ヘッドライン
2006年2月26日号ヘッドライン
《ヘッドライン》2月26日号 = 1面 =★焦点は憲法改訂、靖国参拝——全国各地で2・11集会 = 2 面 ニュース=
★「迫害はもう始まっている」都立高校教師が証言——同盟基督2・11信教の自由を守る集い
◎父の無断合祀に靖国の体質——2・11町田集会で靖国訴訟千葉原告の小林晃氏証言
★平和教会のビジョンと憲法の平和主義は一致——東京地区メノナイトがフォーラム
★拒否とともに抵抗も——改革派中部中会で西川重則氏語る
◎<落ち穂>いまも深いルワンダ大虐殺の苦悩 = 3 面 ニュース・ルポ=
★クリスチャンが国のあるべき姿を示すべき——信教の自由ネットワーク
★教会が「正戦論」を克服し平和構築に貢献を——2・11信教の自由を守る東信州の集い
★信仰告白として信教の自由宣言——堺キリスト教会
◎沖縄でグラハム大会——フランクリン・グラハム氏招き11月開催 = 4 面 ビジネスパーソン=
★「黄金律」こそ仕事の基本——田上 昌賢さん[上](日本クリーンシステム[株]専務取締役)
★<ミッションと起業>波多野鶴吉(グンゼ[株]創業者)[上] 記・岸 回生 = 5 面 牧会=
★<カルトから真理への道>[1]終わりのない悲劇の中で 記・林 俊宏
★<オピニオン>富の奴隷とならず道具として使いこなす 記・碓井 真史
★<恵みのどんでん返し>神の国のオアシスとして 記・勝俣 慶信 = 6・7 面 特集/ルター没後460年=
★説教者ルターに学ぶ信仰と恩寵 記・鍋谷 尭爾
★マルチン・ルターの略年譜 = 8 面 世界=
★<宣教まっただ中>ブラジル発[3]教会で文化交流際を開催 記・佐藤 浩之
★カッティング・エッジ・リポート[12]教会、NGO新局面へ——混乱する東欧で協力体制 記・内田 みずえ = 9 面 教会学校=
★<成長攻略法>イエスって何者——公生涯を振り返って 記・中台 孝雄
★<CS分級>紙で作る卵の飾り——カンタンピニャータ 記・石橋 えり子 = 10・11 面 特集/教会形成を考える=
★セルの必要と万人祭司実現 記・石原 良人
★よいプロセスが大事——目的主導型教会のスタディーケース
★牧師のリカバリーが契機——保守バプ・埼京のぞみ教会
★PDはあくまでOS——狭山キリストの教会 = 12 面 神学・社会=
★★<講演>「霊性」——福音主義神学会第12回全国研究会議報告[6]個としてのキリスト者の霊性(中) 記・牧田 吉和
★<書評>『パワー ローマ書』ジョン・ビョウンウク著(小牧者出版、1890円)評・趙南洙
★英国:国教会が奴隷売買で謝罪の動き = 13 面 情報=
★<情報クリップ>催し情報、放送伝道ハイライトほか
★BOOK:『映画 日本国憲法』島田惣作・竹井正和編(フォイル、1470円)
★BOOK:『国家を超えられなかった教会』原 誠著(日本キリスト教団出版局、6720円) = 14 面 教会=
★<ちゃちゃチャーチ>体育館のある教会——単立・森福音キリスト教会
★<奉仕する恵み>週報に教会のオリジナルイラスト 小林 佑子さん = 15 面 家庭・あかし=
★「生存率50%」からの生還——くも膜下出血の体験生かして伝道する須佐さん夫妻
★<召天>二木善之助氏(基督兄弟団東白川教会牧師、91歳)
★<召天>杉谷健一氏(日本ナザレン教団昭和町教会牧師、77歳)
★<暮らしの中の信仰>母の対に宿る前から 記・東後 勝明 = 16 面 ひと=
★岡田直丈さん(ベルギー宣教師)——「人格的」な神に出会い 在外邦人伝道へ
沖縄でグラハム大会−−フランクリン・グラハム氏招き11月開催
昨年引退した世界的伝道者ビリー・グラハム氏の息子で、ビリー・グラハム伝道協会のメッセンジャーであるフランクリン・グラハム氏を招いての伝道大会「沖縄フランクリン・グラハム国際大会(折田政博大会会長、実行国吉守委員長)」が今年11月3、4、5日の3日間、沖縄で行われる。会場は沖縄中部・北谷町にある北谷公園(陸上競技場)。昨年、ビリー・グラハム伝道協会のヘンリー・ホーリー氏が沖縄を訪問し、地域教会に大会開催を打診していた。地域教会の有志らが積極的に受け止め、実行委員会を立ち上げ、開催を決めたもの。
実行委員会では1980年のビリー・グラハム国際大会以来、26年ぶりに沖縄全県規模の集会として協力の輪を広げていきたいとしている。参加動員目標を立ててはいないが、前回大会の1日1万人、3日で3万人を超える規模の大会にしたいとの願いを持っているという。
2月13日には地域教会への最初の説明会が行われ、今後順次説明会を繰り返し、協力教会への参加を求めていく。
また、英語教会も多い地域でもあることから、英語教会にも参加と協力を呼びかけていくという。
