「再臨教理セミナー」(キリスト再臨同志会主催)が9月16日、東京・世田谷区羽根木の日本宣教会代田教会で開催された。今年7月、『黙示録の希望 終末を生きる』(いのちのことば社)を出版した岡山英雄氏(JECA・松山福音教会牧師)を講師に招き、2回の講演が行われた。
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岡山氏による「再臨教理セミナー」は、8年前、5年前に続き3回目。「最近、再臨、携挙、患難期、天国について急に語られなくなってきた。その原因は何か、それに対しどう語るのか、お話ししたい」。セミナーⅠ「再臨のしるし 現代は終末の時代なのか」(マタイ24章1~31節)の冒頭で語った。

岡山英雄氏

最初に初代教会の終末論を説明。天地創造、十字架・復活、患難期、キリストの再臨・携挙、千年王国、最後の審判、新天新地の流れで、「携挙に関しては患難期の前か後かという違いはあるが、福音派の教会なら、ほぼこの流れで一致している」と語る。
ところが、「再臨後に千年王国はないとする無千年王国説が台頭してきている」とし、その中心にイギリスの新約学者N・T・ライトがいると指摘。「学ぶべきことも多いが、再臨、患難期、携挙、天国について、私たちが今まで信じてきたこととは違う。ライトは、紀元70年のローマ帝国によるエルサレム崩壊で、イエスの再臨、患難期は終わっていると主張する(終末預言70年完全成就説)。未来に患難期はないとし、イエスの再臨、携挙に関する記述も文字通りでなく比喩的に取る。私たちが信じてきた終末論とは大きく異なる」
「もともと無千年王国説は、ローマ帝国が4世紀にキリスト教を公認し国教化して以降、主流だった。だが、19世紀にJ・ダービーが現れ、前千年期・前患難期を説いてから流れが変わった。ライトは『この世はどうでもいい。最後は天に挙げられる』と信じる前千年期説・前患難期説に立つ福音派を批判し、『ここに神の国をつくることが大切だ』と強調する。その発言が米英両国でも広く受け入れられている」
しかし、「本当に聖書はそう語っているのか」と、岡山氏は疑問を投げかける、、、、、

2024年10月20日号 02面掲載記事)