2006年 3月26日号ヘッドライン

[CSD]2006年3月26日《ヘッドライン》
 = 1面 =
★ホワイトデーの愛 イラクに届け——明治学院高校フリー・ザ・チルドレンが街頭募金

 = 2 面 ニュース=
★「共に祈る」ことの重要性を強調——ブラジルでのWCC総会報告会
★福音派、ペンテコステ、カトリックとの関係強化も——WCC総会活動方針
◎レイテ島・地すべり被災者らに「パンの缶詰」を輸送——日本国際飢餓対策機構
★国際:キリスト者の迫害、北朝鮮が4年連続1位——オープンドアーズが発表
★<教界ニュース>日本福音教会連合
★<落ち穂>クリスチャン俳優シン・ヒョンジュン

 = 3 面 ニュース・ルポ=
◎無理な論理展開「ダ・ヴィンチ・コード」——福音主義神学会で丸山悟司氏講演
◎<父の姿から考える「家族」>オンヌリ教会の「父の学校」を訪ねて[下]
CSD2341
★第22回ペンライト賞 入賞者決まる

 = 4 面 ビジネスパーソン=
★新家庭像めざし雑誌創刊——松居 直さん[中]([株]福音館書店相談役)
★<佐藤綾子のイキイキクリスチャン自己表現法>[9]ありがとうを言えるうれしさ

 = 5 面 牧会=
★<カルトから真理への道>[5]悲劇の前に救い出された研究生 記・林 俊宏
★<オピニオン>プロの「人を捕る漁師」の姿勢から学ぶ 記・波田 康
★<恵みのどんでん返し>倒れた父に教えられた御言葉の意 記・野中 宏樹

 = 6 面 特集/高齢社会=
★アンケート調査から:高齢社会と私たち——社会に教会が出来ることは?

★地域に奉仕する場として——日基教団・国分寺教会
★大切なのは今——バプ教会連合・新宮キリスト・バプテスト教会

 = 8 面 世界=
★<宣教まっただ中>ニュージーランド発[3]若い母親とのつながり 記・中沢 旨宣
★カッティング・エッジ・リポート[16]最終日礼拝で授賞式——ケアの質 向上させた団体などに 記・中台 孝雄

 = 9 面 教会学校=
★<「成長」攻略法>十字架と復活の道をたどろう 記・中台 孝雄
★<CS分級>たまごだっこウサギを作ろう 記・石橋 えり子

 = 10・11 面 特集/教会形成を考える=
★癒しによる回復を通して教会形成を進める——セレブレイト・リカバリー
★人のつながりを大切にし教会に人をつなげる学び——アルファ・コース
★「教会成長」は神のみこころか——教会の質と量の関係 記・大橋 秀夫

 = 12 面 神学・社会=
★<講演>「霊性」——福音主義神学会第12回全国研究会議報告[10]神の民の世界との関わりにおける霊性(上) 記・牧田 吉和
★米国:米国人の2割が「きよい」と自認
★<書評>『はじまりの死生学』平山正実著(春秋社、2310円)評・佐竹十喜雄

 = 13 面 情報=
★<情報クリップ>催し情報、放送伝道ハイライトほか
★INFOMATION:Web英会話講座「You Can Speak」
★BOOK:『心がきちんと伝わる話し方』中野雄一郎著(いのちのことば社、630円)

 = 14 面 教会=
★<ちゃちゃチャーチ>リーダー育て、広がる地域宣教——日進ベタニヤ純福音教会
★<奉仕する恵み>若者たちは、心理に飢え渇いています 吉田 茉莉子さん

 = 15 面 家庭・あかし=
★「自分史残したい」今できる証しを——リウマチで28年間闘病の高明子さん
★音源審査の締め切り迫る——Japan G.POP Contest2006
★<暮らしの中の信仰>分かる世界と信じる世界 記・東後 勝明

