[CSD]2010年7月4日号《ヘッドライン》

[CSD]2010年7月4日号《ヘッドライン》

 = 1面 ニュース=
★首相交代に「なぜ励まさなかった」——与党クリスチャン議員らが回顧と新政権への祈り要請
★貧しい子どもに助けの手を——韓国コンパッション

 = 2 面 ニュース =
★英国エジンバラで世界宣教会議100年を記念——正教からペンテコステ 多彩な教派が参集——
★聖霊に励まされて前進——日本フォースクエア福音教団が60周年
★限界超え「できる」イエスの力と共に——ジャック・ヘイフォード氏が記念講演
◎エジンバラ東京会議[6]多様な宗教を理解しなければならない——インドの宗教のチャレンジ
★<落ち穂>リヤカーからワゴン車へ「福音車」リニューアル

 = 3 面 教界ニュース =
★<竜馬をめぐる人々>[12]西郷隆盛の章(1) 内村が鑑三が代表的日本人と絶賛 記・守部喜雅
★「賛美の奥深さ知った」——青年が企画したワーシップセミナー 盛況
★<逝去>モイシェ・ローゼン氏(「ユダヤ人をイエスへ」創設者、78歳)
★<オピニオン>ボーダーを超えるネットワーク 記・根田 祥一

 = 4 面 ビジネスパーソン=
★藤岡 太一郎さん[下]([株]東京クリアセンター顧問)——物の大切さ
★<働く人の境界線>[8]自分が負う重荷、互いに負い合う重荷 記・中村佐知

 = 5 面 牧会/神学/社会=
★日本人キリスト者の見た「日韓併合」[1]「愛隣の大義」を論じた海老名弾正 記・山口 陽一
★米国:米改革派教会が「ベルハル告白」採択——南アで形成された正義、和解
★故チォエ・チャンホァ牧師の足跡たどる企画展——東京港区の在日韓人歴史資料館で開催中
★<精神障害と教会>[76]こころの故郷(1) 生活音がこわい 記・向谷地 生良

 = 6・7 面 韓国特集=
◎子どもたちの飢えと貧困の苦しみから守る働き——国際養育機関・韓国コンパッション徐延人代表に聞く
★幸福も成功も苦難を通して——シロアム眼科病院 金善泰院長
★ミッションの実現を支える募金専門家——「非営利団体募金戦略」出版記念セミナー

 = 8 面 全面広告=
☆福音の電波よ ふるさとに届け!——(財)太平洋放送協会(PBA)
ホームページ http://pba-net.com/

 = 9 面 情報=
★<情報クリップ>催し情報・放送伝道ハイライトほか
★CD:「イエス・神・愛」ダビデの天幕(ダビデの天幕、1,000円税込)
★BOOK:『わが子をいちまでも愛する祈り』ストーミー・オマーティアン著(CS成長センター、1,260円税込)
★BOOK:『ワーシップ』ジャック・ヘイフォード著(ゴスペル・ライト出版、1,260円税込)
★REVIEW:『ジョン・H・ヨーダーの神学』東京ミッション研究所ヨーダー研究会編(新教出版社、1,995円税込)評・河野勇一

 = 10 面 関西だより =
★関西からホットな愛を——God Beess Youfor ハイチin関西
★「祈りと交わり」共にして成果——阪神宣教祈祷会40周年
★夢と希望と笑いを発信——「OCC寄せ」大入り満員
★聖句書道作品集『新一日一書』(聖句書道センター、2,800円税込)
★イベント情報

 = 11 面 クリスチャンライフ =
★「神様は沈めないさ」…——気候変動のいまをルポ 映画「Beautifl Islands」
◎美しい島の暮らしを伝えたい——ツバルの留学生と映画を企画・監督した海南友子さんを囲んで
★映画「おみすてになるのですか」——民間人の戦災障害者救済求める94歳の記録

