[CSD]2002年4月28日号《ヘッドライン》

[CSD]2002年4月28日号《ヘッドライン》  = 1面 =
★エホバの証人への憎しみが消えて——兄の救出と自らの救いを絵本にした住谷佳代さん
★アフガン復興支援:西部諸州、なお厳しい食糧事情
★アフガン復興支援:タジキスタン国境、避難民が続々改宗
★パレスチナ:ラマラの教会にもイスラエル軍
★<青天幕に射した光>[4]おまえの幸せが家の幸せ
★<落穂抄>青年よ、世界に出でよ

 = 2 面 =
◎日本の右傾化憂慮——日韓基督教共助会が合同修練会
★JEA総主事交代?:福音派のアイデンティティー確立を
★韓国:民間刑務所計画で初の矯導所受託者にキリスト教団体「アガペ」決まる
★<今月の試写室>「トンネル」 評・高梨 大
★<世界の出来事フラッシュ>マダガスカル、ネパール
★<論説>地球温暖化対策——科学至上主義を考え直すとき 記・津村 春英
★あかし文学賞:キャンドルの灯火[4] 作・島田 裕子

 = 3 面 =
★フランスの「反セクト法」——カルトからの人権擁護に必要だが、福音派は伝道活動制限を心配 記・パスカル・ズィヴィー
★統一協会信徒、各地で親と牧師告訴——東京地裁:棄教強要行為差し止め請求を全面棄却
★統一協会信徒、各地で親と牧師告訴——広島高裁:救出活動差し止めを棄却

 = 4 面 ビジネスマン伝道=
★大企業役員から文書伝道へ転身——ツラノ書院社長ソン・ヨンテーさん
◎家族とビジョンを優先——会社を退職し介護福祉事業を準備中の佐藤尚弘さん
★<書籍紹介>『「せよ」と呼ばれて「ハイ」と応える人生』小森 平著(みことばの泉、1429円)
★<書籍紹介>『お金ではなくいのちです』青木 秀雄著(いのちのことば社、1200円)
★<書籍紹介>『満たされた生涯』中島 總一郎著(東宣社、3000円)

 = 5 面 =
★<ひと>ロシア詩集「銀の木」を著した中山 直子さん
◎<北から南から>札幌:若者中心の賛美集会「Growing Up」
★日本での「召し」を信じて来日——ハワイの2人のパスター
★<CDの時間>「the rebirth of KIRK FRANKLIN」カーク・フランクリン
★エストニア:シベリア追放の痛み放送で癒し
★バチカン:後継の教皇はアフリカ出身者か

 = 6 面 生活のページ=
★<あの日のメッセージ>老牧師夫妻の姿から御言葉に生きることを知る 記・久保木 聡
★<投稿>公と私
★<投稿>主の愛は老いの身にもあまねく
★<今週の本棚>『アウグスティヌス時代の日常生活 下』アダルベール・アマン著(リトン社、3700円)
★<今週の本棚>『日本基督教団史資料集 第5巻』日本基督教団宣教研究所(日本基督教団出版局、7000円)
★<今週の本棚>『聖書がわかれば英語がわかる』木下 和好著(ダイヤモンド社、1400円)
★<情報クリップ>催し情報ほか

日本の右傾化憂慮−−日韓基督教共助会が合同修練会=0204280201=

【ソウル=基督公報】日本と韓国の基督教共助会は4月1日から3日、韓国ソウル市の女性伝道会館で「アジアの平和とキリスト者の責任|和解の福音を身に帯びて」を主題に第3回合同修練会を開き、両国キリスト教の関心事について意見を交換した。
 主題講演で日本の共助会関係者は、歴史教科書歪曲、靖国神社参拝など日本の右傾化問題を中心に発表し、韓国の関係者は、9・11テロ以降テロとの戦争によって引き起こされた世界の平和のバランス問題と、その中でのアジアの平和問題を中心に発表し、熱い討論を交わした。
 今回の修練会について韓国側のペ・フンジク委員長(前キョンアン高校校長)は「両国の代表が集い、平和を指向するキリスト教の真理を確認し、健全な批判や討論をすることは意味がある。両国共助会の持続的な交流をしていきたい」と語る。日本側の尾崎風伍委員長(日基教団・久我山教会牧師)も「セミナーを通して、急変している世界情勢の中でのクリスチャンの役割を論議した」といい、「日本の右傾化はますます進んでおり危険な水準だ。過去の軍国主義と同じ雰囲気だ」と記者に語った。
 ◇
 日韓共助会の合同修練会は92年から5年に一度、韓国ソウルで開催してきた。共助会は1919年、(森有禮の三男)森明によって始まった。東京帝大、京都帝大など各地の大学生や高等学校生に宣教し、聖書研究を中心に活動した。滞日中、共助会に参加した韓国からの留学生が、帰国後も共助会の主にある友情を忘れず、それが両国民の厳しい断絶の時代をも乗り越えて92年の韓国共助会設立へとつながった。