 = 16 面 ひと=
★井山 美枝さん(絵本作家)——どん底で与えられた見えないプレゼント

レイテ島・地すべり被災者らに「パンの缶詰」を輸送−−日本国際飢餓対策機構=0603260203

 フィリピン・レイテ島のギンサウゴン村で先月17日に発生した大規模な土砂崩れに対し、各国から義援金や食糧などの支援物資が送られている。日本国際飢餓対策機構(JIFH)では、災害によって被災し、近隣地区で避難生活をしている人々の支援のため、企業から提供された缶入りパン1万3千200食を、27日に神戸港から現地に向けて輸送する。今回の支援は、フィリピン赤十字から食料支援の要請を受けたNGO・アジア・アフリカ環境協力センターに対し、JIFHが食糧を提供する企業を斡旋し、輸送費の一部を負担することで実現した。
 配布される缶入りパンは(株)パン・アキモトが開発したもので、常温での長期保存が可能。同社が1万食分を無償で提供し、残り3千食分は同社の呼びかけで関係先の企業が協力した。
 JIFHでは、土砂崩れ発生の4日後には、現地で緊急援助を行うためのスタッフを派遣し、これまでに避難生活者数百名を対象に、石鹸、洗剤、ミルク、砂糖、魔法瓶などの生活用品の配布を実施している。今後は家屋建設の支援などを視野に入れているという。また、被災者支援の緊急募金を行っている。 郵便振替00170・9・68590日本国際飢餓対策機構。通信欄に「レイテ島支援」と明記。
 問い合わせはTEL:0729・95・0123

無理な論理展開「ダ・ヴィンチ・コード」−−福音主義神学会で丸山悟司氏講演=0603260301

 5月に日本で映画公開される『ダ・ヴィンチ・コード』(ダン・ブラウン著)。キリスト教会関係者からは本書の悪影響を危惧する声が出てきている。そんな中、東京・千代田区のお茶の水クリスチャンセンターで3月11日に開かれた日本福音主義神学会東部部会「春の合同研究会」(同歴史神学部門、実践神学部門主催)では、この『ダ・ヴィンチ・コード』が取り上げられた。講師の丸山悟司氏(バプ教会連合・御園バプテスト教会牧師、聖契神学校講師〔教会史〕)は「教会史的視点から見た『ダ・ヴィンチ・コード』」と題して講演し、問題点を指摘した。  『ダ・ヴィンチ・コード』は、ルーブル美術館の館長が殺される事件を発端に、「最後の晩餐」に隠された暗号を解読していくというサスペンス小説。場面展開が速く、ジェット・コースター・サスペンスとも呼ばれる本書は、03年発行以来全米で1千万部、日本でも400万部を売上げ、世界44か国語に翻訳されたベストセラーだ。
 しかし、「イエスとマグダラのマリアは結婚し、子どもも生まれていた。初代教会はその事実をひた隠しに隠していた」「この物語はすべて事実に基づいている」など、キリスト教会が保持してきた伝統的な教理を揺るがす内容も含む。
 丸山氏はダン・ブラウンが「イエスとマグダラのマリアが夫婦である」証拠とするグノーシス主義の古文書「ナグ・ハマディ文書、ピリポの福音書」の連れと訳される言葉を取り上げ、こう述べた。「彼は『主の連れはマグダラのマリア』のくだりを決定的証拠とする。連れの言語はコプト語でコイノノスと言い、同伴者、何か大事なものを共有する人の意。ピリポの福音書では2回しか出てこない。文脈から見ても妻と断定するのは無理がある」
 「この書には、実は妻と訳される言葉が4回出てくる。もしマグダラのマリアがイエスの妻だったとしたら、ピリポの福音書著者がなぜこちらの言葉を使わなかったのか疑問だ」
 以上の理由から、「ナグ・ハマディ文書からイエスとマグダラのマリアが夫婦であると弁証するのは無理がある」と結論づけた。
 本書の内容が歴史的、客観的な視点、綿密なデータに基づいているとは言えないとも。「彼は様々な教会史、美術史、聖書にまつわることなどが、あたかも真実であるかのごとく断定している。しかし、彼の説には独断的主観論が目立つ」
 むしろ、なぜダン・ブラウンがそこまで自説に固執するのかが重要だと言う。「彼がニューエイジ的思想の持ち主だと分かると納得がいく。歴史的信憑性を度外視してまでもグノーシス文書を優先するのは、そのほうが自分たちの考えに合うからだ」
 最後に丸山氏はこう述べた。「祈祷会で『ダ・ヴィンチ・コード』の話をした。ある教会の男性が『もしそのイエスが本当なら、そこには何の救いも希望もない。それが真実なら死んでもいい』と語っていた。教会史を見ると、異端と向き合うことによってクリスチャンたちは自分たちの信仰を再吟味し、純化させていった。私たちもそういう機会として『ダ・ヴィンチ・コード』を用いていきたい」
【中田 朗】

