5月9日号紙面:世界の迫害状況 祈りの課題① 北朝鮮・アフガニスタン・ソマリア・リビア
世界の迫害状況 祈りの課題① 北朝鮮・アフガニスタン・ソマリア・リビア
オープン・ドアーズの報告書「ワールド・ウォッチ・リスト2021」により、迫害が特に深刻だとして挙げられた12の国の状況と祈祷課題を抜粋、掲載する。記事内の番号は①迫害の源泉②指導者③総人口④クリスチャン人口⑤主な宗教
§ §
北朝鮮
※迫害国のリストで20年間1位。
①共産主義による弾圧②金正恩③2千584万千人④40万人(総人口比1.5%)⑤無神論
クリスチャンであることが分かると、北朝鮮では死刑判決が出される。すぐに刑が執行されない場合は、政治犯として強制労働収容所に送られる。その収容所は非人道的で、過酷な状況にあり、生きて帰って来る信者はほとんどいない。本人だけでなく、家族全員が同様の罰を受ける。金正恩は、現在推定5万から7万人のキリスト教徒が投獄されている収容所のシステムを拡充したと報告されている。
【祈りの課題】▽神が、隠れて信仰を守っている者たちを引き続き強め、その必要を満たし、安全を守られるように▽投獄されている信者のために▽リスクを冒しても、収容所の中でさえ、信者たちは他の人に福音を宣べ伝えている。北朝鮮の信者たちが、地球の最も暗い場所で光のように輝くように。
アフガニスタン
※過去3年間、リスト上で北朝鮮と同じレベルで迫害が深刻
①家族、同族からの弾圧②大統領アシュラフ・ガニー③3千805万5千人④少数⑤イスラム教
アフガニスタンでは、クリスチャンとして公然と生きることは不可能。キリスト教に改宗し、その信仰が露見した場合、悲惨な結果に直面する。基本的に、改宗者には国を逃れるか、殺される危険にさらされるかの、二つしか道はない。家族が彼らの回心を発見した場合、家族、氏族、または部族は、その信者を追放するか、ある場合には彼らを殺すことによって、その不名誉を回復しければならない。イスラムから離れることは精神病の兆候と考えられているため、改宗者は精神科病院に送られる可能性もある。
【祈りの課題】▽わずかな数しかいないクリスチャンが守られるように。追跡しようとしている者からクリスチャンが守られ、発見されないように▽孤立状態にありながらも、アフガニスタンの信者が信仰を強め、神の言葉に聞き、他の信者とコミュニケーションをとる安全な方法が見つかるように▽神がタリバンやISISなどのイスラム過激派の人たちの心に働きかけてくださるように。
ソマリア
※ソマリアでは、キリスト教徒は、イスラムテロリストグループにとって「価値の高い標的」となっている。
①家族、同族からの弾圧②大統領モハメド・アブドラヒ・モハメド③千610万5千人④数百人⑤イスラム教
ソマリア人にとって、イスラム教はそれ無しにソマリア人ではありえないほどに、重要なものだ。キリスト教への改宗が疑われるだけで致命的である。信者の家族、氏族、またはコミュニティーのメンバーは、彼らに嫌がらせをし、脅迫し、あるいは殺すこともある。女性の改宗者は、レイプや強制結婚のリスクが高い。そして、クリスチャンの男性が殺害されたり拉致されたりした場合、その家族は全員すべての保護を失い、改宗者の家族としてレッテルを貼られる。
【祈りの課題】
▽信仰のために殺害された信者の家族のために。神が慰めを与え、どんな苦しみからも癒されるように▽ソマリアの人々の間で、教会が力強く、イエスに信頼し、神の言葉への飢えと渇きをもって成長するように▽クリスチャンを殺害した人々が真理を知り、救われるように。
リビア
※リビアでは、現地生まれのリビア人クリスチャンは推定150人。クリスチャン人口の大多数は駐在員と移民の労働者。
①イスラムの弾圧②首相ファイズ・サラージ③666万2千人、④3万4千500人(総人口比0・5%)⑤イスラム教
リビアには、言論の自由、宗教の自由はなく、公に教会生活を送る可能性は非常に限られている。イスラムから改宗したクリスチャンは、家族やコミュニティーから信仰を捨てるよう、執拗な圧力に直面する。彼らは、外国人クリスチャン同様、イスラム過激派や犯罪グループによる誘拐や殺害の危険性もある。信仰を公に表明することは違法であり、暴力と逮捕の危険をともなう。
【祈りの課題】▽抑圧されているクリスチャン、特に信仰のゆえに収監されているクリスチャンが、守られ解放されるように▽平和と安定のために。何年にもわたる無政府状態と権力闘争は多くの命を奪い、人々の希望を蝕(むしば)んできた。クリスチャンや他のマイノリティーは、このような無法状況で非常に脆弱になっている▽バプテスマを受けた新しい改宗者のために。彼らがイエスを見い出したことをともに喜び、彼らがクリスチャンのグループをも見つけられるように(つづく)