ヘッドライン
[CSD]2004年1月4日《ヘッドライン》
[CSD]2004年1月4日《ヘッドライン》**今週号は1月4・11日合併号(新年特別増大号、450円=送料別)です。
次回の発行は2004年1月18日付(2004年1月12日発売予定)となります。
= 1面 第1部=
★新年メッセージ:まっすぐ歩く 記・井上賢二郎
◎「宗教」には無関心だが人生については真剣——キリスト教主義学校での学生調査
★すべての人の平和を願い——受け継ぐ灯火
★若者にスポットあて新年・断食祈祷聖会
★<召天>福音派の神学者カール・ヘンリー氏死去
★<落穂抄>消えない原体験
= 2 面 =
★米国福音主義神学の動向——神は人間の意思決定を全知か 記・佐々木 望
★アジア教会会議4月に開催——「霊的刷新と成長」主題に
★<論説>時の区切りの意義——神の計画「終わりは新しい始まり」 記・内川 寿造
★<今週の本棚>『老いること、死ぬこと』鍋谷尭爾、森 優共著(いのちのことば社、1,300円) 評・小林和夫
★<今週の本棚>増補改訂版『教会役員・リーダーの役割』岡村又男著(いのちのことば社、1,700円)
★<今週の本棚>『日本の中の世界』原尻英樹著(新幹社、1,500円)
<情報クリップ>催し情報ほか
= 3 面 子どもと教案誌特集=
★教会学校生徒減に危機感——物語中心のカリキュラムに ホーリネス・「聖書の光」
★教育基本法改正テーマに新連載——高齢者プログラムも開始 バプ連盟・「聖書教育」
★全員でデボーション習慣づけ 聖書同盟「ジュニアみことばの光」
★マンガで楽しく信仰の階段上ろう CS成長センター「ステップアップ」
★「自分の声入っててうれしい」——シオン児童合唱団CD「Growin Songs」
= 4 面 全面広告=
☆教団教派 名刺広告
= 5 面=
★伝道ノンフィクションコミック登場「E-COMIX・ノンフィクション」(イーブック出版)刊行——第1弾は『小さないのち——辻岡健象牧師の証しより』
★マンガプロジェクト委員会とは
= 6 面 =
★3つの顔を持つ男——マリンバ奏者・助教授・牧師の山本 毅さん
★狭山事件の40年を追う「石川一雄さんをしってますか」——部落問題に取り組むキリスト者が集会 記・?ノ下 照光
★VIP関西オーナーズ——親子3人で「能」共演
= 7 面 =
★軍医として見た戦争の事実語る——平和遺族会代表・小川武満牧師逝去
★ビリー・キム氏招き国際宣教大会——「十字架だけに救いが」
★プロ、アマの共演に三浦光世氏感動——第1回三浦綾子フェスティバル
★<今月の試写室>「息子のまなざし」少年犯罪にどう向き合うのかを描く 評・高梨 大
= 8 面 チャ・チャ・チャーチ=
★神様の愛の大波を!——秋田/日基教団・大曲教会
★こんな才能あったんだ 教会で楽しい文化祭——埼玉/浦和福音自由教会
★<もりべぇのへぇ~>「勝海舟とクラーク」の話 記・守部 喜雅
★<今月の買いどき>画集『藤代清治影絵聖書集』(いのちのことば社、1,500円)
★<いいもんみっけ>33の倍数探しボーリング
= 9面 第2部=
★新春対談:露の五郎 Vs 豊竹英大夫——ゴスペル・イン・文楽 夢の競演に向けて
= 10 面 =
◎バリアフリーの伝道者レーナ・マリア日本コンサートツアーの11年 ★タイの障がい児支援に「レーナ・マリア基金」設立
= 11 面 クリスチャンカフェをゆく=
★「イエスの食卓」再現——バザールカフェ
★「ヅカファン」ご用達——カフェ「遠路」
= 12・13 面 神学校特集=
★シンプル、剛健な校舎——スポーツ設備も充実 神戸改革派神学校
◎関西で本格宣教師訓練コース開設——5月、西宮で始動 関西聖書学院
★IT環境は日本随一——「定型化」と「さりげない」教育実践 中央聖書神学校
★伝道困難な土地から出発——東北から世界へ働き人を ルーテル同胞聖書神学校
★卒業生9割以上が宣教従事——2002年に65周年を祝った 大阪聖書学院
