神戸バイブル・ハウス創立20周年記念式典が神戸栄光教会で開かれた
一般社団法人クリスチャンセンター神戸バイブル・ハウス(KBH)創立20周年記念式典が、4月15日に日本キリスト教団神戸栄光教会で開かれた。記念礼拝はKBH副理事長で日本フリーメソジスト神戸ひよどり台教会牧師の大嶋博道氏の司式で進められ、ヨハネの手紙第一1章1〜4節が示されて、理事で枢機卿・カトリック大阪大司教区大司教前田万葉氏が説教に立った。日本最長の124年もの歴史ある男声合唱団、関西学院グリークラブが黒人霊歌などを捧げて、記念礼拝を彩った。

前田氏は「なぜ『みことば』を伝えるのか」をテーマに登壇した。
「カトリック教会が進めているシノドス(共に歩むの意=世界代表司教会議)は、教皇も司祭も信徒も一つになって歩んで行く姿勢を大切にして行こうという運動です。日本のキリスト者は1%に満たない。キリスト教会全体が共に歩むことを心から願い、キリスト者が一つになって同じキリストを伝えていく。この姿こそ福音宣教であり、人々が日本社会の中でキリストを知ることにつながると思います。この一致を目指して来たのがバイブル・ハウスの活動です。多くの人がKBHの活動に参加されることを願っています」

第二部の感謝と祝賀では、KBH理事長で日本キリスト教団聖峰教会牧師の神田健次氏が挨拶に立った。初めにバイブル・ハウスの歴史に触れ、そのルーツは約120年前に外国人居留地で始まったイギリスの聖公会と長老派の聖書会社の共同聖書事業にあると語った。1907年に神戸バイブル・ハウスが建設され、聖書の印刷事業も開始。西日本の聖書普及に多大な貢献をしたが、開戦の年に日本聖書協会に統合、活動は閉鎖した。

1995年の阪神淡路大震災の中で生まれた教会の協力関係を元に、2001年に超教派による神戸聖書展を開催して好評を博した。これを機に、03年に宣教協力の拠点となる新たなKBHを創設。貴重な歴史的聖書の展示や聖書普及活動を展開するとともに、諸教派のキリスト者が互いに尊重し合いつつ、協力して聖書に関するセミナーや、KBHならではの「聖書リレー朗読会」など、様々な企画を通して福音の証しを担ってきた。

神田氏は「KBHの重要なキーワードは『聖書』と『エキュメニズム』。この二つが大切な指標です。明治時代に長老派と聖公会が協力したように、エキュメニカルな協力関係をベースに聖書を伝えていくことは今日も変わりません。20周年を起点として、次の世代にバトンタッチしていけるように、これからも魅力あるプログラムを通して福音を証しし、共に歩んで行きたいと願っています」と語り、さらなる支援を呼びかけた。

日本聖書協会理事長の石田学氏が祝辞を述べた。第三部では牧師でシンガーソングライターの陣内大蔵氏のコンサートが開かれた。

2023年04月30日号   06面掲載記事)