか1201301
★EVENT:青年劇場公演「銃口」(http://www.seinengekijo.co.jp
★GOODS:プレイモービル アドベントカレンダー9(http://www.playmobil.co.jp
★CD:「新しい朝」Olive(ライフ・ミュージック、2100円)
= 14 面 教会=
★自転車カフェで地域の人とのつながりを——オープンバイブル・墨田聖書教会
★<奉仕する恵み>看板は「教会への招待状」——墨書で奉仕25年・志村裕子さん
= 15 面 家庭・あかし=
◎「歌で信仰伝えたい」——「東洋のマリア・カラス」キム・ヨンミさん
★世界祈祷週間を前にチャリティコンサート——バプ連盟・常盤台バプテスト教会
★<お母さんのための絵本のたび>[10]なんのために生きるのか 記・澤谷 由美子
= 16 面 ひと=
★菅野 重信さん(ビスポークカンノ社長)——拉致被害者支援に取り組むテーラー
= ?—? 面 別刷りカラー特集=
☆クリスマス・スペシャル
☆プレゼント用品・クリスマスグッズ
日本ゴスペル音楽協会発足−−クリスチャンミュージック界の振興目指す=0511200201
ゴスペル音楽の愛好家が増え、すそ野も広がり、クリスチャンミュージシャンの質も向上してきている昨今。そんな中、日本のクリスチャンミュージック業界の基盤を整え、振興することを目的とする「GMAジャパン=日本ゴスペル音楽協会=」が9月30日に発足。その発足式が10月14日、東京・台東区上野のゴスペル音楽院で開かれた。 GMAジャパンは、約40年の歴史を持ち全米98%のクリスチャンミュージシャンが所属する米国GMAの関連団体として発足。ジョシュア佐佐木氏(ゴスペル音楽院学長)が今年4月、米テネシー州ナッシュビルで開催されたゴスペルの祭典「GMAウィーク」に参加したのを機にビジョンが与えられ、発足に至った。発起人はほかに鈴木幹夫(エムエージー代表取締役)、伊藤治哉(インタースコープ専務取締役)、楠章二(ビ・ブレイブ代表)の各氏。使命は
1ゴスペル(福音)の本質を日本に紹介する、
2ゴスペル音楽を通じて社会に対する啓蒙及び業界の健全な成長の助け手となる、
3ゴスペル音楽の基礎を整え、必要なプログラム、プロジェクト、サービスを行う。また対象となる音楽もブラックゴスペルだけでなく、CCM、プレイズ&ワーシップ、クラシカルゴスペル、ほかのキリスト教音楽も含む。
具体的活動は
1会員相互の交流、情報交換及び協力支援するイベント活動と機関誌発行、
2会員の利権擁護、利益の保護、コンサート支援などの情報提供と広報活動、
3音楽業界への働きかけや新規市場開拓への協力、各メディアへの紹介、
4制作や新規事業への基金の設立、支援者の募集、
5外国人アーティストの招聘及びその協力、
6米国GMA及びその関連団体との交流、情報交換、協力、など。
来年3月初旬には、同協会主催で最初のイベントを行う予定。4月以降に公益法人化も目指す。
日本ゴスペル音楽協会では、趣旨に賛同する人の入会を呼びかけている。年会費は個人会員が1万円、団体会員が2万円、協賛会員が5千円。問い合わせはTEL:03・3842・2755、Eメール=office@gmajapan.comまで。ホームページ=http://www.gmajapan.com
【中田 朗】
憲法9条守ろうと東京で「平和巡礼」−−宗教家が和してシンポジウム=0511200301
宗派・信条を異にする宗教者が「日本と世界の平和な未来」のために1つとなり、「憲法九条を守る祈りの和」を宗教界に広げたいと、今年4月、仏教、キリスト教の宗教者を中心に発足した「宗教者九条の和」。11月5日、同主催のシンポジウム「輝かせたい憲法第九条 第1回平和巡礼とシンポジウムIN東京」が、千代田区のカトリック麹町聖イグナチオ教会・ヨセフホールであった。テーマは「宗教者と九条」。仏教、キリスト教の各代表がそれぞれの立場と信仰から発題。270人あまりの出席者は、それぞれの視点から「九条」について考える貴重な場となった。シンポジウム前には、麹町周辺を宗教者の代表と「宗教者九条の和」賛同者たちが「巡礼」、平和の願いをこめて憲法9条の尊さをアピールした。■ □
10月末に発表された自民党憲法草案で、9条2項に「自衛軍の保持」が明記されるよう書きかえられたことで論議を呼び、9条への関心の高まりとともに宗教者九条の和への賛同者が急激に増えつつある中でのシンポジウムとなった。パネリストは、石川浩徳(日蓮宗現代宗教研究所元所長)、小林延行(立正佼成会中央学術研究所所員)、高見三明(カトリック長崎教区大司教)の各氏。コーディネーターは山本俊正氏(日本キリスト教協議会総幹事)。各氏は9条をめぐる政治状況に危機感を表明しつつ、それぞれの立場から発題した。
小林氏は、9条の大切さを強調した立正佼成会開祖の庭野日敬の言説を紹介。石川氏は自身の戦争体験とともに、1999年、各国から宗教者が集まったオランダ・ハーグの平和市民会議で、「日本の憲法第9条にならい、政府が戦争行為の禁止を決議するよう活動していこう」との声明を採択したことを例に、「日本の憲法は世界でも理想とされている」と話した。
