2月には福島県沖で震度6強の地震が発生し、10年前を想起し、廃炉作業中の原発の存在を再認識させた。
コロナ感染拡大直後で中止が相次いだ昨年と違い、今年の東日本大震災記念集会は、各地でオンラインを駆使して準備された。福島県キリスト教連絡会の記念集会は多様な県内外の関係者がオンラインで再結集した。宮城三陸3・11東日本大震災追悼記念会は、各地を中継し配信した。東北ヘルプもオンラインで回顧と展望を語り合った。3・11いわて教会ネットワークは国内外をつなぎ宣教報告した。東京で毎月11日に開く「一致祈祷会」も継続する。日本福音同盟は「宣教フォーラム福島」を開催し、課題の多い「フクシマ」の現状と宣教の課題を共有した(11面参照)。

本紙では3月に震災10年を特集し、超教派の支援団体の初動をまとめ、代表者たちに10年を回顧してもらった。一方連載「私の3・11」では個人の体験に焦点をあてた(12。13面参照)。今後は記憶の世代間継承が課題になる。

石巻市などが主催する総合芸術祭では、崩壊の中で生じた「利他」的行動をアートの想像力で再生する試みがあった。教会はキリストの犠牲を覚える礼拝を土台に、地域課題に向き合い、復興以上の「新しい創造」に参与することができるだろう。そのようなヒントを震災支援活動はもたらした。

クリスチャン新聞web版掲載記事)