CD「Believe in Love」 Samuelle――寂しさに寄り添う歌声
韓流クリスチャンアーティスト、サムエルのニューアルバム。「いつまでも色あせないメロディーに甘く切ない歌声が響く…」とのキャッチフレーズ。
DVD「聖書を読んだサムライたち」のエンディングテーマ曲「Believe in Love」、ロック調の「Red Eyed Passion」、最もアップテンポな「Movin’ On」など、ラップやロックなどを織り交ぜつつ、どの曲も質の高い現代的なR&B系の楽曲に仕上がっている。
暗さは全くないが、全体を通して寂寥感を感じさせられる。確かに「甘く切ない歌声」とも言えるのだが、その声質と歌唱法、R&B系の楽曲と相まって、ブルージーな感じがする。囁くような発声法やハスキーな声質はバラードによく合うし、それが彼の個性でもあり、どの曲にも共通する「寂しさ」や「やるせなさ」を感じさせるものとなっている。愛や希望を歌っていても、幸せには至っておらず、孤独や悩みの中で希望を抱きつつ耐え忍んでいるかのようだ。
サムエルの目は、悩み苦しむ人たちに向いているのかもしれない。ハッピーな彼岸に行ってしまうのではなく、その人たちに寄り添いたいのかもしれない。ワーシップのように神さまにだけ向かう歌ではない。「あなたは愛されている そう信じて」(Believe in Love)、「夢の明日へ進みたい」(Hope)などとあるように、「孤独」や「やるせなさ」の中にある人たちとともに立って、ともに神さまにある希望に向かいたい歌なのだろう。 【柳 聖生】
※「Samuelle CD発売記念&東日本大地震チャリティーコンサート」も開催される。
6月4日(土)午後2時―。ゲスト I.Ary 他。
料金は、前売2,000円、当日2,500円(東北地方太平洋沖地震のための席上献金あり)。