2018年10月07日号 02面

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 「2018全国放送伝道会義」(同実行委員会主催)が、9月25日から27日、東京代々木の国立オリンピック記念青少年総合センターで開催された。前回2010年以来の開催となる今回は、「教会と、今に生きる宣教〜放送伝道のこれから」をテーマに、太平洋放送教会(PBA)が放送する、ラジオ「世の光」、テレビ「ライフ・ライン」を支援する全国の放送伝道協力会・支える会の関係者が集まり、3日間にわたって放送伝道の歴史を振り返り、現在の課題、これからのビジョンが語られた。【髙橋昌彦

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 初日の開会礼拝では、実行委員長の佐々木真輝氏(岩手世の光協力会)が語った。佐々木氏はまず、自身の父親が放送伝道によって救われ、それによって今の自分にも救いが及んだとし、「自分の教会だけを考えるのでなく、協力して放送伝道に取り組んでいる諸教会に感謝したい」と述べた。そして、ペテロの手紙第一4章7〜11節より説教。ペテロは、イエスが天に上げられ、救いの最終段階に入ったとの認識を持ち、いつイエスが来るかという緊張感の中、「万物の終わりが近づいた」という覚悟を持っていた。「それは今の私たちの時代と同じである。伝道が最優先であり、その使命を確認することがこの会議の目的であり、そこに教会という視点を取り込まなければならない」として、祈り、愛し合い、仕え合うこと、の3点を語った。

 「イエスは救い主であるとともに、宣教の主である。『地の果てまで』と働き手を起こされ、その宣教のわざを教会に委ねられた。単なる支え合いではなく、これからの主の道がどこにあるのか、祈り求めたい」

 「愛し合うとは、互いに相手を認め尊敬すること。ペテロはそれに熱心に取り組めと言っている。当然、宣教協力という交わりにおいても。それぞれの実情があり、意見の違いが表面化するような困難なときにも、愛し合うべき」

 「放送伝道という『賜物』は既に与えられている。『良い管理者』として仕え合っていきたい。技術が進歩し変化しても、変わらない福音を届け続けるために、与えられているものをこれからの時代にふさわしく用いる方法を求めていきたい」

 礼拝の後、「放送伝道の歴史とことばを振り返って」と題する映像でその歴史をたどった後、PBA草創期の理事長兼ラジオ牧師を務めた故羽鳥明氏の長男栄氏、村上宣道氏(PBA名誉会長)が挨拶した。

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 栄氏は、幼少の頃PBAの事務所に出入りし、その作業などを手伝った思い出を振り返り、「スタッフはみな、どうやって福音を届けようかと、ワクワクしながら働き、躍動していた。このメディアでなければ届かない人がいる、を担うのがPBA。この会議を通して、父の思いを受け継いでいただきたい」と述べた。

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 村上氏は、羽鳥氏の「福音を恥としない」というメッセージを聞き返して欲しいとして、「羽鳥先生に与えられたビジョン、パッションを継承するのがPBAの在りよう。教会とともにという先生の仕える姿勢によって、教会は協力会に参加してくれた。放送伝道の命はそのメッセージ。話術ではなく、福音の真髄が語られなければならない。この会議を通して、伝えるべきメッセージは何かを確認して欲しい」と語った。