ヘッドライン
[CSD]2004年1月25日《ヘッドライン》
[CSD]2004年1月25日《ヘッドライン》= 1面 =
◎生活と奉仕の成長支援——クリスチャン・リーダーシップ・トレーニング・センター(CLTC)開設
★イラン地震:厳寒下の支援、日本からも——WVJ、JIFHなど緊急支援呼びかけ
★<恵みのどんでん返し>反応よくない説教、どうしたら… 記・荷川 取順市
★<落穂抄>イラクの人々が欲しいものは…「希望」
= 2 面 =
◎牧師の副業は日陰者じゃない——「自給伝道ジャーナル」発刊
★結婚式フォローの開かれた場所を募集——クリスチャン・ミニストリー・ネットワーク
★自衛隊イラク派遣反対——「国会で十分な議論を」とキリスト者有志ら要請
◎近畿放送伝道協力会が放送存続の危機——赤字250万円で緊急支援アピール
★<提言>自衛隊派遣は人道支援ではない 記・亀谷 荘司
★<今週の本棚>『ヘボン物語』村上文昭著(教文館、1,800円) 評・中山弘正
★<今週の本棚>『砂漠の知恵』ヘンリ・J・M・ナウエン著(教文館、1,600円)
★<今週の本棚>『日本の説教6 羽仁もと子』(日本キリスト教団出版局、2,600円)
<情報クリップ>催し情報ほか
= 3 面 =
★近畿放送伝道協力会が古都で牧会者のためのセミナー——ベテラン牧師の経験からヒント
★スピリチュアルケア普及への取り組み——臨床パストラルケア全国大会 記・嘉藤 茂
= 4 面 特集・迷走する若者の「性」=
★迷走する若者の「性」——それではどうしたらよいか 記・大嶋 重徳
★中高生の無防備さに危機感——藤田桂子さん各地で「性のセミナー」を展開
= 5 面 =
★ガンと闘ったからこそ描くことは生きる証し——墨彩画家・安藤華舟さんの「にじみ」と「かすれ」
★イラク・バクダットで教会爆破事件——シーア派が改宗迫り脅迫
★「キンシー(古い人)脱ぎ捨てろ!」——第16回全国青年宣教大会大阪大会で藤林イザヤ師
★米国:泥流がキャンプ直撃——子どもら犠牲に
★中国:河南省でイエスの誕生祝う家の教会を手入れ
★<召天>大野 一男氏(桜美林学園前理事長、桜美林大学前学長)
★<今月の試写室>「9000マイルの約束」——信じるものを持つ人間の強さ教える
= 6 面 教会学校教師のひろば=
★「母親が子どもをギュッ」——越谷福音自由教会の幼児クラス
★<先生 キラッ>小西いずみさん(越谷福音自由教会)
★<ゆっくり行こう!CS教師>[17]言葉を交わして地域に働きかけ 記・福井 誠
★<オッフーの神様と出会っていますか?>[5]願いを聞かれる神様 記・藤田 桂子
★<まいまいのちょっと愛デア>[5]暗唱聖句を「みことばの歌」で 記・永井 真衣子
生活と奉仕の成長支援−−クリスチャン・リーダーシップ・トレーニング・センター(CLTC)開設0401
聖書的な神学を土台として、霊的原則を理解し実践することによって、生活と奉仕が成長するように支援していく――そんなユニークな訓練機関「CLTC(クリスチャンリーダーシップトレーニングセンター)」が1月8日、東京・中野区中野の日本バプテスト連盟中野バプテスト教会を拠点に開始された。教会学校教師や小グループのリーダー、ワーシップリーダー、教会スタッフなどが、仕事をしながら学べる2年コース。初年度は10人が入学した。霊的な生き方を身に着けるため小グループの交わりでメンタリング(人格的な関わりの中での援助)を受け、2年次には1年目の学生のために小グループをリードしメンタリングができるようになることを目指すなど、実践的なプログラムが特色だ。CLTCは単なる「学校」でなく「福音の理解によって教会とキリスト者に霊的・社会的・文化的変革をもたらすムーブメント」。ワーシップセミナーなどを開催してきたCAN=クリスチャンアートネットワーク=(ポール・ネザーコット代表)がプロジェクトの一環として立ち上げた。
