ヘッドライン
[CSD]2011年2月6日号《ヘッドライン》
[CSD]2011年2月6日号《ヘッドライン》= 1面 ニュース=
◎CGNTVYou are Special「彼らは日本の希望です!」——こんなにいた!夢もつ中高生
★映画「ナルニア国物語——第3章 アスラン王と魔法の島」——2月25日から全国ロードショー
= 2 面 ニュース=
◎福音もドレスアップを「行列のできる教会」セミナー——デザイン、マーケティング、ウェブのプロが指南
★国際:多宗教世界でどう証し?——WCC、WEA、バチカンが共同提案へ
★英国:国教会から司祭7人、信徒300人がカトリックへ転会
★「富弘詩画・相田みつを書の世界」企画展3月6日まで開催
★東京キリスト教学園:ウェブでの寄付金システムを開始
★<逝去>荒木 潔氏(冤罪訴えた元甲山学園園長、79歳)
★<落ち穂>「福音のためならなんでもする」
= 3 面 =
★<竜馬をめぐる人々>[39]今井信郎の章:4——明治維新に揺れた没落武士 記・守部喜雅
★ケープタウン2001報告[8]——一みことばを生きる体験から礼拝再考 記・高見澤 栄子
★<オピニオン>ウィキリークスの教訓 記・根田祥一
= 4 面 ビジネスパーソン=
★早津 信雄さん[下]([株]デザインネットワークス取締役副代表)——篤い祈りが会堂建築の基準
★<働く人の境界線>[16]何が境界線の内側か外側か、見極める 記・中村佐知
= 5 面 情報 =
★<情報クリップ>催し情報・放送伝道ハイライトほか
★BOOK:『キリシタン大名 高山右近を追え!』高橋敏夫著(フォレストブックス、1,050円税込)
★BOOK:『旧約聖書に強くなる本』浅見定雄著(日本キリスト教団出版局、1,890円税込)
★BOOK:『シンボルで綴る聖書』今橋 朗著(日本キリスト教団出版局、1,680円税込)
★REVIEW:『ヨーロッパとは』有賀 寿著(晃洋書房、2,415円税込)評・東條隆進
= 6・7 面 特集/SAMJの足跡 =
★北欧から送られた宣教の心——広い同盟精神で宣教協力 記・吉持 章
★霊的生活願いリバイバル運動——初期から受け継ぐ海外宣教、文書伝道
★私たちがSAMJから受けたもの
★SAMJ初期の歩みから(略年表)
= 8・9 面 2・11特集 =
★なお市有地に立つ空知太神社——砂川政教分離訴訟 差戻し札幌高裁判決の問題点 記・小池健治(弁護士)
★<書籍>『信教の自由を求める叫び——靖国・天皇制問題等声明集』日本キリスト教協議会靖国神社委員会
★2・11関連集会
= 10 面 教会学校 =
★みんなでつくるCS餅つき大会——イエス・キリスト・東京若枝教会——
★<CSもうひと味>簡単コーナーレク——ひと工夫が盛り上がるミニゲーム
= 11 面 クリスチャンライフ =
★Movie:「平成ジレンマ」——戸塚ヨットスクールのいまをドキュメンタリーで(2月5日よりポレポレ東中野にて公開上映)
★米国:教会での公立高校卒業式は違憲か
★<また行きたい! 教会の魅力>[3]キーワード「仲間」?——きょうだいみたいな絆がある
= 12 面 教会 =
◎過疎化進む豪雪地帯で「教会学校続けたい」——新生キリスト・只見キリスト教会
◎CGNTV“You are Special”「彼らは日本の希望です!」−−ビジョン語った中高生ら一
教会の閉塞感、献身者の減少、後継者不足などが言われて久しい。だが実は日本にも頼もしいクリスチャン青少年がいっぱいいた…。衛星放送で日本人向けに様々なキリスト教番組を届ける「日本クリスチャン・グローバル・ネットワークTV(略・日本CGNTV)」(ハ・ヨンジョ理事長)は現在、日本のクリスチャン青少年(中高生)が夢とビジョンを語る番組「You are special」を放送中だ。その出演者らが昨年12月27日、出演者感謝礼拝を捧げるため、神奈川県横浜市中区の横浜オンヌリキリスト教会に集結した。テレビ番組「You are special」
「You are Special」は、クリスチャン青少年が夢とビジョンを語り、それを教会の牧師、スタッフ、友人、親などが応援していくという企画。1月24日現在、95人の中高生が番組で夢とビジョンを語り、出演後もその実現のために励んでいる。
当日は、番組出演者のうち約30人とその友人、牧師、両親や日本CGGNTVスタッフなどを含め約75人が参加。牧師、宣教師になりたいという青少年が大半で、「音楽伝道師になりたい」、「教会学校で子どもたちに聖書を教えたい」、「絵やアニメを通して神様のことを伝えたい」、「PA(音響)の仕事をしたい」、「建築家になりたい」など、ビジョンは様々だ。