家族とビジョンを優先−−会社を退職し介護福祉事業を準備中の佐藤尚弘さん=0204280402=

宮城県仙台市泉区に住み、ビジネスマンへの伝道と交流を目的としたインターナショナルVIPクラブ(VIP)の仙台メンバーでもある佐藤尚弘さん(47)・アッセンブリー・泉福音キリスト教会に出席・は大型小売店のダイエーに勤務していたが、家族を優先し、介護の働きを始めるを示され、ビジョン実現のため昨年の夏に退職した。今は失業保険をもらいながら、介護サービスという福祉の仕事を始めようと準備中だ。
 ダイエー在籍中のころ、佐藤さんは店舗開発部門に所属していた。土地の所有者との売買や貸借の交渉、行政との調整、設計士との協議、地元商業者との調整など、非常にエネルギーを使う仕事で、「週休2日制を取っていたが土曜出勤も多く、平日も帰宅が夜中の12時を回ることが度々だった。結果、家庭を顧みない職場環境が出来上がっていた」という。
 そんな佐藤さんが99年、東京に単身赴任することになった。「お父さん、VIPをのぞいてみたら」と妻・圭子さんの助言を受け、VIP三田やVIP日比谷などの集会に参加。「仕事、国籍、教会も様々だが、互いの証しを聞き、個人的な課題を祈り合う機会を重ねるたびに、心に平安が与えられた」という。
 特に「VIPの創設者ロバート・ホームズ氏(ユナイテッド航空極東地区総括支配人)との出会いが私の人生観を変えることになった」と佐藤さんは言う。「彼はビジネスマンクリスチャンの優先順位は、1に信仰、2に家族、3に教会、4に国家、5に仕事、最後に自分と語りました。私はどうかというと、1に自分、2に仕事、その次に家族でした」
 「幻がなければ、民はほしいままにふるまう」(箴言29・18)と、ビジョンが与えられるよう祈ることも勧められた。ホームズ氏やVIPのメンバーの生活を見るにつけ、「家族と一緒に住む生活を優先したいとの思いが強くなった」という。
 同じころ、佐藤さんに「介護」というビジョンも与えられた。あるテレビ番組を通じ十分な老人介護サービスを受けられない人がたくさんいることを知った。キングスガーデンの存在を知ったことや妻の祖母が介護が必要だったこともきっかけとなった。
 「同じ信仰を持つ者が共に住み、互いに分かち合い、勇気づけ合い、祈り合える場が欲しい。よし、家族の元に戻ろう。そして多くの同労者と共に施設を作ろう」。そう考えた佐藤さんは昨年8月にダイエーを退職し、妻と息子2人がいる仙台に戻った。
 現在、家族水入らずの佐藤さんは週に2日水曜日と土曜日にデイサービスのボランティアをし、その他の日は老人介護の働きを始めるための場所探しをしているという。「一緒に暮らすことで、初めてクリスチャンの証しになるんです」と佐藤さんは語った。

<北から南から>札幌:若者中心の賛美集会「Growing Up」=0204280502=

10代、20代の若者中心の賛美集会「Growing Up」が、札幌市内の3つの教会を会場に行われている。会場となっているのはバプ連盟・札幌新生キリスト教会、単立・カナンプレイズチャーチ、単立・北斗チャペルキリスト教会。2か月に1度持ち回りで会場にしている。
 キリストに向かって成長していこうと熱く願う若者による集会である「Growing Up」が始められたのは、2年前の4月。牧師や宣教師の子女らで作る集まり「マッシュポテト」のメンバーらが話し合う中で「教会を超えた若者の成長の場を作り上げよう」と盛り上がり、賛美集会をすることになった。
 毎回会場となっている3教会の青年たちを中心に、近隣の教会から30人ほどが集っている。集まるメンバーが賛美リード、祈りのリード、メッセージ、証しなどをしている。スタッフの仁田義人さん(カナンプレイズチャーチ教会員)は「日々成長(グローイングアップ)して、神様にもっと用いられたい」と語る。
 今年3月には集会での賛美を収録した2枚目のCD「HOT SONG」を制作発売した。CDジャケットに「ぼくらは賛美するために生まれたんだ!!!」と書かれ、オリジナルの賛美を元気よく歌う参加者らの声に、若さと力がみなぎっている。
 「Growing Up」顧問牧師の田中信矢さん(バプ連盟・札幌新生キリスト教会副牧師)は「今、若者たちが持っているエネルギーが集結され、熱いものを感じる。今度はこの集会を外に持っていって、ストリートでできればいい」と今後への期待を話す。6月中旬には札幌市内の大通公園で、集会を行う予定だ。
 クリスチャン青年たちが同じ年代のクリスチャンではない友人を教会に誘うために、クリスチャンの魅力を感じることのできる雰囲気を持ち続けていければと願っている。新しいCDアルバム「HOT SONG」は定価千円。
 「Growing Up」、CDの問い合わせは札幌新生キリスト教会TEL.011・774・8150(田中瑠美子)まで。