<父の姿から考える「家族」>オンヌリ教会の「父の学校」を訪ねて[下]=0603260302

 愛というエナジー
 2月10日から3日間、東京オンヌリ・ビジョン教会で開催された東京第一期「父の学校」(主催・東京オンヌリ・ビジョン教会)。
 「父の学校」とは、「家父長的な父親の役割と間違った男性文化を反省し、新しいお父さんのモデルを探すことを目的とした運動」のこと。「客観的に、自らの家庭生活を振り返る機会など初めて」という参加者も。
 チャン・ジェユンさん(東京オンヌリビジョン教会牧師)は「この学校は教えるものではなく、自分で感じ、自分で考えて自己変革しようとするもの」と語る。夫として自分は妻を第一にしてきただろうか、家族への愛を行動に移してきただろうかと、これまでの自分の父親としての姿を振り返りつつ書き出し、分かち合った。
 「間違った男性文化の代表的なものは、まず第一に対面を重んじる文化。今は男性たちが学ぶ時。いくら専門的で独特な技術があったとしても、家庭に戻ってきて無能な父親にならないように自分を訓練し、培って行くべき。父親になることは神から受けた召しであり、神から与えられた使命。自分の子どもたちとかかわる責任がある。父としての望ましい男性像は、まさに教会の頭なる、イエス・キリスト」として、キム・ヒョク事務局長は「現代社会の様々な問題の根源には、家庭での問題がある。その家庭の回復のため、まず正しい、聖書に基づいた父親像の回復が必要。私たち父親の最大の働きの場は家庭であることを共に学び、分かち合いたい。父が生きれば、家庭が生きる!」と語った。
 本当の父の姿に
 家族から驚きの声   プログラムが進むにつれ、初めは緊張した面もちだった参加者も、自分の抱えている具体的な問題を告白し合ううち、次第に笑顔がもれ始め、時には涙を拭ったり、ハグをして感動を分かち合う姿もみられるようになった。「これまで、家族の表情が暗い、と不平不満ばかり並べていた自分。これからは私が家庭のろうそくになりたい、光になりたい」と、照明を落とした室内でお父さんたちの手に一つずつろうそくが手渡され、祈る場面もあった。
 最後の授業はお父さんたちの卒業式。夫の卒業を祝うため、妻と子どもたちが卒業式場を訪れ、お父さんたちは抱擁で家族を迎えいれる。
 「父の学校」に送り出す前とは明らかに違う夫のやさしい表情と態度に、少々とまどう妻たちの姿も見られた。最後の時間は、夫が妻の足を洗う洗足式が用意されている。長年の夫婦生活で、初めて妻の足を洗うというお父さんも少なくない。妻たちは、「愛を実際の行動やことばに表してくれてうれしかった、夫が見違えた、本当に本物のお父さんだわ!」と、涙ながらに喜びの声を上げた。         【井上達夫】