CD「Christmas Presence」 Steve Sacks 全10曲2,500円
CD「Christmas Presence」 Steve Sacks 全10曲2,500円

9.11後に発表した「Look To The Sky」が印象深かったスティーブ・サックスのクリスマス・アルバム。アコースティックなピアノサウンドにサックスのテーマが重なる。ああ、クリスマスだなという感じがする。

クリスマスには多くのクリスマスCDが店頭に並ぶ。とくにアメリカではクリスチャンでなくても、クリスマスアルバムを出すというのは一つのステータスなのだという。同じソプラノサックス奏者で有名なケニー・Gも同様のアルバムを出しているが、「僕はクリスチャンじゃないからホリデー」とそのアルバムタイトルについて説明していた。本作「Christmas Presence」はそれらとは一味違ったものになっている。

聴き慣れたクリスマスソングが、素晴らしいジャズアレンジで繰り広げられていく。ところが、緊張感のあるインタープレイが展開されて、単なるBGMやパーティーミュージックとは違う様相を見せ始める。アルバム全体の構成も同様。4ビートのアコースティックなジャズを基調に、16ビートの3曲目、ブラジリアンサウンドの5曲目と緩急をつけつつ、8曲目、アルバムタイトル曲の「Christmas Presence」で緊張感の頂点に達する。

ジャケット内に記されている証しが素晴らしい。「道をさまよう中、私はイエス・キリストを発見しました。クリスマスの時に私たちが祝うのはキリストの誕生です。暖かく光り輝くイエス・キリストの存在(Presence)の内に、キリストから私への愛という素晴らしいプレゼント(Presents)を見つけました」。クリスマスにキリストの存在を示すこと、それがこのアルバムで目指したことなのだろう。

最後の10曲目「エッサイの根より」の独奏を聴くときには、「ああ、キリストが共にいてくださるんだ」という思いにさせられる。【生】

公式サイト http://www.stevesacks.com