「『教会と政治』フォーラム」の第9回例会が9月28日、東京・新宿区高田馬場のビサイドチャーチ東京で開催。柴田智悦(ちえつ)氏(同盟基督・横浜上野町教会牧師)が「天皇の生前退位を考える」をテーマに発題した。
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 即位の礼とは、天皇が地位を継承したことを内外に示す一連の儀式のこと。「即位礼・大嘗祭(だいじょうさい)後賢所御神楽の儀」で終わる宮中祭祀を中心とした30以上の儀式が1年かけて続く。1990年に行われた一連の儀式は123億円に上り、その費用は国費で賄われた。「今回は簡素化すると言われているが、それでもそれに見合う費用がかかるだろう」と言う。「天皇が高御座に立って即位を宣言するということは『天照大神が皇孫瓊瓊杵命(ににぎのみこと)を天つ高御座につけ、神器を授け、我が国を統治する』という神話に由来するので、天皇が世界に君臨する『天子』であることを意味し、神話に基づいた宗教性を持つ」
 「大嘗祭は、天皇が即位後、初めて行う新嘗祭(にいなめさい)で、新天皇は大嘗宮にしかれた上座で衾(ふすま)にくるまり天照大神を迎え、天皇霊を身に受けることによって神になる。現人神(あらひとがみ)を生み出す宮中祭祀の中心的な宗教儀礼で、明らかに政教分離違反だ」(10月21日号で詳細)