COVID-19と教会の社会的責任とは? 礼拝休止は感染防止に寄与? 宣教フォーラム分科会②(上)

日本福音同盟(JEA)宣教委員会主催による「JEA宣教フォーラム2020」が9月29、30日、オンラインで開催。テーマ「コロナ禍で、宣教について考える」に関連し、主題講演(10月18、25日号既出)と共に分科会でも議論が展開された。分科会「COVID-19と教会の社会的責任」では、元公衆衛生医の吉田浩二氏(JECA・厚別福音キリスト教会牧師)が発題した。
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最初に「ある人々のように、いっしょに集まることをやめたりしないで、かえって励まし合い、かの日が近づいているのを見て、ますますそうしようではなりませんか」(へブル10・25)の御言葉が示されたと吉田氏は語る。「今年2月下旬、全国に先駆け北海道で感染拡大が起こった。そのことが起こった最初の週の礼拝に集まった人は、いつもの半分ぐらいだった。その日の午後役員会を行い、どうしたらいか思案する中でこの御言葉が示され、たといどんなことが起こっても礼拝を続けようと腹をくくった」
日本福音キリスト教会連合(JECA)が所属教会に4月5日、19日に行った「感染拡大と教会の対応」のアンケート結果も示した。「安倍首相の緊急事態宣言直前の5日は会堂使用率は71・4%だったが、宣言後の19日は46・5%に減少した。多くの教会が教会堂に一時的に集まることをやめ、オンライン礼拝に切り替えるなど、様々な対応に迫られている。一方、114教会中53教会は会堂での礼拝を継続していた。この事実にしっかり目を向ける必要があるのではないか」
「会堂に集まらないことが、社会の感染防止に寄与していたのか」について、データをもとにミクロとマクロの視点から考察。ミクロの視点は以下の通り。「全国的に感染者が広がっていった4月19~22日の新規発見感染者数は1日平均22人。市中にいると予想される感染者を新規感染者の50倍と考えると千100人。それに北海道の人口528万人を分母とし、私どもの教会の出席者数40人をかけると、礼拝出席者の中にいると推測される感染者数(期待値)は0・0083人。この数値を見れば限りなくゼロに近く、礼拝を休止したところで今回の感染防止に寄与するとは考えられない、、、、、、

2020年11月8日号掲載記事