危険避け、隣国経由して国内の町に ウクライナ宣教師船越氏現地報告
ウクライナの船越真人宣教師から現地の情報が4月15日、16日に編集部あて寄せられた。一部抜粋、編集して掲載する。
4月15日着
現在はウクライナ西端にある町(ベリカ・ビーガン)に教会員たちとともに来て、避難生活を送っています。私と家内は、このベリカ・ビーガンで兄姉との共同生活をしながら、ここから、車でルーマニア、モルドヴァを経由して月に何度かオデッサに行き(現時点ではウクライナ内には通るのが危険な場所があるので、ウクライナの外を回ってオデッサに行くようにしています)、オデッサに残っている信者たちと礼拝し、互いの励ましを行ったり、国外に避難している信者たちを避難先に訪ねて励ましをする働きをしたりしています。同時に、私たちの教会と協力関係にあるウクライナの教会とのパートナーシップの中で、激戦地から避難民を避難させる彼らの働きの手伝いをさせていただいたり、ロシア軍が撤退はしたが生活環境が破壊されて、生活物資が不足している地域に物資を運ぶチームを背後から援助したりする働きをしています。そのようなわけで、今は非常に車での移動が多い状態です。
今日と明日はベリカ・ビーガンにおります。土曜日は移動してルーマニアに行きます。日曜日はルーマニアの教会で奉仕させていただく予定です。月曜日の朝、ルーマニアを出発してウクライナのリヴネ(そこに上記の協力関係にある教会があります)に移動します。火曜日と水曜日はそこでの支援計画の打ち合わせをします。木曜日と金曜日はドイツに向かって移動し、土曜日と日曜日はドイツの教会での奉仕の予定になっています。
ロシア軍は現在、ウクライナ東南部、特に東部のドンバス地方を完全に制圧するために、相当熾烈な総攻撃を計画しています。それがドンバス地方の制圧にとどまるのか、オデッサの制圧をも目指すのか、情勢がまったく読めない状況にあります。私たちの今後の働きの形もその情勢によって大きく変わってくることになります。私たちは固唾を飲んでその成り行きを見守りながら、すでに目の前にある必要を理解し、対応し、将来の必要に備えるための準備(復興支援)をしています。ぜひ、ウクライナのために、ドンバス地方のために、オデッサのために、そこにいる兄姉のために、ベリカ・ビーガンにいる兄姉のために、また各地(特にポーランド、スロヴァキア、モルドヴァ)に散らされている兄姉のために、お祈りくだされば感謝です。
4月16日着
私たちは4月9日にオデッサに行き、リーダーたちと今後の働きについて相談しました(4月10日にオデッサの兄姉と礼拝したかったのですが、9日の夜9時から戒厳令が出され、日曜日に教会に集まること自体が不可能となり、私たちも車での移動が一切不可能となるため、私たちは9日の日中、戒厳令が始まる前にオデッサを出発して、モルドヴァに出ました)。月曜日は、モルドヴァのキシニェフで活動しているPWJという日本からの医療支援のNPO団体の協力をさせていただきました(ここに来ている避難民はほとんどがオデッサからの避難民です)。そして、火曜日と水曜日は車での移動で、水曜日の夜ベリカ・ビーガン(現在は、この村を拠点としています)に到着しました。木曜日と金曜日はベリカ・ビーガンで兄姉と交わり、奉仕しています。ベリカ・ビーガンにいるオデッサ教会の兄姉は、ベリカ・ビーガンの近くにある町ベレガヴァにある教会でそれぞれ奉仕の場が与えられ、主に仕える機会が与えられており、感謝です。家内と私は、土曜日は移動してルーマニアに行き、夕方はそこにある一つの教会の祈り会に出席します。日曜日はルーマニアの教会で奉仕させていただく予定です。
月曜日の朝、ルーマニアを出発してウクライナに戻り、ロヴナ(ウクライナ西部の町)に移動します(火曜日の昼ごろロヴナ到着の予定です)。火曜日と水曜日はロヴナ教会(この教会は以前から私たちと交わりのある教会です)のリーダーたちと、今後の支援計画の打ち合わせをします。このロヴナ教会は、激戦地から避難民を避難させる働きと(現時点ではバスチームがドニツクに行っています)、ロシア軍が撤退したが生活環境が破壊されていて生活物資が不足している地域(現時点ではキエフ周辺の村)へ物資を運ぶ働きを組織的・効果的に行なっており(人道支援と宣教・霊的支援の両面で)私たちは戦争終息までこのチームとの協力関係を強めていきます(すでに協力関係は始まっています)。
ロシア軍は現在、ウクライナ東南部、特に東部のドンバス地方を完全に制圧するために、相当熾(し)烈な攻撃を計画していると報道されています(特に5月9日までに何らかの成果を出した形にするために、手段を選ばない軍事行動が懸念されています)。それがドンバス地方の制圧にとどまるのか、あるいはオデッサの制圧をも目指すのか、情勢がまったく読めない状況にあり、私たちは固唾を飲んでその成り行きを見守りながら、すでに目の前にある必要をできるだけ正確に理解し、できるだけ迅速に対応し、将来の必要に備えるための準備(復興支援)をしていきたいと願っています。ぜひ、ウクライナのために、ドンバス地方のために、オデッサのために、そこにいる兄姉のために、ベリカ・ビーガンにいる兄姉のために、また私たちの教会から各地(特にポーランド、スロヴァキア、モルドヴァ)に散らされている兄姉のために、お祈りください。そして、この状況を通して、宣教が前進するように、魂が救われ、キリストの弟子が成長し、教会が強められますように、ぜひお祈りください。