キーワードは3つの「H」。毎週木曜の夜7時から10時までが必須科目で、霊的な生き方、聖書解釈、旧・新約聖書概論、伝道とコミュニケーション、リーダーシップ、統合された神学、キリスト者のアイデンティティーを学ぶ。これが「Head =知識」であるのに対し、年間4つのクォーターの間にワークショップやセミナーの形で設けられる選択コースは「Hand=実践」にあたる。
選択コースは?チャーチ・ミニストリー?伝道と宣教?ミュージック&アーツの3分野。教会学校教師、長老・執事、小グループのリーダー、教会スタッフなど向きの?では、伝道活動、牧会の役割とひな形、スモールグループ発展、人間関係、リーダーシップ、教会とその働きについての神学的な理解、カウンセリングの原則を学ぶ。教会開拓者、伝道者向けの?の内容は、伝道活動、スモールグループの開拓法、弁証論、クリスチャンリーダーの育て方、文化の理解、宣教学、文脈化、宗教学。ワーシップリーダーやアーティスト向けの?では、あらゆる芸術を通しての伝道、詩篇の解釈、作曲、音楽と芸術の聖書的な理解、ワーシップチームの形成、礼拝の神学、技術指導、アレンジ。
そして、すべての学生が「Heart=全人格的成長」にあたるメンタリング・プログラムを月2回受ける。CLTCの事務部長ケン・テイラー宣教師は同プログラムのユニークさを強調し、「3つのHによる、霊的で実践的なバランスのとれた、全人格的なアプローチが特徴」と語る。教務部長のケリー・マローン宣教師は、8日のオリエンテーションで「学校は普通、知識を得て理解するところだが、CLTCの目的は福音を理解し伝えること。教会と共に協力しながら、成長して神の御国でよい奉仕ができるようになってほしい」と入学生を励ました。 中野バプテスト教会牧師で教師の1人でもある斎藤和己氏は「例えば教会でワーシップリーダーをしているが、奉仕をする上でもっと深く礼拝の意味を知りたい、といった人にはよい実践的な学びのコース」と勧めている。教師はほかに川崎廣(日本教会成長研修所総主事)、福田崇(国際ウィクリフ聖書翻訳協会アジア太平洋地区総主事)、ブルース・ヤング(日本長老教会教力宣教師)、ポール・ネザーコット(CAN代表)の各氏。
学費は1か月1万円。問い合わせはTel&FAX:0424・58・7107、CLTC事務所(〒203-0013東京都東久留米市新川町1ノ12松川プレイス107)。Eメールはcltcjapan@hotmail.com、ホームページhttp:www.japancan.com/cltc
牧師の副業は日陰者じゃない−−「自給伝道ジャーナル」発刊0401250201
規模の小さい日本の教会では、信徒の献金だけで牧師給がまかないきれず、牧師や牧師夫人が教会の働き以外に仕事をして生活を支えるケースが少なからずある。だが、そのことの神学的な意味や積極面は位置づけられてこなかったのではないか――そんな問題意識で、「自給伝道」の意義を広く知らせ、日本伝道の陰の立て役者である「自給伝道者」の牧師たちを結ぼうと、このほど「自給伝道ジャーナル」が発刊された。「自給伝道ジャーナル」を発行したのは東京宣教研修所(矢島徹郎所長)。B5判6~8ページで季刊を目指し、昨年9月に創刊号を、この1月に第2号を発行した。矢島所長が「自給伝道とは」をテーマに研究講座を連載、自給伝道者のあかしやメッセージ、関係牧師らによる巻頭言が載る。
東京宣教研修所は、自給伝道者を養成し、支援することを目的に、95年から埼玉県入間郡大井町で単立・ふじみ野キリスト教会を開拓している矢島徹郎牧師が中心となって、01年に設立した。過重な奉仕・献金を避け、感謝に基づく自発的な交わりを中心とすることが同教会の特色。矢島さん自身、毎週土曜日は結婚式の司式の仕事、週に3日は東京・池袋にあるブライダル宣教団の事務所の働きを担当、妻の明子さんは週4日、学習塾を開いて子どもたちに勉強を教える。伝道には週3日をあて、日曜日は教会に専念するが、週日はいつ時間があるかを信徒に知らせておけば、あとはメールで牧会の必要はカバーできるという。
