ヘッドライン
[CSD]2011年5月22日号《ヘッドライン》
[CSD]2011年5月22日号《ヘッドライン》= 1面 ニュース=
★J+ASSION Tokyo 2011:災害時だからこそ開催——「すべてを神に」信仰の決心をチャレンジ
★復興の第一歩「荒野」で礼拝——会堂流出した気仙沼第一バプテスト教会の跡地に十字架立て上げ
= 2 面 ニュース =
★危機に打ち勝つ復活のいのち——震災後の首都圏イースター「恐れを変え活かす力」を宣教
★J+ASSION:「東北から賛美伝えたい」——救援活動で宣教姿勢変わる
◎ゴスペルの力を被災者に——クリスチャン・アーティストら「東北応援団」結団式
★<落ち穂>中国家の教会からの祈りと義援金
= 3 面 教界ニュース =
★<竜馬をめぐる人々>[45]坂本直寛の章:3——土佐における自由民権運動 記・守部喜雅
★<召天>女川町津波で一粒の麦に——「宝のような信徒だった」内海修子さん
★<召天>ケネス・マクビーティ氏(いのちのことば社創設者、前会長)
★<オピニオン>ビンラディン射殺は正義の勝利か 記・根田祥一
= 4 面 ビジネスパーソン=
★高橋 恵介さん[下]([株]ブリックス マーケティング本部事業企画部長)——100年後の日本のデザインを
★<働く人の境界線>[最終回]失敗を通してこそ神に似た者へと成長 記・中村佐知
= 5 面 牧会/神学/社会=
★牧師性加害はなぜ起きたか(4)——日本ホーリネス教団 検証報告を公表?
★米国:福音派出版協会キリスト教書賞に『ボンヘッファー』E・メタクサス著
★国際:中東への民主革命支援に警告——メルキト典礼カトリックのグレゴリオス3世が声明
★<精神障害と教会>[96]誤解と偏見(1)「この最も小さい者」とは誰? 記・向谷地 生良
= 6・7 面 異端・カルト特集=
★要注意!近ごろの韓国系異端——過度の「悪霊」強調は危険 解説・張清益
★「霊の戦い」誤解するとこう危ない——『霊の戦い——虚構と真実』ウィリアム・ウッド、パスカル・ズィヴィー著(いのちのことば社刊)
= 8 面 特集/隣人ってだれ?~特別篇~=
★「共に生きたい」教会の祈り結実——重症心身障害児施設・久山療育園
= 9 面 情報=
★<情報クリップ>催し情報・放送伝道ハイライトほか
★お知らせ:「エリヤ会シンポジウム」5月28日、東京・お茶の水クリスチャンセンターで
★CD:「心から」Praise Station(全13曲、2,100円税込)URL http://church.ne.jp/praisestation/
★BOOK:『恵みの輝く朝』野田 秀著(いのちのことば社、680円税込)
★REVIEW:『小さなツッコミ、大きなお世話』水谷 潔著(いのちのことば社、1,260円税込)評・鈴木雅也
= 10 面 関西だより =
★京都中央チャペルが長期支援視野に災害復興基金を設立——5月末にはチャリティコンサート
★聖句書道展:今年も大阪開催から全国へ展開
◎働き手、祈り手の必要を痛感——イースターシューズボックスで文具を4校へ届ける
★5月21日から聖書を深く理解するセミナー——神戸バイブル・ハウスが主催
★JAYE公山さんら山の辺ゴスペルフェスタ——5月28日に開催
= 11 面 クリスチャンライフ =
◎南三陸町を支援したイスラエル医療チーム——B.F.P.Japanが通訳奉仕で架け橋に
★マレーシア:政府提案で聖書に「キリスト教出版」と押印
★<また行きたい! 教会の魅力>[13]キーワード「ミニストリー」?——支持待たずに各自が自然にチームワーク
= 12 面 ひと=
★キム・ナリ(韓国・女子プロゴルファー)——試合は最善尽くすが欲張らない
◎ゴスペルの力を被災者に−−クリスチャン・アーティストら「東北応援団」結団式=
クリスチャン・アーティストとその関係者の協力による東日本大震災被災者支援「東北応援団〈LOVE EAST〉」の団結式が4月30日、東京・新宿区西新宿の新宿シャローム教会であった。理事長に仙台出身のゴスペルシンガー岩渕まことさん、副理事長に発起人のゴスペルシンガー久米小百合さんが就いた。◇