高見氏は「『剣をもつ者は剣でほろびる』というイエスの言葉は、心の内側だけの問題ではない。個人の心の問題はすなわち国の、社会の問題でもある」とし、「互いに認めあう心、平和を愛し育てていくことこそ大切」と語った。
「これからの時代を担う子どもに、憲法の問題をどのように伝えていったらよいか」という会場からの質問には、「9条の大切さに気づいている私たちがまず行動し、子どもたちとともに学んでいく姿勢が大切ではないか」と小林氏が提案。高見氏は「一方的に情報を受け取るのでは足りない。自分にかかわる問題として自分で考える場をもっと設けるべきではないか」と語った。また「9条は理想であり、現実に他国が攻めて来た時、宗教者はどのように考えるのか」という質問に石川氏は、「むしろ武器をもたないことによって、攻められない日本になることの方が重要。それは先の戦争がはっきりと示している」と語った。
基調講演で、呼びかけ人世話役の1人、村中祐生氏(大正大学元学長、天台宗慈照院住職)は、「どの宗教にも共通するのはその目が内側に向いているということ。仏教には『心の据』という考え方がある。己の内側を徹底的に見つめる努力をし、何に人生の土台を置き、どう生きるのかを明確にする。それからようやく私たちは現実世界の問題と向き合うことができるのではないか」とし、「遅々とした歩みかもしれないが、宗教者九条の和は、まずはここから出発すべきではないか」と語った。 【正村献三】
「歌で信仰伝えたい」−−「東洋のマリア・カラス」キム・ヨンミさん=0511201501
「韓国が世界に誇るオペラ歌手」と言われるキム・ヨンミさんのリサイタル(同実行委員会主催)が10月26日、神奈川県横浜市中区の神奈川県民ホールで開催された。プログラムでキムさんは、自分がうつ状態から福音によって変えられた体験をストレートに語った。また、アンコールでは日本の歌も披露。聴衆は「まるで天からの声のよう」とその歌声に魅了され、拍手が鳴りやまなかった。 【中田 朗】 キムさんは、マリア・カラス国際コンクール(80年)、L・パバロッティ国際コンクール(81年)、プッチーニ国際コンクール最優秀賞に輝く、世界的なソプラノ歌手。その歌声から「東洋のマリア・カラス」とも称されている。また4代目の熱心なクリスチャンだ。リサイタルでは「アヴェ・マリア」(G・カッチーニ作曲)などのオペラの名曲と共に、「ティファニーで朝食を」のテーマ曲「ムーン・リバー」など映画音楽も披露。アンコールではマイクを持ちながら、五輪真弓さんの「恋人よ」、日本人にもなじみ深い韓国ゴスペル「きみは愛されるため生まれた」を日本語で歌い、会場から盛大な拍手と歓声が起こった。最後は「主の祈り」(A・H・マルロッテ作曲)で締めくくった。
キムさんは「2年前の来日時に日本人への重荷が与えられた」と語る。「一番心を痛めているのは、日本人が神々(偶像)に縛られていること。オペラ団に立派な日本人が多かったが、1人もクリスチャンがいなかった」
今年4月、東京・新宿区の東京中央教会で開かれたコンサートで趙南洙牧師(同盟基督・招待キリスト教会)と出会う。趙牧師の招きで日韓親善40周年の今年、キムさんは初めて「日本での宣教を目的としたリサイタル」を実現させた。
「私は障がい者ではないが、実は2度もうつ状態を経験した『障がい者』。弱い立場の人や障がい者に重荷がある」とも語るキムさん。リサイタルの収益金は、北朝鮮から逃れたストリートチルドレンにささげられる。 転機は1981年。73年にローマに留学。そこで声楽を学び、80年にマリア・カラス国際コンクールに参加し、最優秀賞を受賞。だが、その賞はイタリア人と分け合った。「私が韓国人なので、イタリア市民からの差別があった。私を教えてくれた教授は『あなたは世界のトップ。でも、最優秀賞を取れないかもしれない』と言われた」。その出来事がきっかけで、極度のうつ状態に。母の勧めで、姉が住むアメリカのフィラデルフィアへ移住した。
フィラデルフィアの韓国人教会の祈祷会に出席したある日のこと。床に座り「神様、生きておられるなら、私を何とかしてください」と祈っていた。すると主任牧師が近寄って、頭に手を置いて祈り始めた。その時、突然異言を語り始めた。「初めての体験で驚いた。その時、神様が私を愛していること、今、与えられている才能が自分のものでなく神様のものであることに気づかされた。私は『一生をかけて、賛美をおささげします』と神様に約束した。うつ状態もその時から解放された」
「私は人前で歌うことのできない罪人。でも、神様はそんな私を放っておかれなかった。もしイタリアでオペラの舞台に立っていたら、信仰から離れていたかもしれない。神様は私をイタリアからアメリカへと移し、そこで私を栄えさせようと計画されていた」
最愛の母が亡くなった00年にもうつ状態に。「オペラ歌手としてどんなにがんばっても、結局死んでしまえば何もない」との思いに襲われ苦しんだが、「『恐れるな。私があなたと共にいる』とのイザヤ書の御言葉を通して主の臨在を体験し、暗闇に光が差し込むという経験をした。そして、少しずつうつ病も癒されていった」。
「このような芸術的、文化的交流を通じて、信仰が日本人の心の中に入っていってほしい。それが神様が私に示してくださった使命です」