日本キリスト教連合会は9月7日、定例講演会を東京・新宿区西早稲田の日本キリスト教会館で開催。戒能信生氏(日基教団・千代田教会牧師、日本クリスチャンアカデミー関東活動センター委員長)が「平成天皇の生前退位と大嘗祭」と題して講演した。
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 戒能氏は1990年の昭和天皇から平成天皇への代替わりの際、日本キリスト教協議会(NCC)の下に設置されたNCC大嘗祭問題署名運動センターの主な企画、編集を任された経験を持つ。
 1990年大嘗祭署名運動についてはこう評価する。「NCC加盟の各教派・団体のみならず、カトリックや福音派の諸教会も含め、ほとんどの教会を結集した運動で、神道儀式である大嘗祭の国費使用、政教分離原則違反など憲法に抵触する可能性、天皇の政治利用に対する批判と懸念を内容とする署名運動を展開し、大嘗祭への批判と憂慮を公にした。その結果、19万に及ぶ署名が集められた。様々な印刷物が発行され、8月には大嘗祭反対の集会が全国各地で実施された。アジア各地から神学者を招いて国際的シンポジウムが開かれ、天皇制といかに対峙(たいじ)するかについての神学的議論が積み重ねられた。実際に大嘗祭が行われる時期に合わせ、抗議として100時間断食が呼びかけられ、のべ千800人が参加した」(10月21日号で詳細)