[CSD]2001年10月 7日号《ヘッドライン》

[CSD]2001年10月 7日号
《ヘッドライン》
 = 1面 =
◎ミサイルより花束を——ビンラディン氏に武器を運んだ元イスラム原理主義者Yさん
★緊急レポート:アメリカの教会は今<1>——バプテスト教会の風景
★米福音同盟が呼びかけ——全米で「追悼と祈りの日」
★報復は悪循環——朝顔教会で有志ら「平和を祈る夕べ」
★<落穂抄>新たな時代へ情報での日韓交流
 = 2 面 =
★戦争回避へ懸命の努力——諸教派・団体が日米両政府、米教会へ働きかけ
★ルーマニア革命後の教会事情——自由化で教会急増、深刻な牧師不足
★テロリズムへの信仰的応答を訴える声明——J・ウォリス、R・サイダー氏ら
★テロの背景——イスラム教徒の受け止めは?
★本紙と韓国・基督公報が提携——記事などの情報交流を確認
★東京でハガイセミナー開催
★アフガニスタン:獄中のスタッフ出国できず
★アフガニスタン:拘束外国人8人は「安全」とタリバン
★<論説>米国同時多発テロ——指導者たちのために祈ろう 記・片岡 伸光
 = 3 面 日本宣教のパイオニア=
★心は神に手は人に——日本人最初の救世軍士官・山室軍平中将
 = 4 面 聖書特集=
★学識と信仰体験を一書に濃縮——『聖書66巻がわかる』10月発売
★知らなかった、レビ記はこんなに面白い——石黒則年さんが通読のコツを解説
★教会員が非常に乗り気——横浜指路教会の聖書リレー通読
★聖書が生み出す世界平和とは——バイブルフレンズの集い
★実際生活に適したものへ——『みことばの光』4月から日本人が執筆中
★英国:若者向け聖書を電子メールで発行
 = 5 面 青年伝道は今=
★テロのため祈る姿に感動——国際ナビゲーター
★肩肘はらないノリのよさ——KGK
★日韓学生が献身の決心——hi—b.a.
★今の若者にジャストフィット——若者向けトラクト型新聞「休息的時間」
★バラエティに富んだ内容——神学校発!伝道用マガジン「WONDERS」
 = 6 面 関西だより=
◎ゴスペルで福音を——天理教の拠点・天理市で開拓伝道
★VIPクラブ:三浦綾子召天2周年メモリアルフォーラムに1800人参加
★信仰を支え導いたパソコンとフルート——ネットで出会い、結婚へ
★心の琴線に触れる朗読——「私が人のために生かせるのは声だ」
★信徒が考案した「みことば入りの日めくりカレンダー」
 = 7 面 =
★「福音を恥としない」みことばの実践——ゴスペルマーチングin横浜
◎教会も帰国者も「違いを受け入れ合う」——帰国者カンファレンス東京2001
★「美しい賛美はリバイバルにつながる」——日向かおりさん初CD「Presence」
★詩篇による神賛美「詩篇抄集」新版に——日本キリスト改革長老教会編
★「救って」と人々は待っている——名古屋リバイバルミッション始動
★国際:テロ後NYで追悼集会
 = 8 面 生活のページ=
★<あの日のメッセージ>「宣教師の証しから」主の恵みに気づく 記・不破 勝美
★<真っ向勝負>質問:イエス様って恋心わかるの? 回答者:井上賢二郎
★<今週の本棚>『イエスの復活』G・リューデマン著(日本基督教団出版局、3800円)
★<今週の本棚>『涙のち晴れ』マナブックス(500円)
★<今週の本棚>『日本と西洋における内村鑑三』A・コズィラ著(教文館、1800円)
★<情報クリップ>催し情報ほか
 = ?・? 面 =
☆神学校特集[保存版]

