ヘッドライン
[CSD]2010年4月25日号《ヘッドライン》
[CSD]2010年4月25日号《ヘッドライン》= 1面 ニュース=
◎「新改訳聖書」2016年に全面改定へ——翻訳理念、編集委員15人を公表
★ANRC10:海外から日本の教会へ——キーワードは「人」
= 2 面 ニュース=
★<逝去>舟喜順一氏逝く——「新改訳聖書」編集を主導
★同盟基督:女性教職に門戸広く——新理事長に安藤能成氏
★東京基督教大学:新体制で初の入学式——3年次編入の教会教職課程に16人
★首都圏イースター:「自殺者3万人は痛恨」——死を乗り越えさせるもの強調
★<逝去>堀井美吉氏(日本ホーリネス教団隠退教師、76歳)
★<落ち穂>映画「大地の詩・留岡幸助物語」への期待
= 3 面 =
★<竜馬をめぐる人々>[3]沢辺琢磨の章:3——外来宗教を糾弾しようと押し掛け問答
★JIFHハイチ報告:雨期目前 ハリケーン心配——二次災害防止が課題
★新日本聖書刊行会 賛同教団・団体・神学校(1面記事の資料)
★<オピニオン>次世代への宣教と斜めの関係作り 記・杉本 玲子
= 4 面 ビジネスパーソン=
★吉田 俊子さん[上](腎臓内科医師)——腎臓内科は私の性格にピッタリ
★<人生何とかなります>[6]何も持たなくてもキリストだけで十分 記・佐藤 敏
= 5 面 情報 =
★<情報クリップ>催し情報・放送伝道ハイライトほか
★CD:「今日もひとつ」星野富弘詩画の世界をメロディにのせて(ライフミュージック、2,940円)
★BOOK:『ペトロ 聖書の研究シリーズ64』M・ヘンゲル著(教文館、2,730円税込)
★BOOK:『主の復活、ハレルヤ さんびかものがたり?』川端純四郎著(日本キリスト教団出版局、2,520円税込)
★REVIEW:『聖書66巻のキリスト証言 小林和夫著作集第1巻』(いのちのことば社、4,200円税込)評・
= 6・7 面 特集/ANRC 世界の架け橋になるために =
★帰国者クリスチャン アンケート結果:帰国者の現状と教会の対応
★教職者・リーダー懇談会から——人をつなぎ、組織をつなぐ
★大会を終えて——世界宣教、キリスト者の使命 対話から 記・米内弘明
★基調講演:個であり普遍的なアイデンティティ 講師・金山梨花
★メッセージから
= 8・9 面 特集企画/日本における聖書の翻訳と普及 =
★「いのちの糧」を届け続けて——(財)日本聖書協会
★聖書図書館30周年——5200冊の文献 一見の価値あり
★次世代に生きた神の言葉を 記・渡部 信(JBS総主事)
◎今年 新翻訳事業に着手——日本聖書協会「標準訳聖書」2016年に出版予定
= 10 面 教会学校 =
★幼稚園の木工作業を教会学校に——兄弟団・山の田福音教会
★<CSもうひと味>憲法集会「子どもパレード」——町に平和の音を響かせよう
= 11 面 クリスチャンライフ =
◎ホープチャペルって何だろう?——ラルフ・モア牧師に薫陶受け、日本でも
★イタリア:トリノの聖骸布に観客予約150万人
★映画:「トロッコ」——芥川の名作を現代家族の姿に(川口浩史監督作品、5月22日よりシネスイッチ銀座ほか順次全国公開)
= 12 面 教会 =
★PTAや自治会とも関わり「地域の人たちと仲良く」——日本イエス・名古屋教会
◎「新改訳聖書」2016年に全面改定へ−−翻訳理念、編集委員15人を公表=1004250101
一般社団法人新日本聖書刊行会(竿代照夫代表理事)は4月12日、東京・千代田区のお茶の水クリスチャン・センターで開催した第3回教会代表委員会(藤本満委員長)で、新改訳聖書の改訂による新しい翻訳聖書の刊行事業について計画概要を報告した。旧約主任・木内伸嘉氏、新約主任・内田和彦氏をはじめとする翻訳編集委員会(津村俊夫委員長)の体制、および2016年出版に向けて改訂作業の手順(ロードマップ)などを公表した。翻訳編集委員は、旧約が松本任弘、津村俊夫、鞭木由行、木内伸嘉、南場良文、千代崎備道、鎌野直人、ランドル・ショートの各氏(8人)、新約が山中雄一郎、内田和彦、瀧浦滋、伊藤明生、三浦謙、遠藤勝信の各氏(6人)、日本語主任の松本曜氏を合わせて15人。うち翻訳編集委員長、旧約主任、新約主任、日本語主任ら5人以上によって構成される常任翻訳編集委員会が核となり、月1回以上会合するペースで作業を進める。翻訳編集委員会は年2回以上開催。翻訳担当理事(翻訳編集委員長)津村俊夫氏の説明によると、翻訳編集委員15人のうち3分の1が現在の新改訳聖書第3版に関わった関係者で、3分の2は今回新たに加わった。
