横田早紀江さんを囲む拡大祈祷会 赤いかばんの連帯
北朝鮮による拉致被害者の救出活動を祈りで支えるため、2000年からほぼ毎月続く「横田早紀江さんを囲む祈り会」。年に一、二度は「横田早紀江さんを囲む拡大祈祷会」も行われ、その第25回が11月7日、お茶の水クリスチャン・センター(東京・千代田区)で行われた。
横田早紀江さん
娘のめぐみさんを拉致された早紀江さんは、詩篇37篇23~26節を引用し、今日まで守られたことの感謝を述べた。祈り会に支えられた年月の中で、大きく世界の変化をまともに見ることができるようになったという。「北朝鮮にも幸せになってもらわなければならない。金正恩は一人で威張っていますが、どんなに寂しい孤独な思いでいるのかな、とよく思う。誰がそれを伝えるのかわかりませんが、相手の心を思いながら話し合いができたらいいな、と思っております」
今回で二回目の発行となる祈りの小冊子『横田めぐみさんの自由と救いのための31日間の祈り』では、早紀江さんの描いた絵画を挿絵に使用。表紙の『めぐみ!! 何処へ』をはじめ実物が会場でも展示された。
祈りの課題の冊子
捜索願いにも使われた写真でめぐみさんが持つ、以前早紀江さんと一緒に購入した赤いスポーツバッグは、めぐみさんとともに北朝鮮へ。その後、招待所で一時ともに暮らした曽我ひとみさん(後に帰日)に、結婚祝いとして贈られた。
インタビュアーの福澤牧人氏(東京オンヌリキリスト教会牧師)は自身の赤いかばんを見せながら、会場に呼びかけた。「めぐみさんが拉致された11月15日を、拉致問題について考える『赤いかばんの日』としてはどうでしょう。首相から子どもまで皆が赤いかばんを持ったら、世界中でニュースになる。めぐみさんも必ず見る。日本はめぐみさんを覚えている、というサインを送りたい。私たちができることは、早紀江さんとともに信じて祈ること」。呼びかけに応じて、会場からも次々と赤いかばんが掲げられ、祈りを一つにする連帯が目に見える形で表された。
赤いかばんを持つめぐみさんの写真とともに、早紀江さん(左)と福澤さん(右)
赤いかばんを次々に掲げる参加者ら
訪朝し人道支援を続けていたが拘束、のち解放された韓国人牧師で、『だれを私は恐れよう 北朝鮮の刑務所で過ごした949日』(いのちのことば社)著者のヒョンス・リムさんがビデオメッセージを寄せた。「早紀江姉妹の心の痛みを誰がわかってくれるでしょう。私はただ祈るばかり、神様にお委ねするしかない思いです。神様は今でもその御手でめぐみさんを守ってくださっていると信じています。天にある希望をもって祈るなら、神様は祈りを聞いて、驚くことをしてくださると信じます」
(2024年12月01日号 01面掲載記事)