ミサイルより花束を−−ビンラディン氏に武器を運んだ元イスラム原理主義者Yさん0110070101

最初に「本当に驚いている。
しかし、いつかこういうことが起きると予測していた。
首謀者はオサマ・ビンラディン以外考えられない」と語った。
 「ビンラディンはアメリカ人を見たら抹殺せよと言う。
もし核を持っていたら、使っていただろう」。
イスラム原理主義者はテロ活動をジハード(聖戦)と考え、非イスラム教徒はみな敵で、アラーの神に反対すれば抹殺するのがイスラムの教えだという。
イスラム教徒にとって、自爆したテロリストはアラーに選ばれた人で、家族にとってもうれしいこと、アラーのために死ぬことは名誉なことで、自分ではなくアラーが責任を取るからアラーのための死は自殺ではない、と説明した。
 報復手段については、「報復しても第2第3のビンラディンを生むだけで、もっとテロは広がる。
彼は世界中にネットワークを持っていて、自由に移動でき、まず特定できない。
空爆は民間人を巻き添いにし、イスラムの人たちの心を頑なにするだけだ」と言う。
日本がアメリカの報復攻撃に加担したら、日本もテロの標的になる危険性もあり、報復は何の解決にもならないと断言する。
 一方、「すべてのイスラム教徒を、ごく少数の過激派グループと同列において欲しくない」と願う。
「大多数のイスラム教徒は穏健派で、原理主義グループは数パーセントに満たない少数派。
一部でイスラム教徒に対する迫害が伝えらているが、今回のようなテロがイスラム教徒への偏見を助長し、西側社会がそれに同調するなら、結果としてイスラム教徒が福音に触れるチャンスを狭めてしまう」と危惧する。
 むしろ「あなたの敵を愛しなさいと言われたイエスの愛を示して欲しい」と繰り返す。
「私がキリスト教を信じた理由は愛だ。
やられても相手を赦し、和解し、敵をも友人にする、敵を愛する愛。
やったら、やりかえすイスラムの教えしか知らなかった私は、その教えで変わった」とYさん。
愛には力がある、敵を友にすれば戦争はなくなる、ものすごく難しいことだが、可能であれば必ず勝利する、と確信する。
 「今は、アメリカがキリストの愛を示す絶好の機会」とYさんは言う。
「愛は報復より力がある。
一般的なイスラムの人は戦争が嫌いだし、人が死ねば悲しむ。
ただ、ほかの宗教を知らないだけだ。
もしアメリカがミサイルでなく花束を届けたら、イスラムの人はきっとキリスト教のすばらしさに驚くだろう。
石のように硬い心を持つイスラム原理主義の私でさえ、このように変えられた。
ぜひ聖書の教えに立って、解決に努めて欲しい」と語った。

ゴスペルで福音を−−天理教の拠点・天理市で開拓伝道0110070601

天理教のメッカ奈良県天理市で開拓伝道している伝道者がいる。
南大阪福音教会の柴原佳高さんだ。
教会堂ができることを祈りつつ、自宅で礼拝をもち、地元のイベントでクリスチャンミュージシャンのコンサートを行ったり、ゴスペル教室を運営するなど、地域にキリスト教文化に触れる機会を提供している。
10月6日には天理市民会館ホールでゴスペルディレクターの山本真一郎氏を招いて『山の辺ゴスペルコンサート』を開催する。
 『山の辺ゴスペルコンサート』は、毎年天理市が行う山の辺芸術祭のイベントのひとつとして開く。
昨年アメリカ・シカゴから総勢40人のブラックゴスペルクワイアを招き、800席の市民会館ホールに立ち席ができるほどの反響があった。
この実績が買われ、今年は天理市の芸術祭だけにとどまらず、奈良県芸術祭参加のコンサートになり、奈良新聞や毎日、読売、朝日、産経の各新聞社の支局の後援を得た。
 今回は山本真一郎氏率いる京阪神の五つのゴスペルクワイアが一堂に会する、百人規模のゴスペルコンサート。
プログラムの内3曲には一般公募のワークショップ参加者が加わり、さらに聴衆も参加する曲目もあり、天理市始まって以来のゴスペルの大合唱が市民会館を揺るがすことになる。
 このダイナミックなコンサートを企画した柴原さんは、3年半前に天理で6畳ひと間を借りて伝道を始めた。
河内長野市の日本福音教会・千代田福音教会の教会学校の出身。
アパートの1室から始まった開拓時を知るひとりだ。
貸間から会堂ができるまで、教会と共に成長してきた柴原さんは、開拓の困難と喜びを肌で知ることができた。
この体験は「神様の役に立つ仕事をしたい」と会社をやめ、聖書学校に入り単身異教の地に乗り込んだ柴原さんの財産。
 「なぜ天理市なのか。
仕事でよく天理のシャープ工場に来ていたんですが、ああ、こういう町があるんだと思ったんです。
宗教の名の付く町に、大きな社宅や団地があって、よその町からやってきた人たちが、その宗教のなんらかの影響の中で暮らしている。
そして教会がほとんどなく、福音に触れる機会もない。
いわばキリスト教ゼロ地帯で、ゼロから始めよう、だめだったら戻ればいいと思っていました」  手探りの中、教会として地域に根ざす活動を考えた。
ブラックゴスペルブームに乗じたゴスペルコンサートは、大きな手ごたえがあった。
次いでひとりの女性が柴原さんの見守る中でキリストを受け入れて亡くなったことが、柴原さんに確信をもたらした。
「この地域にこういう人がいる。
神はこの土地を愛し、私も用いてくださる。
私はこの土地に召されているとわかりました。
今は、だめなら戻ればいいとは考えていません。
奈良県全体に福音を通して役立てたらいいと思っています」  現在ビデオ礼拝をしながら、コンサート企画、県内3か所でのゴスペルサークル運営に忙しい。
約20人のサークルには、今回出演の山本氏も講師で来てくれている。
 「天理クリスチャンセンターがあってよかった、いてくれないと困るというようになっていくことが必要です。
今そういう方向に向かっている手ごたえを感じます。
今回のコンサートも一般の人が楽しめる、クリスチャンの証しのあるコンサートにしたいですね」  コンサートの収益はレーナ・マリア基金を通して、タイの障害孤児施設に寄付される。
●天理クリスチャンセンター=TEL0743・68・2582、FAX0743・68・2552、e-mail:tenchri@dream. com

