爆発直後の様子(写真提供=WVJ)

レバノンの首都ベイルートで8月4日に起きた大規模爆発。国際NGOワールド・ビジョン(WV)が8月7日に出したリリースによると、この爆発で130人以上が死亡し、5千人が負傷、推定30万人が一瞬にして家を失ったという。ベイルート最古のキリスト教の会堂や、爆心地にあった福音派の教会も被害に遭った。この大規模爆発に対し、WVは緊急支援募金の受付を開始。家を失った子どもたちや人々が食料や避難所などへ確実にアクセスできるよう、現在、12万人を対象とする緊急支援の準備を進めている。

WVレバノンのコミュニケーションマネージャー、ジョセフィン・ハダッド氏は「新型コロナウイルス感染者の急増、自国の経済危機、難民の大量受け入れという最悪のタイミングでこの災害は起きた」と指摘。「爆発はベイルートだけでなく、国全体を揺るがした。WVは1975年以来、地元住民と多くのシリア難民の双方に支援を届けてきたが、被災地に住む家族や子どもたちが心配だ」と話す。
事務局長のハンス・ベダースキー氏は「爆発が起きる前、私たちは難民支援のために食料パッケージを提供していた。だが、それに含まれる生鮮食品のほとんどは輸入品であり、大部分は港を経由してきていた。爆発は、最も弱い立場にある人々に食料を届ける私たちの活動と能力に深刻な影響を与える。国内の在庫が底をつくと、新規の入荷が非常に難しくなるのではないか」と懸念する。

現地で救援物資を配布(写真提供=WVJ)

現場の被害状況と支援ニーズを調査したWV支援事業ディレクターのラミ・シャンマ氏は「破壊の状況は、まるで以前の紛争や武力衝突の状況そのもの。この爆発による影響の実態を推し量るのは非常に困難だ。人々は、がれきに覆われた変わり果てた日常風景に、一様に大きなショックを受けている」とし、「支援には、500万米ドル(約5億2千700万円)の資金が必要だ。コミュニティの再建と人々の回復を支援するためには、国際社会と支援者の方々の協力が不可欠。レバノンはもう十分に苦しんでいる。彼らは強い人々だが、この悲劇を生き抜くためには世界の支援が必要だ」と訴えた。
ワールド・ビジョン・ジャパン(WVJ)は「レバノン爆発緊急支援僕金」への協力を願っている。募金申し込みはURL https://www.worldvision.jp/news/press/20200807.htmlから。本件に関する問い合わせはTel03・5334・5351、Eメールdservice@worldvision.or.jp