「私は仙台で、妻は栗原市出身。若い頃、よく遊びに行き、ドライブした場所が一個一個津波にのまれていくシーンをテレビで見た時、本当にあ然としてしまい、1週間近く放心状態で、何でこんなに泣くのというぐらい泣いた。ひょっとしたら、遠くにいた私も小さな被災をしているんだなと思った。そんな時、小百合さんから『何かやりましょう』とメールをいただいた」。岩渕さんは語る。
「小さいからできることがある。困っている人に必要な物を届けられ、泣いている人のところにすぐ行ける。誰が、何が必要かを知り、個人レベルの判断で対応できる」と岩渕さん。「4月24日から2日間、宮城県に行き、気仙沼のある家で崩れた塀を片づける働きをした。その家の人が私たちに『ありがたい。申し訳ない』という気持ちで頭を下げていた。そういう被災地の人たちの気持ちに寄り添い、ひたすら仕えていきたい」と語った。
久米さんは東日本大震災の後、「何かできないか」と一人悶々としていたが、「この気持ちを誰かに打ち明けたい」と、最初に岩渕さんとジョシュア佐佐木さん(ワーシップ ジャパン学長)にメールをしたという。
また、津波にのまれて亡くなった妹夫妻の息子と娘を引き取った人からのメールを紹介。「小6の坊やが寝ている時、『お母さん、早く逃げろ』とうなされ、目が覚めました。その子に義理のお父さんが『大丈夫だよ。安心してね』と言って寝かせたそうです。私たちは、震災孤児になってしまったそのような小さな子どもたちのために祈りをささげていきたい」と語った。
田島実さん(単立・神の家族主イエス・キリスト教会牧師)が、ローマ1・16から「ゴスペルのちから」と題してメッセージ。「ゴスペルを知っている皆さんが、多くの物資を送ってくださり、それが東北の地に届いている。直接、東北の地に出かけて行き、ボランティア活動が展開されている。被災地ではどうしてキリスト教にこれだけの組織力と財力があるのかと、行政も現地の人たちも驚いている。これがまさにゴスペルの力だ」
「このゴスペルの力を被災者が体験することがこの働きの目的」と田島さん。「私たちもゴスペルを聞いて救われ、希望をもち、喜び、生きている。このゴスペルを東北の地に届けることで被災者の方々の生きる力になり、ゴスペルを聞き受け入れた人がまた、ゴスペルを伝えてくれる。皆さんがその一翼を担って活動してほしい」と結んだ。
東北応援団〈LOVE EAST〉は現在、NPO法人の手続きを進めており、音楽やアートを用いての長期的な支援を考えている。Tel.042・522・9935、Email: gospel@worship-japan.com URL http://love-east.com/
◎働き手、祈り手の必要を痛感−−イースターシューズボックスで文具を4校へ届ける=1105221003
新学期を迎える被災地の子どもたちのために、各地から文房具を募って届けたキッズ&ファミリーサポートミッション(KFMS)から、感謝を込めたレポートが届いた。◇
被災地の入学式に間に合わせるため、準備期間がわずか2週間ほどしかありませんでしたが、予想を超えた文房具が集まりました。それらを現地で分配しやすいように種類別に仕分けすると共に、その中からさらに文房具セットとして、300パック以上を作成し、それぞれにいただいたメッセージカードを添えました。
現地には2トントラックを使って3人の牧師たち(山下亘、足立理明、丸本浩)が向かいました。今回文房具を届けさせていただいたのは、宮城県の石巻市立湊小学校、女川町立女川第二小学校、石巻市立渡波小学校、南三陸町立志津川小学校の4校でした。
あらかじめ計画を立てていても、実際に現地に行ってみないと必要が分からない場合もあり、はたして有効に子どもたちの手に届けられるのか不安でもありました。しかし主は絶妙のタイミングで必要な連絡が入るようにして下さり、結果的に時間をロスすることなくほとんどの文房具をお渡しすることができました。