教会も帰国者も「違いを受け入れ合う」−−帰国者カンファレンス東京20010110070702

海外で福音を聞き帰国する日本人の数は一年に1600人。
だが、そのうちの80%が教会を離れてしまうと言われている。
 帰国し、教会にとまどいを覚えている帰国者を励ますための集いが97年から開催されている。
今年も9月14日、15日に「帰国者カンファレンス東京2001」(帰国者カンファレンス東京実行委員会主催)が東京日野市のラ・サール研修所で開催された。
講師は、安海靖郎氏(アンテオケ宣教会総主事)。
主にアメリカ、イギリスからの帰国者100人ほどが、遠くは九州からも参加した。
 15日のワークショップ「帰国者のアイデンティティ」には、20人ほどが参加、日ごろの思いを語った。
 「米国で喜びにあふれたクリスチャンをみて洗礼を受けた。
昨年、日本に帰ってきたが、クリスチャンの友達がいない」「帰国して米国との違いで、教会に行けなくなった。
最近教会に行くことができるようになった」「同じ帰国者が通う教会に通っている」「帰国して3年経つが、まだ、カルチャーショックから抜けられない」  ワークショップを担当した在欧日本人宣教会(OMF宣教師)の横山基生さん、好江さん夫妻はカルチャーショックを和らげるために考えるべきことや、感情的な相対的部分よりも、救いの普遍的事実を知ることが大切など、具体的なアドバイスをした。
 どうして多くの帰国者が日本の教会に「みぞ」を感じるのだろうか。
 実行委員長の高橋選哉さんは、次の3点を指摘する。
?クリスチャンとしては海外生まれで、帰国者は信仰的には「帰国者」ではない。
彼らの信仰の故郷は海外にあります?留学生が多く、社会人への移行期間と重なり、不安定な状況に置かれる?成長のためのフォローがなく、信仰の確立のための時間が十分ないまま帰国する。
 「教会と帰国者が互いに相手のことを知り、尊重し、認め合う中で、『みぞ』は埋められていくと思います。
教会のできることは帰国者の経験を理解し、彼らが海外生まれのクリスチャンであることを心に留め、一クリスチャンとして認め受け入れることだと思います。
帰国者にできることは、海外と日本で経験する教会が違って当たり前だということを理解し、目に見えるものにではなく、目に見えないものに目を注ぐこと、つまり、イエスを見るということだと思います」  ▼12月27日から1月1日には、帰国への備えのため、また、海外に住む日本人伝道をする人々のために、米カルフォルニア州で「Equipper Conference2001」が開催される。
問い合わせは、TEL03・5217・2505まで。
Eメール:ushq@jcfn.org、ホームページhttp://jcfn.org/ EC2001/