さらに、翻訳改訂作業を推進するために、諸教会によって推薦された人々の中から、翻訳編集委員会が選任し委嘱した翻訳改訂委員が、旧約、新約、日本語合わせて34人、翻訳改訂された訳文を検討し評価するために翻訳編集委員会が選任した翻訳評価委員が7人おり(いずれも4月1日現在)、広く諸教派の協力により「教会のわざ」として聖書翻訳を進める体制が整った。
津村氏は、各委員会の構成に続いて翻訳理念を説明。(1)聖書を誤りなき神のことばと告白する、聖書信仰の立場に立つ、(2)特定の神学的立場を反映する訳出を避け、言語的な妥当性を尊重する委員会訳、(3)ヘブル語及びギリシャ語本文への安易な修正を避け、原典に忠実な翻訳をする、(4)行き過ぎた意訳や敷衍訳ではなく、それぞれの文学類型(歴史、法律、預言、詩歌、ことわざ、書簡等)に相応しいものとする、(5)その時代の日本語に相応しい訳出を目指す、(6)聖書研究の進展や日本語の変化に伴う必要な改訂を行う、という6つの翻訳理念を確認した。
津村氏は続いて、翻訳・改訂・編集計画を明らかにした。それによると、今年度は、4月中に第1回翻訳編集委員会を開催するのを皮切りに、翻訳原則の確認、理解の共有化、改訂試案の提出を行う。11年度中に改訂試案の検討をし、12年度と13年度に改定案を提出・検討、14年度と15年度で編集作業を進め、16年度に最終稿を決定、印刷・校正・出版に至る予定だ。
第3回教会代表委員会ではこの後、旧約主任の木内氏がヨブ記から、新約主任の内田氏がマタイの福音書から改訂試訳の一部をサンプルとして提示し、翻訳作業にあたっての実際的な考え方を説明。活発な質疑や意見交換があった。
(第3回教会代表委員会時点での一般社団法人新日本聖書刊行会賛同教団・団体・神学校を3面に掲載)
なお、4月から事務所を左記に移転した。
〒160- 0008東京都新宿区四谷2ノ8、コーポクローバ701、Tel&Fax.03・3350・5523、Email honyaku@seisho.or.jp 、URL http://www.seisho.or.jp/
◎JIFHハイチ報告:雨期目前 ハリケーン心配−−二次災害防止が課題=1004250302
写真提供=JIFH
死者30万人を出し、人口900万人のうち300万人が被災したハイチ大地震から4か月あまり。日本国際飢餓対策機構(JIFH)は3月15日から20日まで、清家弘久スタッフを首都ポルトープランスに派遣。(株)パン・アキモトの秋元義彦社長も、緊急食料のパンの缶詰を持参し同行した。
清家さんは「主要幹線道路沿いは復興が進みつつあるが、一歩町中に入ると倒壊した建物がいまだ手つかず状態。これから本格的な雨期を迎える被災地ではハリケーン対策が懸念されている」と言う。「食料や生活物資の不足が続いており、物価もつり上がって非常に高い。世界の関心が徐々に薄れる中、人々のニーズに応えなければならない問題が山積みです」
特に懸念されるのがハリケーン対策。「元々、ハイチの家はハリケーン対策のためしっかりとしたレンガ造りでできていた。地震ではそれが仇となり、たくさんの人が瓦礫の下敷きになって亡くなった。6月にハリケーンの本格的なシーズンが来るが、現地の人たちは『そのことは考えたくもない』と言っている。被災地ではほとんどの人がテント生活だが、これだけの人たちをハリケーンから守るのは不可能だ」。二次災害をどのように防ぐかが課題だ、と清家さんは語る。
今回、JIFHの支援企業でもある(株)パン・アキモトの秋元社長がパンの缶詰400缶を持参して清家さんと同行した。被災地の子どもたちに食べさせると「表情がみるみる明るくなった。ニコニコしながら、柔らかいパンをおいしそうにほおばっていた」という。
