《チャチャチャーチ》地域のために100人3日分の備蓄 宮崎北聖書キリスト教会
ここ何年か、何十年かは分からないが、遠くない未来に起こると言われている南海トラフ巨大地震。宮崎県では最大津波高さは17メートル、最短津波到達時間は14分と予想されている。そのため地域の防災意識は高い。宮崎市にある宮崎北聖書キリスト教会(日本福音キリスト教会連合)でも、「その時」に備えている。
南海トラフ巨大地震に備えて
年初に大地震が能登半島を襲った。「いつどこで地震が起こるかはわからないことを再認識しました。イエス様の、目を覚ましていなさい、とのことばを思い起こしています」というのは牧師の荒平大輔さん=写真=だ。
宮崎では、2016年の熊本地震を機に超教派で教会防災ネットワークが立ち上がった。防災意識が高まり、教会でも、18年から災害時に向けて備蓄を始めた。
防災愛餐会を年に一度開催
年に一度、防災意識を保つために開催している取り組みも興味深い。コロナで休止中ではあるが防災愛餐会だ。各自で持ち寄ったり、自治会から提供された非常食を食べ比べたり、ユニークなものを買ってみたり。
備蓄は、水や食料、衛生用品、ラップやガムテープなど100人が三日間過ごせることが想定された物資を備えている。
会堂2階の一角に置かれている備蓄品
教会員は車で通う人が多く、災害時に教会に集まることは現実的ではないという。しかし、いざという時、地域の方に提供するため、地域の証しとなるために備えている。また、教会駐車場は地域の緊急避難場所として指定されている。全国でも教会が指定避難場所に指定されているのは珍しい。さらには、この地域には公民館がないため、教会内の駐車場に地域の防災倉庫を置くスペースや、自治会の役員会や回覧配布などの場所も提供している。また、自治会向けの防災セミナーも、九州キリスト災害支援センターのスタッフを招いて教会で行った。
地域に開かれた教会、といえばそうだ。ただ、そこにあれば地域に開かれ、認められた場所となるわけではない。地域の意識に寄り添い、仕える姿勢があったからこそ、今のように地域に用いられるのだろう。
教会の敷地内には地区の防災倉庫(左)も
防災意識の高い地域との取り組み
荒平さんの自宅は歩いて7、8分の、教会とは別の地区にある。荒平さんは、その地区の自治会長と自治会連合会の理事も務め、地域の人々との親交を深めてきた。「地域で行う防災訓練は、毎年時間をかけて計画や準備されており、防災意識が保たれている。地域のために熱心に活動する人たちと関わる中で教えられることが沢山ある一方で、福音の必要性と宣教の可能性を思わされます」
自治体に会堂貸し出しも
地域との関わりはさらに深まってきている。コロナが落ち着いてきた昨年の9月からは、地域包括支援センターの活動に会堂の一部を提供しているという。高齢者の孤立を防ぐための「コミュニティー」「居場所」となって、、、、、、、
(2024年02月18日号 08面掲載記事)