★神学校予科の働き果たす——愛と奉仕に生きる人材を 日本基督教短期大学キリスト教学科
= 14 面 特集・今、なぜナウエン?=
★「福音の原点に目を向けさせる」——太田和 功一さん
★「彼はものすごく正直な人」——後藤 敏夫さん
★「彼の弱さ、背後に神様見える」——大主 百合子さん
★翻訳本だけでなく原書も——銀座・教文館にナウエンコーナー
★宗教を超え人間の渇きに応える——女子パウロ会
★本11冊出版、新聞でも特集——聖公会出版
★ヘンリ・J・ナウエン
= 15 面 2004年への提言=
★日本に福音を満たすために 記・松田 幾雄
★世界に福音をもたらそう 記・小川 国光
★北朝鮮拉致問題解決への道 記・山崎 敏秋
= 16 面 家族のページ=
★老夫婦を目標にして——石井希尚・久美子さん夫妻
★<ちいろばの心>[5]本当のめでたい日になる一日 記・榎本保郎/榎本 恵
★<カウンセリングカフェ>[9]新婚初めての年末年始 記・丸屋 真也
★<家族診断>[17]体だけでなく心にも予防接種を 記・碓井 真史
「宗教」には無関心だが人生については真剣−−キリスト教主義学校での学生調査0401040102
授業で聞く学問知識としてのキリスト教にはほとんど興味がない。けれども、人生を考えさせてくれたクリスチャン教師から受けた感化は大きい――キリスト教主義学校での調査から大学生世代のそんな実態が、11月に東京で開かれた日本クリスチャンアカデミー関東活動センターのフォーラムで明らかになった。「21世紀/日本のキリスト教の生命と使命」をテーマに関東活動センターが01年から取り組んでいる連続フォーラム。データをもとに検証する方法で日本のキリスト教宣教の課題と戦略などを探ってきた。3年目の今回、「キリスト教大学・宗教教育の現状と課題」をテーマに、國學院大學日本文化研究所教授で国際宗教研究所常務理事の井上順孝さんと、明治学院牧師で宗教センター長の金井創さんが講演した。
金井さんによると、明治学院大学(白金校舎)で02年卒業生2千564人に実施、千733人が回答したアンケート調査(回答率67・6%)で、在学中にキリスト教に対する関心が強くなった人は601人(34・7%)、洗礼を受けた人は4人いた。
変化のきっかけとなったのは、キリスト教関連授業22・2%、チャペルアワー14・4%、先生の影響5・9%、友人の影響3・6%の順。学生の評価を聞くと、人生や、社会の中での自分のあり方を考えさせてくれる教師の授業は人気が高い。
学内で聖書研究会の呼びかけをしても集まる学生は2、3人。だが、フィリピンなどのワークキャンプに参加した学生は、帰国後も十数人が続けて集まり、人生の話や信仰の話をするようになるという。宣伝はしていないが、口コミや友達に連れてこられる学生もいる。現地で「あなたの宗教は」と聞かれて「ない」と答えると、フィリピン人から「なぜ? 人間としてそれで生きていけるのか」と質問攻めにあう。そうした体験が、宗教を信じるとはと考え始めるきっかけになるようだ。
「宗教について問われれば、無関心であったり警戒するのが学生の一般的な反応。しかし、彼らは人生については真剣に考えている。キリスト教を宣伝するために教えたり伝えたりする姿勢でなく、人生の不安や疑問に触れ、一緒に関心を共有しているんだという姿勢を示すときに、彼らは『宗教』という衣をまとったキリスト教ではなく、一人ひとりの生き方の中でキリスト教をどう考えるかに行き着く」。金井さんはそう見る。
『若者と現代宗教』(ちくま新書)などの著書がある井上さんは、キリスト教校を外から見て「自分の人生と、キリスト教の源としてのイエス・キリストが結びついていない。今社会で起こっていること、その中で今キリスト教会がやっていることから始めるべきだと思う」とコメントした。
バリアフリーの伝道者レーナ・マリア日本コンサートツアーの11年0401041001
