【東海だより】「ながら」の宣教に可能性 仕事も創作も神の働き 愛知 SOMミニストリーズ 吉田伊織さん
使命も仕事も。吉田伊織さん(愛知県、バプ宣教団・知多のぞみキリスト教会会員)は、定職を持ちながら、教会学校を支援するツールなどを作成するSOMミニストリーズ(URL:somministries.jimdofree.com/)を展開する。以前は「創作一本」を追求していたが、今は「ながら」の宣教に可能性を見いだしている。
26歳で信仰をもち、教会学校で月二回の子どもメッセージを担当。「自分は、絵を描いたり、お話をつくることは得意。だがほかの人はそうはいかないのでは」と思い、広く諸教会に役立てようと制作販売を始めた。
最初につくったのはぬり絵。旧新約聖書の物語順になっている。子どもたちが礼拝中に退屈しても、ぬり絵で神様を覚えられるようにと願った。ほかにもクリスマスのスライド、袋とじのトラクト、など子どもたちがワクワクするような教材の創作に励んだ。絵本『あっ』は教会員に好評で、いのちのことば社で出版された。
妻と子どもがおり、デザイン会社で働きながらの創作活動だった。だが制作が進まないことに焦り、妻とも相談の上、仕事をやめて創作一本にしぼった。
「SOM」とは、申命記31章19節のモーセの歌(Song of Moses)から。「地上の生涯はやがて終わる。しかしアイデアはいっぱいある。創作を残すことが使命と思いました」
「福音のために働けば糧も与えられる」。そう信じての活動だったが、現実は厳しく、心理的にも追い込まれた。就職活動をへて、障がいや病気をもつ人を支援する就労継続支援事業所に勤めている。「実は私も発達障がいの当事者。当事者が何を説明してほしいか、理解できた。『天職だね』と様々な人にほめられた」と言う。
「仕事は創作活動の邪魔という悪いイメージがあったが、変えられた、、、、、、(昨年9月24日の東海合同礼拝の証しをもとに追加取材し構成)【高橋良知】
(2024年03月24・31日号 12面掲載記事)