出演後、夢の実現に向け献身して神学校に進んだ子もいる。「You are Special」第19編に出演した阿波根佳奈さんは、番組で「宣教師になること」を表明。今年3月、チャーチスクール「ガッズキングダム・クリスチャンスクール(CSOGK)」を卒業し、現在は単立・東京バイブルチャーチ設立の神学校イーストウインド・クリスチャンカレッジで学ぶ。
「両親が宣教師で、その影響で自分も宣教師になりたいと思った」という阿羽根さんは、番組でビジョンを語ったことにより、多くの人から励ましを受けたと語る。「同世代の人たちにビジョンを分かち合ったことで、特にCSOGKの先生がたやみんなが私のビジョンのために祈り、応援してくれるようになった。私も『語ったことは必ず実現する』と確信がもてた。そして、みんなと同じイエス様を見上げて歩めることがうれしいです」と笑顔で語ってくれた。
当日のプログラムも、夢実現のための第一ステップ。感謝礼拝の司会進行、ワーシップ賛美とヒップホップダンス、特別賛美、PAなどは、ほとんど出演者が奉仕。また共にビジョンを分かち合う時をもった。
米内宏明氏(バプ教会連合・国分寺バプテスト教会牧師)は「ブランド品の信仰」と題するメッセージで、「なぜ偽物がいっぱいあるのか。それは本物(ブランド)があるから。皆さんが神様のブランド品として用いられることを願う」と、出演者にエールを贈った。
日本CGNTV本部長の金勁勲氏は「今日、皆さんからエネルギーを得ている。一人ひとりは小さいけれど、一つに集まると大きな力になる。皆さんのエネルギーが日本の教会に大きなインパクトを与えると思う」と挨拶した。
出演者からは「同じ仲間がいっぱいいて励まされた」、「また一緒に集まりたい」、同席した保護者からは「彼らは日本の希望です」との声が。司会担当の笹岡祐さん(高校3年)は「チームを作って賛美ツアーをする計画がある」と明かした。出演者の、今後の活躍から目が離せない。
「You are special」は15分番組で、放送は毎週火曜日午後8時~。再放送は木曜日午後6時30分~、日曜日午後1時~。視聴には専用のアンテナが必要。問い合わせはTel.03・5338・6620。ウェブサイトからの視聴はhttp://japan.cgntv.net/
◎福音もドレスアップを「行列のできる教会」セミナー−−デザイン、マーケティング、ウェブのプロが指南=
伝えているのに伝わらない! イベントを企画したのに来てもらえない…。そんな悩みをもつ教会の牧師、信徒を対象に、デザイン、マーケティング、ウェブなどのプロ講師が、伝えたい相手に届くイベントの持ち方やウェブ、チラシの作り方などを教える「『行列のできる教会』セミナー」(PBAメディア伝道推進委員会主催)が昨年11月、東京・千代田区のお茶の水クリスチャン・センターで開催、会場があふれる関心の高さを示した。講師はだんな雄作さん(ブランド・ニュー・ライフ・ジャパン代表)、倉田麗さん、しゅん富田さん(ベストライフデザイン株式会社代表取締役)。
だんなさんは「簡単!今日からできるイケてるデザイン」の題で講演。8年間メディア業界で働いた体験を持つだんなさんは、「広告業界は、実体のないものすらスゴいものであるかのように紹介していた。一方、クリスチャンは福音をうまく伝えられない。そのギャップは何かを探ってきた」と言う。その上で、・デザイン、・文章、・写真の3つがうまく配置できた時、見た人に伝わっていくと語る。「デザインは、シンプルであること。多くの教会チラシは、詰め込みすぎ。読む人が見るのをやめてしまう。伝えるべき優先順位は何かを考え、とことん削ることが秘訣だ」
チラシ、ウェブサイトの文章は簡潔、具体的で、相手にメリットがあることを心がける。写真は相手の感性に訴えるものを選ぶ。相手によっては文章を減らし写真を増やす、とアドバイス。「あなたが体験した弱さ痛みと同じ中を通っている人に寄り添いたいという思いは、デザインを通しても伝わる」とも強調した。
広告業界でダイレクトマーケティングの表現開発などを手がける傍ら教会での広報奉仕に携わる倉田さんは、「マーケティング発想で心に届くコミュニケーションを」の題で講演。「マーケティング発想は、教会と世の中とのコミュニケーションギャップを縮める助けになる」とし、何がどう伝われば生活者の心理を動かせるかという生活者インサイトに関心をもち、それを意識した情報発信が重要と語った。
教会内で習慣化している言葉を見直したり、一般に認知度の低いイースターを浸透させるための取り組みも紹介。一般の人にはピンと来にくい「特別伝道礼拝」を、より親しみやすい「ウェルカム礼拝」に言い換えたこと、09年から町田市内の教会が協力してイースターに「しゅろの葉パレード」が始まったことを証しした。