全国津々浦々に 03年12月、みずみずしい歌声が東京芸術劇場大ホールの隅々に響きわたった。アンコールの大きな拍手に応えて、レーナ・マリアさんは「主の祈り」を静かに、豊かに歌い上げた。関西、北陸、関東を巡るコンサートツアー(毎日新聞社主催)は、この日最終日を迎えた。92年にスタートしたツアーは、12月8日の富山公演で日本全国すべての都道府県でのコンサート開催を達成。11年間、数百回にのぼる公演を振り返り、関係者はじめ、レーナさん自身も、こんなに長く日本での活動が続くとは考えていなかったと語る。
そもそもの始まりは88年、ストックホルム王立音楽大学で学びながら、パラリンピックで水泳選手としても活躍する彼女をスウェーデン国営テレビ局が取材したこと。出生時から両腕がなく、左脚が右脚の半分の長さしかないという重い障がいをもつレーナさんのドキュメンタリー番組が、各国メディアの注目を集めた。91年に日本の「ニュースステーション」で取り上げられ、テレビ朝日の招きで来日、話題になった。 日本への思い 彼女はゴスペルシンガーとして活動を始めたころ、忘れられない経験をしている。将来進むべき道を求め、ハワイの聖書学校で9か月間学んでいたある日、世界の国々のために祈ろうという催しがあった。各国の旗が並ぶ場所で、それぞれが思い思いの旗の下で祈るというものだった。母国スウェーデンのために祈った後、一度招かれてコンサートをした日本の旗の下に立った。ところが祈り始めると、急に涙が込み上げてきて止まらなくなったのだ。
その時のことをレーナさんはこう語る。「日本に対する神さまのお心が、私の深いところではっきりわかったのです。そんな強い感情をこれまで、ほかのどの国に対しても抱いたことはありません。苦しんでいる人々に生きる希望と喜び、いのちをもたらすために、日本で歌いなさい、私を証ししなさいと、主が呼んでおられるのがはっきりわかりました」。その後、思いがけない道が開かれ続け、来日する度に、この日の「神からの呼び声」を思うという。
歌声に涙する僧侶 彼女のコンサートはほとんどの場合、「コンサート実行委員会」が、教会の垣根を越えて地域ぐるみで主催してきたことで、これまで地域に入り込めないでいた日本の教会に、一般社会の人々との接点を作っていった。
特に、98年の長野アートパラリンピックのメインイベントとして、国宝善光寺の本堂で行われたコンサートは、仏教大寺院でキリストの福音が語られる場となった。それも障がいを持って生まれた小柄な1人の女性の口を通して…。もっとも、千年の歴史をもつ善光寺で「キリストには代えられません」「一羽のすずめに」を歌い、いつものようにキリストにある喜びと希望を語ることの意味するものを、スウェーデン生まれの彼女はほとんど意識していなかったのだが…。
このコンサートに、懸念や反対を表明するクリスチャンがいなかったわけではない。しかし「福音を語るなと言われるのなら、行きませんが、福音を語れるところなら、どこにでも行って歌います」とレーナさんは答えた。
コンサートを主催した市民団体が寺側と交渉した。責任者の寛大な裁量で、「市民とともに歩む寺になりましょう」と、ゴスペルコンサートの開催を受け入れてくれた。
当日、本堂には、レーナさんの歌う「一羽のすずめに」に耳を傾けつつ、涙を浮かべる僧侶の姿があった。 テレビ、企業も協力 レーナさんのコンサートツアー事務局、大阪シャロームの光野定義さんは、レーナさんを「バリアフリーの伝道者」と呼ぶ。一般のクリスチャンには開けられない扉を開いてきた人だといえる。むしろ、だれも思いもかけなかった扉が、彼女の前に次々と開かれていったともいえる。
善光寺公演の後、地方テレビ局なども公演協賛に名を連ね、無料で広告を流してくれたり、以前は「宗教色がありすぎる」などと消極的だった一般企業が、今では、それを越えて社会貢献の一環として協力してくれる。 小中学校で神の愛 近年、全国の小中学校で、レーナさんを迎えての対話集会が行われるようになった。ゆとり教育の時間に、レーナさんの伝記や自伝、ビデオを教材にして学んだ後、彼女を招いて生徒らと対話する場を設けるという。