また、グラウンドで元気に遊ぶ子どもたちの姿を見て、子どもたちのたくましさ、生きていることの素晴らしさを再確認させられもしました。しかし中には、まだ電気も水も来ておらず、学校再開のめどさえたっていないところもあります。これからも引き続き、子どもたちのため、先生方のための支援が必要であることを感じさせられます。
今回私たちがさせていただいたのは、全体からすればほんのわずかなお手伝いにしかすぎませんが、被災地においては、ひとりの偉大なヒーローよりも、無名の何万という働き手、祈り手を主が必要とされているのではないかと思わされました。
最後に、この度の働きにご協力くださいました各教会の皆様、日本宣教センター(JMC)の先生方、同盟基督・山形恵みキリスト教会、NPO法人「Future&Hope」、イーストウィンドの皆様に心より感謝を申し上げ、ご報告させていただきます。(記=JEC・国分福音教会 丸本浩)
◎南三陸町を支援したイスラエル医療チーム−−B.F.P.Japanが通訳奉仕で架け橋に=110522
東日本大震災を受け派遣された、医師、看護師、技術者など約60人からなるイスラエル医療チームは、3月28日から4月10日までの約2週間、津波被害の大きかった宮城県南三陸町で医療活動にあたった。その間、長年イスラエルとの架け橋として活動してきたB.F.P.Japan (ブリッジス・フォー・ピース・ジャパン)は、イスラエル大使館の要請を受け、通訳ボランティアを派遣。イスラエル人医師と被災者との間をとりもつ働きをした。高田篤美さん(B.F.P.日本支局長)に話を聞いた。同震災で日本に医療チームが派遣されたのは、イスラエルが初めて。震災直後、イスラエル政府が日本政府に支援を申し入れ、南三陸町の隣の栗原市(佐藤勇市長)が受け入れ表明したことで実現した。「佐藤市長は若い頃、キブツで奉仕した経験があり、イスラエルと友好があった。他に30か国ほど医療チーム派遣の申し入れがあったが受け入れが難しく、イスラエルだけが地元行政と連携できたのは、佐藤市長の力が大きい」と高田さんは言う。
イスラエル医療チームはエックス線などの医療機器を持ち込み、南三陸町で仮設クリニックを開設。10日に活動を終了するまでの間、負傷者および地域の避難している人々の治療を行った。
その間、奉仕を買って出た12人のB.F.P.Japanメンバーが英語通訳の奉仕をした。また、「ジャケットや毛布、様々な物資、支援金を、B.F.P.イスラエル本部がイスラエル医療チームの方々に現地で寄付させていただいた」。
彼らの医療活動は現地の人々に大変喜ばれた。その理由として高田さんは、「患者さんの目線と自分たちの目線を合わせる姿勢、最高峰の医療」を挙げる。「東北の方々は普段シャイな方が多いのですが、町の人もすぐ心を開き、よく話をされていました。それは、医師たちが被災者の身になって診療している姿が見えるからでしょう。さらに、確かな医療技術と礼儀正しい対応が喜ばれました。今回のことで、イスラエルに対する日本人のイメージも変わったと思います」
医療チームは、もっと長期間活動する予定だったが、災害の規模の割にけが人が少なかったこともあり、2週間で切り上げ帰国。その代わり、持ってきた医療機具を、南三陸町に寄贈。津波で壊滅状態の志津川病院再建のため使われることになった。「町の人たちにとって、志津川病院が無くなったことは大きな悲しみだった。だが、この医療機器があることで志津川病院がどこよりも早く再スタートすることができた。このことは町の大きな希望となりました」
高田さんは、医療チームのメンバーが現地の人々の祝福を願い、仮設クリニックから避難所まで行進する姿を見ながら涙が出たと語る。「30年前、ブリッジス・フォー・ピース(B.F.P.)の働きが始まった当初、イスラエル人はクリスチャンに対して強い拒絶をもっていた。私たちはその溝を少しずつ埋めていき、信用を構築してきた。今、彼らは私たちを通訳者として受け入れ、私たちが提供するジャケットを着て医療活動を行っている。これは30年前にはありえなかったことで、まるで夢のよう」と目を潤ませた。