パンの缶詰を調達したのはJIFHが初めて。パンの缶詰は、被災者のために造られたもので、缶に入ったパンは長期間たってもぱさつかず、パン独特の風味と柔らかさも失われない。3年はもつという。
このパンの缶詰が被災者たちに大変喜ばれ、現地で子どもたちのケアをしているFHハイチからも「こういうものを子どもたちに食べさせることが必要だ」と高評価を得た。JIFHでは現在、このパンの缶詰4万缶を薬、医療器具と共に届ける準備を進めている。
JIFHでは、4月末まで緊急支援募金を受け付けている。【募金窓口】郵便振替00170・9・68590、日本国際飢餓対策機構(通信欄に「ハイチ大地震」と明記)
◎今年 新翻訳事業に着手−−日本聖書協会「標準訳聖書」2016年に出版予定=1004250902
次世代に向けた新しい聖書翻訳を—。今年6月、JBSは「新共同訳」に続く新たな聖書の翻訳作業に着手する。その準備段階として、08年10月以降4回にわたって諮問会議を開催。最終回となる第4回諮問会議(09年10月、8面写真・)において、「翻訳方針前文」(下記)を決議した。これは新翻訳事業の憲法にあたるもので、今後の事業はこの前文に基づき行われる。今回もカトリック、プロテスタント両教会による共同訳で、名称は「(仮)標準訳」。2016年に出版予定。
【翻訳方針 前文】
近代日本における福音宣教の開始後、聖書はいち早く日本語に訳された。それは教会の正典として用いられただけでなく、言語、文学、思想など、日本文化全体の発展にも貢献した。過去の聖書協会による邦訳聖書刊行だけを見ても、『明治元訳』(一八八七年)の後、『大正改訳』(一九一七年)、『口語訳』(一九五五年)、『新共同訳』(一九八七年)と、およそ三〇年おきに改訂あるいは新訳がなされている。翻訳作業に一〇年かかるとすれば、『新共同訳』が刊行されて二〇年が過ぎた現在、聖書の新しい訳が検討されるべき時期が来ていると言えよう。実際、過去数十年間に生じた聖書学、翻訳学などの進展、底本の改訂、日本語や日本社会の変化、また『新共同訳』見直しへの要請が、新しい翻訳を求めている。
新しい聖書翻訳は、
(1)共同訳事業の延長とし、日本の教会の標準訳聖書となること、また、すべてのキリスト教会での使用を目指す。
(2)礼拝で用いることを主要な目的とする。そのため、礼拝での朗読にふさわしい、格調高く美しい日本語訳を目指す。
(3)義務教育を終了した日本語能力を持つ人を対象とする。
(4)言語と文化の変化に対応し、将来にわたって日本語、日本文化の形成に貢献できることを目指す。
(5)この数十年における聖書学、翻訳学などの成果に基づき、原典に忠実な翻訳を目指す。底本として、旧約(BHQ)・新約(UBS第5版)・旧約続編(ゲッティンゲン版)など、最新の校訂本をできる限り使用する。
(6)文学類型の違いを訳出して原典の持つ力強さを伝達する努力はするが、聖書が神の言葉であることをわきまえ、統一性を保つ視点を失わないこととする。固有名詞や重要な神学用語については『新共同訳』のみならず、過去の諸翻訳も参考にして、最も適切な訳語を得るようにつとめる。
(7)その出版に際して、異読、ならびに地理や文化背景などを説明する注、引照聖句、重要語句を解説する巻末解説、小見出し、章節、地図や年表、などの本文以外の部分は、できる限りさまざまな組み合わせを考え、読者のニーズに応える努力をする。
【諮問会議議員】(団体名順)
ウェスレアン・ホーリネス教団=黒木安信、キリスト教学校教育同盟=寺園喜基・山本真司、沖縄バプテスト連盟=喜友名朝順、基督兄弟団=池本潔、救世軍=平本直、在日大韓基督教会=朴寿吉、聖イエス会=辻田協二、日本アッセンブリーズ・オブ・ゴッド教団=川上良明、日本カトリック司教協議会=下窄英知・岩本潤一、日本キリスト改革派教会=三野孝一、日本キリスト教会=三好明、日本ナザレン教団=石田学、日本バプテスト同盟=山本富二、日本バプテスト連盟=濱野道雄、日本ルーテル教団=柴田千頭男、日本基督教団=内藤留幸・中野実、日本聖公会=輿石勇、日本福音ルーテル教会=鈴木浩