レーナさんは子どもたちの遠慮のない質問に答えるのを楽しみにしている。生きる勇気と喜びについて子どもたちに考えさせつつ、自分を生かしている神の愛を率直に語る。そのような彼女の「課外授業」は、非常に内容の深いものだ。
特に中学生たちに向かって、彼女はこう語りかけることが多いという。「いい成績を取ることもすばらしいけれど、成績の悪い人も、幸せな人生を送れるんだよ。勇気、やさしさ、誠実さ、人生で大切なものは、ほかにもあるよ。たとえあなたにパーフェクトな体や、パーフェクトな頭脳、パーフェクトな親や家族がなくても、幸せな人生を送れるのよ、あなたをだれよりも愛している神さまと出会うことができるなら」。
全都道府県での公演を終え、04年は、レーナさんにとって「主の安息の年」。スウェーデン国内でのチャペルコンサート以外はすべて休むという。愛する夫のそばにいるために、そして、自分自身の体を休めるためにも。主のみこころなら、「また来日させていただけるはず」と、いつもの明るい笑顔を残して去っていった。
関西で本格宣教師訓練コース開設−−5月、西宮で始動 関西聖書学院0401041202
日本の教会が宣教師をもっと多く派遣することで世界宣教に貢献できるようにと兵庫県西宮市にある関西聖書学院(KBI)=大田裕作学院長=が、2004年5月に宣教師訓練コース(Missionary Training Course)を新たに開設する。本格的な宣教師訓練の場は関西では唯一。日本最初の宣教師訓練センター(MTC)は、宣教団体WECの宣教師ラウンドヒル氏によって京都で始められた。同氏の帰国とともにMTCは奥山実氏によって継承され、栃木県那須市に拠点を移した。1999年には世界宣教研修センター(WMTC)が東京都西東京市に設立。関西以西の宣教師候補者が通うには2つとも距離的な負担があり、ぜひ関西に宣教師訓練センターをという声が高まっていた。
また同学院と、設立母体である日本福音教会(JEC)、単立ペンテコステ教会フェロシップ、ベタニヤ・クリスチャン・アッセンブリーズは、戦後北欧や北米から来日した宣教師によってこれまで指導され、その宣教スピリットを色濃く受け継いできた。これまで同学院からアルゼンチン、ルーマニア、インドネシア、北朝鮮国境などへの宣教師が生まれている。
2000年4月に長年インドネシアの宣教活動に従事してきた大田氏が同学院長に就任。宣教団体アジア・アウトリーチ・ジャパンの代表小山大三氏(岐阜純福音教会牧師、KBI副理事長)、同宣教師吉田隆氏も現在同学院で教鞭をとっている。2003年には、フィンランドからの宣教師のヘイネモン夫妻が同学院スタッフとして着任するなど、宣教師訓練のための人材が整えられてきた。
同コースの入学資格は異文化宣教に召命をもつキリスト者。技術宣教師志願者も受け入れ、すでに神学教育を修了しているかは志願者の宣教地での使命で判断するという。他の神学校の修了者にも同学院修了者と区別なく門戸が開かれている。
受講期間は5月から12月まで(7、8月は海外実習)。授業日は原則として火曜日から木曜日の午後2時からと3時30分からの2講座。午前中は同学院で開講している神学教育の授業を受講したり、専門技術の学び、教会奉仕、アルバイトなどにあてることができる。
大田学院長は「現在各国から日本に約3千500人の宣教師が来ていますが、日本からは400人の宣教師しか送り出していません。日本が宣教師から早く自立し、より世界宣教に貢献できるように日本のクリスチャン人口の1%の数の宣教師を送り出したいです」と抱負を語る。
同学院理事長でJEC海外宣教委員長の豊村喜典氏は「クリスチャンみんなが世界宣教に召されています。ぜひ世界宣教のスピリットを持って関西聖書学院に来てほしい」と期待を語る。
問い合わせtel:0798・53・2742、FAX:0798・53・0596(同学院)。