ところが日本では、牧師が聖書を教えること以外で収入を得ることに対して否定的な考えが根強い。現実には多くの牧師やその妻が副業をして生活を支えているのに、日陰者のような後ろめたいイメージがつきまといがちだ。
それに対し矢島さんは「聖書を調べてみると、イエス時代のラビは大工や石工など様々な職業をもちながら聖書を教えるのが普通だった。パウロが自ら進んで天幕作りの仕事をしながら伝道したことにも、信じて間もない弱いクリスチャンや出来たばかりの教会に対して負担をかけたくないという思いやりの心が見て取れる」という。 『キリスト教年鑑』によると、日本のプロテスタントの礼拝出席数は19万人弱、伝道者総計は9千500人。この統計を元にした東京宣教研修所の試算では、信徒20人で伝道者1人を支えなければならないのが実情ということになり、伝道者の75%以上が何らかの形で自給しなければならないのが日本宣教の深刻な現実。同研修所はそこに光を当て、自給伝道のあり方を研究するとともに、自給伝道者が生きいきと、確信をもって自給と伝道に励める手助けをしたいと、ビデオによる自給伝道論の通信講座などを開講してきた。
矢島さんは「牧師がふさわしい職をもつことは、社会的信用にもつながる。卑屈に感じる必要はなく、自給伝道を伝道論の中で前向きに位置づけた方が、ホンネとタテマエのはざまで行き詰まっている日本宣教の閉塞感を打ち破れる。伝道者の大部分を占める自給伝道者が確信をもち、使命感を抱いて伝道するなら、日本の宣教の未来は明るい」と考えている。
▽「自給伝道ジャーナル」の購読は部数に応じた送料を切手で。申し込み・問い合わせは〒356-0036上福岡市南台2ノ7ノ5ノ701(矢島徹郎あて)Tel&FAX:049・267・4614。
近畿放送伝道協力会が放送存続の危機−−赤字250万円で緊急支援アピール0401250204
ラジオ・テレビなど放送伝道を中心にした近畿圏の教会協力組織「近畿福音放送伝道協力会」(略称・近放伝、鈴木義明代表者会議議長)の03年度末の会計決算が250万円の赤字となることが明らかとなった。このままでは、多くの視聴者に励ましを与え福音を知る接点となってきたテレビ「ライフ・ライン」、ラジオ「世の光」や「キンポーデンアワー」の近畿圏での放送を、財政的な問題で中断せざるを得ない状況を迎えているとして、近放伝では緊急支援をアピールしている。昨年、設立30年を迎えた近放伝は、放送伝道以外にも、教会協力の働きとしてビリー・グラハム、ルイス・パラウ、レイトン・フォードなど国際宣教大会の受け皿となってきた。そればかりでなくパッケージ・プログラムや地区ラリー、阪神淡路大震災における救援の働きなど、地域の教会協力の要となってきた。しかし、ここ数年、社会経済の厳しい状況もあり、財政的に困難を覚えるようになってきた。
近放伝実行委員会では「放送を通して、まだ福音を知らない多くの人々、病院や、教会に行けない人々にも福音が届けられてきた。トラックを運転中に放送を聴き、全く福音を知らなかったのにその場で悔い改めて救いにあずかり、今は牧師として働いている人もいる」として、「今後、必ず発展していくであろうパソコンを用いたメディア伝道をも視野に入れながら、『教会協力における相互成長』という理念に基づき、働きを継続していきたい」と望んでいる。
500教会が、これまでの支援に加え年額5千円から1万円を計上すれば、働きの継続が可能になるという。 支援献金のあて先は郵便振替00980・6・311080(近畿放送伝道協力会)まで。問い合わせはTel:06・6767・2558。