岩村嘉紀 奈良県福音宣教協力会会長、日本メノナイトブレザレン教団大和聖書教会牧師

奈良県には、奈良県福音宣教協力会という超教派の集いがあります。略して奈宣協(なせんきょう)と呼ばれています。奈宣協は、奈良県の方々への福音宣教のための、福音的な教会の教団教派を越えた宣教協力会です。
1981年に、生駒市、奈良市、大和郡山市の三市合同市民クリスマスが開催されたのをきっかけに、翌年の1982年に第1回奈良県民クリスマスが開催されました。それ以降、ほぼ毎年県民クリスマスは継続されています。県民クリスマスを通して信仰に導かれ、地域教会で奉仕しておられる方が多くいます。かく言う私もその一人です。奈宣協は、その他に講演会を開催しています。時代の課題を取り上げ、宣教と修養の機会としています。二か月に一度牧師会を開き、牧師あるいは教会代表がそこに出席し、各委員会の進捗の報告や交流を深めています。奈宣協には、2024年1月現在31の教会が加盟しています。
現在の奈宣協の特徴として、「共に」という関係が深められているように思います。それぞれの教団教派の特色や主張がありますし、皆さん所属教団の奉仕で忙しくしておられますが、それでも教団教派を超えて奈良の宣教のことを共に真剣に考え、協力関係を築いています。任意ではありますが、無牧教会への説教応援や、最近では講壇交換を行う教会もあります。どこかの教会が宣教イベントをする際には、顔出し激励もしばしば。祈祷課題がある場合は、一斉メール配信します。そこにはイベント会議を超えた、「共に主に仕える仲間」という関係があります。昨年の講演会の講師が、「都会ではありえない!」と仰っておられました。
なぜこのような関係が育まれたのでしょう。奈良県は三分の二が吉野山系に覆われており、残り三分の一の奈良盆地に人口が密集しています。そのため教会間の行き来がしやすく、交流を深めやすいと思います。また大阪通勤圏ベッドタウン以外は人口が少なく、そこに寺社仏閣に囲まれた奈良特有の土地柄があり、宣教面において非常に厳しい戦いがあります。そこにある教会は弱さを認めざるを得ません。そのような中で主の恵みにすがりながら、「奈良の地で主の栄光を」という心からの祈り願いによって、賜物を献げ助け合う中で育まれたのではないかと思います。
見直すべき宣教方法という課題もありますが、このような教団教派を超えて、「奈良のために共に主に仕えよう」という宣教協力が、新しい時代の宣教の突破口になると期待しています。

2024年02月04日号   06面掲載記事)