(C)南海放送
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1954年(昭和29)3月1日、アメリカがミクロネシアのマーシャル諸島内・ビキニ環礁で水爆実験を行ない、爆心地から150kmほどの距離で操業していた日本のマグロ漁船「第五福竜丸」が死の灰を浴びて帰港した。この事件を忘れないようにと制定された「3・1ビキニデー」を直前に控え、核実験による放射能の今日的影響を追ったドキュメンタリー【『放射線を浴びたX年後1&2』自主上映 】企画が、2月12日の東京:平和と労働センター・全労連会館2Fホールを皮切りに大阪市・長浜市・藤沢市・日野市・盛岡市・牛久市など各地で開催される。

伊東英明監督のドキュメンタリー映画「放射線を浴びた[X年後]」(2012年製作)は、1946年から62年にかけて100回以上実施された太平洋上核実験では、第五福竜丸だけでなく多くの漁船が被ばくしていた事実と日本全国に及ぼした被ばく状況を米国の公開資料などによって追った。「放射線を浴びた[X年後]2」(2015年製作)では、る川口美砂さん(59歳)が、前作を観て小学6年の時に36歳の若さで急逝した父親の死に疑問を抱いた。それから故郷の室戸で父とマグロ漁船に乗っていた世代の元漁師を訪ね当時の様子を聞き取っていくドキュメンタリー。

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2月12日(日)の平和と労働センター・全労連会館2Fホール(東京都文京区湯島2-4-4)と、2月26日(日)日野七生公会堂(東京都日野市三沢3-50-1)での上映では、伊東英明監督と川口美砂さんのトークショーも予定されている。3・11フクシマ原発事故以後も放射能の影響と危険性をしっかり見つめてきちんとした対処から目を逸らさせる動向の日本。3・1ビキニデーは決して過去のメモリアルではなく現在も影響を及ぼしている事件であることを再認識したい。 【遠山清一】

【『放射線を浴びたX年後1&2』自主上映 】最新情報サイト
http://x311.info/blog/theater/
*ドキュメンタリー「放射線を浴びた[X年後]2」映画レビュー記事
https://xn--pckuay0l6a7c1910dfvzb.com/?p=5876
*インタビュー:伊東英朗監督(映画「放射線を浴びた[X年後]2」)--ビキニ水爆実験の環礁被ばく調査こそフクシマ対策の解明に繋がる
https://xn--pckuay0l6a7c1910dfvzb.com/?p=6495