7月19日号紙面:【連載】次世代にこの面白さ伝えたい 本屋の存在意義11 ▽北海道キリスト教書店 ▽平福音センター
次世代にこの面白さ伝えたい 本屋の存在意義11 ▽北海道キリスト教書店 ▽平福音センター
前回に引き続き、キリスト教書店を紹介していく。共通の課題は繰り返されるが、各書店の文脈で順次見ていこう。
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「少年よ、大志を抱け」と語ったクラーク博士の銅像がある北海道大学。そのキャンパスのすぐ南に北海道クリスチャンセンターがある。その中にあるのが北海道キリスト教書店だ。店長の亀岡徹さんは「休業要請で2月から大学、高校がストップ。通常だと聖書、賛美歌、教科書などの販売で年間売り上げがもっとも高い4~5月時期だが、昨年と比べ半減した」と話す。入居している北海道クリスチャンセンターの関係で4月から5月中旬までは店を閉じていたが、定期購読の雑誌などを教会、個人に送る作業は続けていた。だが資金繰りがひっ迫し、給付金を申請した。6月から学校関係が再開し、急きょ販売をするなど慌ただしい状況となった。
近年のキリスト教書店の課題については、「神学書が売れない時代。、、、、、、、
北海道キリスト教書店亀岡さんおすすめの書籍
『平和憲法とともに 深瀬忠一の人と学問』(新教出版社)は、北海道を拠点に活動した憲法学者深瀬忠一氏の思想、学問、信仰を、ゆかりの人物たちが語る。『札幌キリスト教史 宣教の共なる歩み』(一麦出版社)は北海道史に業績がある鈴江英一氏の著、同じく北海道を拠点に活躍するパスカル・ズィヴィー氏の 『「信仰」という名の虐待からの解放 霊的・精神的なパワーハラスメントにどう対応するか』(ウィリアム・ウッド氏と共著、いのちのことば社)も挙げた。
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福島県いわき市の市役所近くにある平福音センターは、以前はより駅側にあったが、東日本大震災後、改装した単立平キリスト福音教会会堂に併設して営業している。道路に面した店舗は外に開かれている。店長の松田敏美さんは21年前に亡くなった妻と二人で書店を続け、50年以上となる。
コロナ禍で来店者は減ったが、店は開き続けた。「この状況だからこそ、場所がなくて、ここに訪れる人がいる。犬の散歩だと言って、今も来ています」
経営の軸は、幼稚園関係の顧客だが、「少子化や不景気などで、幼稚園を止めざるを得ないところが出始めているようです」、、、、、、、
平福音センター 松田さんおすすめの書籍
戦後日本を代表する神学者、北森嘉蔵が書いた『神の痛みの神学』(教文館)は、先生方にはぜひゆっくり読んでほしいと願う。「野田秀先生の本はいつも言葉がとても丁寧。日本語がきちっとしていると思います」。近刊は『キリスト教信仰を知るための22章』『牧師という生き方』(各いのちのことば社)