ミッションの実現こそ教会の成果 島田恒氏「教会マネジメント」語る

「イエス・キリストは、究極の“マネジメント”を実践されていた」との呼びかけで、関西学院大学神学部客員講師で経営学博士の島田恒氏を迎えて「教会マネジメントの理解と実践─明日をつくる知恵」をテーマにした講演会が、9月5日と19日に神戸市中央区の神戸バイブル・ハウスで開かれた。神戸バイブル・ハウスイベント委員会主催。今春出版された島田氏と西南学院大学神学部教授で牧会学博士の濱野道雄氏の共著『教会のマネジメント~明日をつくる知恵』(キリスト新聞社)をテキストに、教会成長や次世代育成を見据え、マネジメントの視点から考察した。
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5日は「教会マネジメントって何だ」をテーマに講演。マネジメントとは「経営管理」という意味で、利潤を追求する企業専用ではなく、行政や非営利組織、教会も含めた組織全般の、目的を達成させるための知恵と言える。マネジメントによる企業の成果は業績の拡大であり、教会の成果はミッションの実現。ミッション、すなわち「宣教」の内容は、「礼拝」を核として「伝道」「奉仕」「共同体形成」の三要素で成り立ち、これらをマネジメントすることによってミッションが実現していく。

島田恒氏

19日は「教会マネジメントの実践」をテーマに講演。教会の伝道、奉仕の推進を考察する前に、今どんな社会に生きているかを認識するために産業の世界史をたどった。
イギリスの産業革命から、やがてアメリカの大量生産の時代へと移行した20世紀初頭。今もアメリカは世界一の経済大国だ。日本は第二次大戦後の焼け野原から高度成長を実現して、1968年にGNP世界第2位になった。会社の中に共同体を形成するという独特の「日本的経営」の成果だったが、バブル崩壊後大企業が持ち込んだアメリカ式の成果主義が、働く人々を追い詰める状況を生み、現在に至っている。2010年には中国がGDP世界第2位に躍進した。現在米中の経済競争が激化。島田氏は、「米中トップ陣は世界のリーダーとして倫理観、世界観を持って牽引してほしい、、、、、

2020年10月25日号掲載記事