教理史の専門家である著者が、各世紀を物語のように生き生きと語る。『キリスト教会2000年 世紀別に見る教会のイメージ』(丸山忠孝著、いのちのことば社、2千90円税込、四六判)は教会史の中で「弱さが強さであり、貧しさが栄光である」という「逆転の論理」に注目する。初代教会の信仰告白と、それに対する逸脱と改革の歴史が確認される。最後に甚大な戦争が続いた20世紀を振り返り、平和・正義・真理の重要性を語る。

 

『増補改訂版 日本キリスト教宣教史 ザビエル以前から今日まで』(中村敏著、いのちのことば社、4千840円税込、A5判)は2009年初版の改訂版。東日本大震災・原発事故からコロナ禍、ウクライナ、パレスチナの戦争などの時代が追加された。プロテスタントの主要な歴史、大規模な伝道集会、日本伝道会議などを足掛かりにしつつ、キリスト教と国家、特に天皇制とのかかわりを重要な宣教課題とする。第二次世界大戦時を反省し、世の光、地の塩となることを求める。カトリックや正教会の歴史も整理する。

立教大学の創立者ウィリアムズ主教など、日本の聖公会は米国聖公会の支援を受けてきた。米国聖公会は米国独立前からの歴史がある。『アメリカ聖公会の歴史』(ロバート・W・プリチャード著、西原廉太監修、中原康貴訳、教文館、5千720円税込、A5判)はその歴史をひも解く。『ホイットフィールドが導いたリバイバルについて、聖公会内でも賛否が分かれたが、黒人、女性の地位、建築、音楽など様々な変化が起きた。近年はセクシャリティーやジェンダーに揺れ、機構も変革した。コロナ禍での取り組みまで紹介する。

 

カナダを舞台にした『赤毛のアン』の訳者、村岡花子は、カナダ・メソジスト(現カナダ合同教会)の宣教師に囲まれて育った。『カナダ合同教会 日本での百年』(グウェン・R・P・ノルマン著、後藤哲夫訳、教文館、4千950円税込、A5判)は教会形成とともに、東洋英和、静岡英和、山梨英和、関西学院、青山学院などの教育に携わった宣教師らの姿を伝える。著者は戦前から日本に従事した宣教師夫妻。書簡を豊富に引用し、日本語学習、墓などの文化ギャップ、資金難、人材不足など、様々な苦労が明らかになる。

 

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