3月12日には沖縄バプ連盟・那覇バプテスト教会を会場にキックオフ大会を開催する予定。当日のプログラムはキックオフ大会までに概要を決める予定。
今回の大会について実行委員長の国吉守氏(那覇バプテスト教会牧師)は、「当日の大会部分は、今度の企画の中では10パーセント。準備とフォローが残りの90パーセントです。大きな集会をすることだけが目的ではないのです。大会への備えフォローを通して宣教の働きを広げようと考えています。教会が大会に向けて備え、求道者を連れて参加できるようにし、そしてきっちりとしたフォローアップを行って確実に教会に結びつけられるようにしたい。信徒訓練と個人伝道(アンデレ伝道=人を誘う)の積み重ねですね」と語る。
教会説明会に先立ち、2月3、4、5日にフィリピン・マニラで行われたフランクリン・グラハム大会に国吉氏らが参加し、感触もつかんできた。
「フランクリン・グラハム氏の説教は、無駄のない非常にシンプルな、そして好感の持てるものでした。ストレートに語られる福音は無理がなく、素直に受け止められていました。沖縄の大会に向け大きな期待をもっています。大会にはぜひ、他府県からもたくさんの人に来ていただきたいと願っています」と国吉氏。
沖縄フランクリン・グラハム国際大会事務局=TEL:098・944・7467
【中野晶正】
<落ち穂>いまも深いルワンダ大虐殺の苦悩
ルワンダでの大量虐殺を描いた映画「ホテル・ルワンダ」。連日、劇場に長蛇の列ができているという。100日間で100万人が惨殺されたルワンダ。千268人の難民を、自ら支配人を務めるホテルにかくまった男の実話を基にした 公開に先立ち、モデルとなったポール・ルセサバギナさんが来日、講演した。「遠くから見ている人にはルワンダは、よくなっているように見えるだろう。しかしまだ深刻な問題がある。負けた者は追われ、毎日のように行方不明者が出ている。国民の間で和解が必要だ」という 「『フツ』と『ツチ』が、互いに憎しみ合っていることではなく、指導者や政策によって分断され、それが今も変わっていないことを言いたかった」。昨年、紛争中のスーダンの町を訪れた。人口4万8千人の町は、わずか200人のゴーストタウンと化していた 帰り道、ホロコースト60周年の式典スピーチで、各国首脳が「ネバー」「アゲイン」と口にするニュースを見た。ホロコーストの再現をまさに目の当たりにしたルセサバギナさん。「映画を機に認識を改めてほしい。一人ひとりが時代を変えていくことになる」と訴えた。父の無断合祀に靖国の体質−−2・11町田集会で靖国訴訟千葉原告の小林晃氏証言
東京・町田市では、「2・11信教の自由を守る日 町田集会」(主催・日本基督教団西東京教区社会部委員会 町田・八王子地区2・11実行委員会=世話人・牧野信次牧師)が日基教団・原町田教会で開催され、10教会から約40人が参加した。講師は、日本基督教団浦安教会牧師で、小泉首相靖国参拝違憲訴訟・千葉訴訟の原告の一人である小林晃氏。小林氏は靖国神社のもつ問題と千葉訴訟の原告となったことについて、自分自身の証しを交えながら語った。
小林氏の父・恒一氏は朝鮮総督府の警察官として働き、敗戦時には中国国境に近い町に家族とともに赴任していた。敗戦後、恒一氏は軍属として徴用されたまま、行方不明となった。当時6歳だった小林氏は父親が出かけたことも知らず、母親も夫がすぐに戻ると思っていたという。それから1年間、母親は必死になって夫の行方を探したが見つからず、最後の引き揚げ船に乗るため、やむなく帰国した。
しかしその帰路で生後6か月の妹、3歳の妹が亡くなった。
母は戦後ひたすら父の帰還を待ったが、二十数年後、周りからの強いすすめもあり、父の死亡宣告を受け入れた。
父と2人の妹の死に常にむなしさを感じていた小林氏の姿を見かねた職場の先輩が教会に誘ってくれた。イエス・キリストの十字架と復活に真の安らぎを見いだし、63年に洗礼を受けた。母も3年後に洗礼を受け、前を向いて生きていこうという志を与えられた。
そんな矢先に届いたのが靖国神社からの合祀通知書だった。
「遺族に何の相談も了解もなく一方的に合祀通知を送り、取り消しを求めても聞き入れないのです。靖国神社は天皇のために死んだ者のみが『英霊(神)』として祀られ、天皇の参拝を受けることで無上の『栄誉』と『慰め』が与え、あの侵略戦争を『偉業』とするのです。このような一方的な合祀は基本的人権の侵害であり、キリスト教信仰をもつ者には堪え難く、到底受け入れられるものではありません。
日本国憲法はどの国の憲法よりも政教分離原則を厳しく規定しています。しかし、靖国と天皇の結びつきは戦後も続いており、ますます強くなっています。政教分離を進める上で靖国神社が大きな鍵となっているのです」と小林氏は語る。
【中野晶正】