 = 12 面 ひと=
★西村あきこさん(ゴスペルシンガー)——全力投球のゴスペル人生、新章へ




◎エジンバラ東京会議[6]多様な宗教を理解しなければならない−−インドの宗教のチャレンジ=10070

 インドには千300の言語、3千以上の宗教があり、330の宗派があります。代表的な宗教はヒンズー教、仏教、ジャイナ教、シーク教。これらの宗教はみなインドから発祥しています。インド人は非常に宗教心に富んでいるのです。また、宗教は多くの困難に対応しています。一つはメディア、もう一つは宗教的プロパガンダで、政治に宗教的なものを取り入れる動きです。私たちは、このようなインドの12億人に対して仕事をしなければなりません。
 インドにおける宣教の問題点は、未開地における理解が不十分だということです。それぞれの宗教について理解しなければなりません。またある人たちは物質的で、物を持つと満足します。これらを理解していないことが問題です。
 インドで宣教に成功している人もいますが、失敗も多い。一人の魂を獲得しても、多くの魂を獲得できません。だから、私たちはよく祈り、リサーチし、いろいろな方法を試しています。
 インドでの宣教モデルとして力強いのは、・1対1伝道、・マーケットプレイス、・文書、印刷物、・スモールグループ、など。インド人は交わりが好きなので、1対1やスモールグループでたくさん救われています。またドラマ、ダンス、多くの文化的な活動を通して導かれたり、インターネットを通して福音に触れています。
 インドは今、クリスチャン人口4%ですが、インドも変わってきていること、またリバイバルが起こっていることを強調したい。どうか皆さん、インドに来て、私たちを助けてください。
(インド宣教協会総主事)

◎子どもたちの飢えと貧困の苦しみから守る働き−−国際養育機関・韓国コンパッション徐延人代表に聞く=1

 「コンパッション」は、貧困のため将来の夢さえ見られない子どもたちを助ける民間援助団体で、現在、世界26か国5千100地域で働きを進めている。始まりは1952年、韓国を訪問していたアメリカ人のエバーレット・スワンソン宣教師が、ゴミ処理作業現場で多くの子どもたちの死体を発見したことに端を発する。「死んでいく幼い子どもたちのため何ができるか?」との主からの呼びかけを聞き、アメリカ中の教会やクリスチャンに韓国の子どもたちの過酷な実情を訴えて回った。以後40年間、約10万人の韓国の子どもたちが飢えと貧困の恐怖から守られ、社会人として成長していった。03年11月、韓国ソウル市内に韓国コンパッション本部設立。被援助国だった韓国が、コンパッションとして10番目の支援国として生まれ変わった瞬間だった。この働きについて、徐廷仁代表に話を聞いた。

―働きについて教えてください。
 コンパッションは、全人的養育事業を目的とする子どもたちのための国際養育機関です。真の貧困とは、食べ物や着る物がないことより、子どもたちが持つ本来的価値である「将来への可能性の広がり」の機会が剥奪されていることです。私たちは、長期的な養育によって子どもの人生を変化させることに焦点を合わせます。後援者は、子どもたちと一対一の里親関係を結んで第2の両親となります。援助を通して、家族や地域社会を変化させるリーダーとして成長することを目的としています。
 第2は、現地教会とパートナーシップを結んで活動します。私たちの働きは、すべて地域教会を通して行います。イエス・キリストの愛とみことばで養われてこそ、子どもたちは霊的、経済的、社会的貧困から自由になります。学校がない地域では、教会の施設を使って教育を行います。この働きを通して多くの教会が建てられ、影響力のあるクリスチャン・リーダーが育っています。
―徐代表がこの働きに関わるきっかけは?
 私は、幼い頃、移民として米国で育ちました。移民した多くの人たちと同じく、私も清掃員や衣料店員、塗装業など手当たり次第働き、17歳でレストランの支配人になりました。大学では経営学を学び、卒業後は事業も手がけました。
 ところが、魂の問題について私の中での負担が大きくなっていきました。結局、神学校で学ぶことになり、キリスト教教育学を専攻して神学者の道に進みました。韓国の神学大学の教授として6年働いた後、米国の神学校で教授として働く準備を進めていたとき、妻が思いがけない言葉を投げかけました。「とても安定した人生だけ求めているのではないか・・・」
 妻と今後について祈り始めてすぐに、コンパッションから連絡がありました。それまでこの働きのことは知りませんでしたが、説明を聞いて「これは神からの召しだ」と直感しました。幼い頃の外国での苦しかった経験、大学で経営学を学び事業を手がけたことも、すべてこのための準備だったのだと確信することができました。
―貧しい子どもたちに仕えるための大切な心がけは何ですか?
 貧困と正反対のものは何か知り、それを子どもたちに与えなければなりません。貧困と正反対のものとは、満ち足りること。私たちが享受している多くのものは、夢を失った小さな子どもたちと共に分かち合うため与えられたものです。私たちは、隣人のための「愛の伝達者」としての役割を忘れたまま生きているのかもしれません。分け与えるとは、自分の所有物を手放すより、私に任された誰かのための持ち分を伝達することです。
―この働きで最も印象に残っていることは?
 ネルディという少年は、学校から帰る途中で交通事故に遭い、片脚を失いました。同じ年頃の男の子たちとサッカーしたり走ったりはもうできないと絶望しました。しかしある日、セジンという韓国の青年がネルディの後援者となりました。セジンは生まれつき両足と片手の指がありませんが、障害者オリンピックの韓国国家代表水泳選手です。はじめ、後援する相手を探すとき、本人と同じように身体に障害のある子どもを希望し、ネルディと出会いました。
 セジンは、ネルディの心を誰よりよく理解できました。彼は、自分の義足をネルディに譲る決心をしました。小学校6年生で、日々身体が大きくなるので、成長に合わせて義足を変えなければなず、使用できなくなった義足を譲ることにしたのです。先日、ネルディはセジンからもらった義足を着用するため骨を削る手術を受けました。セジンも、新しい義足を着用するため同じような手術を受けました。2人は同じ痛みを体験しながら、より一層強い絆を感じています。互いの存在に勇気を得ています。ネルディは、将来水泳選手になりたいと願うようになりました。2人の愛の絆が切れてしまわないよう最後まで見守ることがコンパッションの心です。
―徐代表のビジョンをお聞かせください。
 韓国は、コンパッションに限らず、被援助国だった国から援助国になった唯一の国です。世界の目は、援助を必要としている国の状況を最もよく理解できる国として韓国に注目しています。建国して半世紀という短期間で国際援助国にまで変身した韓国が、助けを必要とする国々に手を差し伸べる時です。コンパッションの恩恵を受けたロールモデルとして、第2の韓国を目指すというビジョンを与えながら、受けた愛をお返しする責任を果たしていきたいと考えています。
―日本でこの働きを応援したい人々はどうしたらいいでしょう。
 現在のところ日本に拠点はありませんが、コンパッションを通して支援したいと願う方々のためのプログラム開発を準備しています。今後、日本をはじめアジア圏を中心に働きを拡大したいと願っています。そのためにぜひ祈っていただきたいです。日本の方々と共にこの働きを進めることができる日が一日も早く来ることを心から期待しています。
―本日はありがとうございました。

