CD「IN THE HYMN, volume 2」小坂直輝――見事なアレンジと演奏の讃美歌集
Jazzピアニスト小坂直輝の賛美歌アルバム。
キース・ジャレットの「ケルン・コンサート」や、最近ではCMで使われた小曽根真の「ウィー・アー・オール・アローン」など、すばらしいジャズ・ピアノ・ソロを聴いていると、こんなクリスチャンミュージックがあったらいいのにと思わされていたのだが、ついに見つけた。
Jazz系のクリスチャンミュージックというのはあまり見当たらない。あっても聴き馴れた賛美歌・ワーシップをただJazz系のアレンジにしただけ、という感じでがっかりということもままあるのだが、このアルバムは違う。とても音楽性の高いアレンジと、見事な演奏で賛美歌が生まれ変わっているのだ。
収録曲は全10曲。4曲目「救い主は待っておられる」が最も「いわゆるジャズ」っぽいアレンジで、特に後半はジャズ特有のはねたリズムで楽しい雰囲。だがこれも「なんとなくジャズだから」ではなく、「主が待っておられる」喜びを表現するために必然的に使われている。どの曲も無駄な音を出してはいないのだ。7曲目「PASSION CHORALE」から、8曲目「あなたも見ていたのか」への流れは感動的だ。「あなたも見ていたのか」は讃美歌第二編でも聖歌でも、墓に葬られるまでの歌詞しかないが、原詞ではよみがえりまである。このCDのアレンジではそこまで表現しているように思う。
決まった形式から解き放たれて、その曲の持つ意味を表現できるのがJazzの良さだと思う。「音楽っていいな」と思えてくるCDだ。Jazzがどうのという先入観にとらわれず、すべての音楽好きに聴いてほしい。【生】
http://www.naokikosaka.com ←小坂直輝公式サイト
http://inthehymn.seesaa.net ←CD「IN THE HYMN」公式サイト
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