大手企業のグラフィック・デザインを手がけ、新宿シャローム教会のウェブサイトの運営、管理を担当している富田さんは「何度も見たくなる『アンコールホームページ』の作り方」の題で講演。「総務省『09年通信利用動向調査』によると9千408万人で約8割の人がインターネットを使っている。ネットを使えば日本のクリスチャン1%が80%の人に届くことができる。デジタルの強みは一つのソースでたくさんのメディアに展開することができること。イエス様のために、教会の広報物、ホームページをパワフルにドレスアップすることで、読んでみようか、教会に行ってみようか、という気を起こさせる」とネット伝道の可能性を示唆。その上で、「完璧なデザイン、プログラムがあればイエス様抜きでもいい、ということが決してあってはならない。あくまでも中心はイエス・キリスト」と強調した。
◎過疎化進む豪雪地帯で「教会学校続けたい」−−新生キリスト・只見キリスト教会=1102061201
転機は今から5年前福島県南会津郡只見町。福島県の最西端にあり、山を越えると新潟県という人口約5千人で、高齢化率41・4%という山間の町。また、日本有数の豪雪地帯でもある。
教会の一日は雪かきから始まる。軒先2メートルも積もった雪をかき降ろしていくと十字架が現れ、「新生キリスト教会連合 只見キリスト教会」という看板が出てくる。
この「新生キリスト教会連合」は、町田クリスチャンセンター(杉本智俊牧師)を中心に、キリストの栄光教会(川端光生牧師)、相模原ホープチャーチ(佐藤聡牧師)、中通りコミュニティチャーチ(増田泰司牧師)からなり、只見キリスト教会(上野浩之宣教主事)は町田クリスチャンセンターの付属教会である。
上野さんは、平日は千葉県内にある会社に勤務し、土曜日の朝、JR東北本線の始発に乗って西那須野駅で下車。そこにとめてある車に乗り替えて約125キロ、まさに山を越え、谷を越えて只見の家にたどり着く。そして日曜日の夕方には再びその道をたどって上京する。この只見町は上野さんの妻・忍さんの生まれ育ったところ。
転機は今から5年前。忍さんの父親が病に倒れて入院したため、忍さんと子ども2人が実家に移り住むことになり、2006年4月から、上野さんは東京に、家族は只見にという生活になった。
「教会学校を続けたい」
只見町には教会がなかった。正確に言えば、昔、日本基督教団の只見伝道所があったが、今は建物を残すのみになっている。
教会がないということは教会学校(CS)もないということ。上野さんの子どもたちは生まれた時から教会に通っており、CSのメンバーでもあった。上野さん自身もCSの先生を務めたこともある。「CSを続けたい」、そんな熱い思いにかられ、07年1月に、「サンデーキッズ只見」をスタートさせた。
教材は上野さんの手づくり。平日、仕事から帰ってきた後、つくることになる。「最初はひとつつくるのに5、6時間かかりましたが、今は3時間くらいですね。大分慣れました」と上野さん。毎週、この教材をパソコンに収めて只見に向かう。
CSの中心は2人の息子たち。長男の浩太くんは只見小学校の6年生、二男の慎太くんは4年生。友達に声をかけて、今では5、6人が集まっている。
最初は町の公民館を使っていたが、宗教関係ということで断られたため、元只見伝道所だった建物を借りたものの、準備や片付けに貴重な時間を取られてしまう。そこで物件を探したところ、格好の民家を入手することができ、1階を改造して会堂にし、「教会」の看板を掲げることができた。
日曜礼拝は昨年の4月4日、イースターから始めた。最初の礼拝は「宣教主事」の上野さんがメーセージを語り、忍さんと2人の息子、只見の友人2人、さらに上野さんが信仰の友と呼ぶ韓国の友人、呉勇周さんが参加した。呉さんはその後毎月、会津高田から70キロの道のりをやってくる。
未来に備える種まき
「CSに力を入れようと思っていますから、日曜礼拝は月1回が精いっぱいです」と上野さんは言う。目下、CSは毎週、日曜礼拝は月1回のペースだ。
その上野さんには大きなビジョンがある。「30年後に250人の教会をつくる」というビジョンだ。そのためにも、今の子どもたち、CSに来ている子どもたちに期待する。今、CSに力を入れているのも未来に備える種まきである。
その種を大きく育てるために、また、出て行った子どもたちが戻ってこられるように、上野さんは農業に目を向けている。昨年はトラクターを購入し、その運転技術も身につけた。次は田植え機を買う予定だ。
定年まであと5年。JTJ宣教神学校での学びも遅々としてはいるが、進んでいる。
地方の教会の現状は悲惨だ。消えていってしまう教会。上野さんはそれを目の当たりにしているだけに、「子どもたちに福音を伝えないと…」という思いを強くしている。
◇
只見キリスト教会=〒968- 0421福島県南会津郡只見町大字只見字寺456ノ1、Tel.090・6025・8348。 【清水茂則】