◎美しい島の暮らしを伝えたい−−ツバルの留学生と映画を企画・監督した海南友子さんを囲んで=10070

 ツバルからの留学生、タリア・タギロイ・ティロウさんは現在、東京都内の女子校に通う17歳。2年前に試験を受け、国費留学が決まり、日本で勉強をしている。ティロウさんの通う高校で行われた映画上映とシンポジウムが開かれた。ティロウさんは映画を観て「2年帰ってないので懐かしくて、少し涙が出た。映画でもあったが、私も学校で温暖化について勉強したときは悲しいと思った」と感想を語った。
 監督の海南友子さんは、「片道3日かかるツバルへ何度も足を運び、全4か月くらい滞在した。この映画は約3年かけて作ったが、世界3周くらいした。そのたびにツバルの人たちと仲良くなり、人柄の温かさや椰子の実一つも無駄にしない暮らしをするツバルにひかれていった」という。さらに、「ツバルだけでなくベネツィアでも水が上がってきても、慌てずに暮らしていた。水と共存している、日常となっていることの意味を考えてほしい」とも。
 「世界的には、毎日学校に通い、大学まで行ける女性はごくわずかで、日本人は恵まれた環境にいる。世界のためにそれを生かしてほしい」と高校生に語りかけた。

 先進国の経済成長の影で、「犠牲」となっていることをツバルの人たちはどんな風に考えているのか。ティロウさんは、「便利な生活を先進国がやめればいいという問題ではないと思う。こういう問題を知ってほしいと思うけど、人は生きていかなくてはならないから、物を作ったり使ったりする。ツバルの人は、問題の大きさが受け止めきれないで『ノアの箱舟で助けてもらえる』と信じたいのだと思う」と語る。
 海南さんは、「災害も戦争も、その後のことしか見えないのではあまり意味がない。そうなる前にはどれほど美しい景色が広がり、豊かに人が暮らしていたか。その美しい暮らしを伝えたかった。3つの島は『暑い島、寒い島、華やかな島』という切り口で、それぞれ観る人が身近に感じる場所からこの問題を考えてほしい」と語る。

 日本でも毎週、教会に通い、朝晩の祈りは欠かせないというティロウさん。将来はアフリカで医師になりたいという。日本に来てカルチャーショックもいっぱいあったが「もっと世界を見たい」と目を輝かす。「沈む島」ツバルではなく「美しい島」ツバルの少女は、あと1年、日本で高校生活を送る。

映画のレビュー http://jpnews.org/pc/modules/smartsection/item.php?itemid=70