8月16日号紙面:【連載】本で霊性養い教会を元気に 本屋の存在意義15 ▽オアシス新宿西口店 ▽ゴスペルボックス

世界で最も利用者数が多い新宿駅。7月には新たな東西通路が開通された。コロナ禍で注意が払われてきた地域だが、人々の往来は絶えない。
北側大ガードそばのオアシス新宿西口店は、緊急事態宣言下でも短縮営業を続けた。「初期は、ほとんど来店者がなかったが、だんだんと来店する人が増えてきた。宣言解除後は、土曜日など、かなり回復している」と店長の三上陽子さんは言う。
だが100人、200人と都内の感染者数が増加すると来店者も伸び悩んだ。イクソスやオリーブなどの刺繍(ししゅう)が入ったマスクが売れているという。また月刊「百万人の福音」のコロナ特集が「クリスマス時期並みに」売れていたり、コロナ関連緊急出版に動きがある。来店者の多くが手に取っているようだ。
キリスト教書店の課題は、「圧倒的にパイが少ない。その中で競争になったり、、、、、、、、、

2020年8月16日号掲載記事

オアシス新宿西口店
三上さんおすすめの書籍

 

『生きること考えること』(森有正著、講談社)からは、「愛は出会ったら分かるもの。それが分かるのが人間」という内容に教えられた。

「ナルニア国シリーズ」(C・S・ルイス著、岩波書店)はまだクリスチャンではなかった中学生のころに、大好きでよく読んでいた。今読み直すと、神様はこうやって自分を準備してくださったのだと思う。理屈っぽい人にもナルニアはお勧め。子どもに対しても自信をもって紹介できる。


『沈黙』(遠藤周作著、新潮社)からは、神様を軽く見てはいけないのだと、逃げ出したい気持ちになった。その衝撃が自分の原点にある。

 

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書店が遠くて行かれないならば、こちらから出向けばいい。そのようにして10年前に始まった移動販売書店「福音車21 ゴスペルボックス」だが、コロナ禍で4~6月はほぼ休業。通常は年間300日以上稼働している。
萩生田充さんは「北海道から南西諸島までキリスト教書店のない地域を回る。田舎に行くほど喜ばれる。通販があっても、やはり中身をパラパラ見ることにはかなわない。、、、、、、

2020年8月16日号掲載記事

ゴスペルボックス
中村さん、萩生田さんおすすめの書籍

 『謙遜』(アンドリュー・マーレ―著、いのちのことば社)からは、日本人的な謙遜ではなく、イエスのようになる謙遜を学んだ。「しなきゃ」の謙遜でなく「でありたい」の謙遜になります。

『神の小屋』(ウィリアム・ポール・ヤング著、いのちのことば社)は娘が誘拐されて殺される衝撃的な話。どんな苦しい目にあって娘が死んだろうと思うが、死の時も神様が共にいて、天国ですべて過ぎ去る平安があることが分かる。親として救われた気持ちになる(中村)。

『聖地の物語 目で見る聖書の歴史』(ピーター・ウォーカー著、いのちのことば社)では、コロナ禍だからこそ、イスラエルに思いをはせられる。中東の写真集は一般でもあるが、クリスチャンの写真家が撮った視点でつくられ解説文がある。

地方に行くほど、地域の因習が課題になる。お坊さんからクリスチャンになった話はいくつかあるが、『天国と極楽―キリスト教と仏教の死生観』(岡山英雄著、いのちのことば社)は、具体的にキリスト教の天国と仏教の極楽は何が同じで、何が違うか詳しくまとめている(萩生田)。