ヘッドライン
[CSD]2011年5月29日号《ヘッドライン》
[CSD]2011年5月29日号《ヘッドライン》= 1面 ニュース=
★「ここに遣わされた」と教会のない宮城・山元町で——震災直後の中学校に教師初就任
= 2 面 ニュース=
◎東日本大震災:仙台の宗教者ら「心の相談室」開設——今は遺族・被災者らの悲嘆ケアを(http://www.sal.tohoku.ac.jp/kokoro/iary.cgi)
★東日本大震災:被災教会の牧会者セミナー——6月にパーパス・ドリブンが蔵王で開催
◎東日本大震災:クリスチャン臨床心理士らがフェイスブックに情報を集約——「震災とケア」(http://facebook.com/ccp.shinsaicare/)
★東日本大震災:ユーオ—ディアが毎月チャリティ演奏会——第1回を東京・三軒茶屋で開催
★東日本大震災:いつか震災卒業式を——復興支援超教派一致祈祷会で佐藤彰氏語る
★<落ち穂>カオスのただ中に立つ十字架
= 3 面 =
★<竜馬をめぐる人々>[46]坂本直寛の章:4——自由民権運動と宣教師たち 記・守部喜雅
★仙台でイースター集会——初めて福音に触れたボランティアも
★いのちのことば社:福音文書で復興支援——海外からも協力集まる
★<オピニオン>若い伝道者を育てる温かいまなざし 記・嵐 時雄
= 4 面 ビジネスパーソン=
★町田 要一さん[上](弘和印刷[株]取締役)——何か得体のしれないものが…
★<『もしドラ』教会編>[6]マーケティングは販売を不要にする?——未信者のニーズに応える仕組み作る 記・千葉雄志
= 5 面 情報 =
★<情報クリップ>催し情報・放送伝道ハイライトほか
★BOOK:『夢は実現する 女性牧師の気づきと奇跡の物語』倉形眞弓著(文芸社、1,575円税込)
★CD:「大丈夫 ひとりじゃないよ」全7曲(ライフ・クリエイション、1,890円税込)
★BOOK:『フィリピの信徒への手紙』山崎英穂著(日本キリスト教団出版局、1,260円税込)
★REVIEW:『健全な信仰をどう育てるか』丸山昌也著(いのちのことば社、1,260円税込)評・坂野慧吉
= 6・7 面 宣教アイテム特集 =
★「デザインを宣教に生かしたい」と昨年設立——ライフデザイン(http://design.riverflowcreative.com/)
★<書籍>『聖書がわかる! クロスワードパズル』黒予言の葉(いのちのことば社、680円税込)
★「伝道文書は日本人99%が市場」——グローリーブックス(http://ww1.hot-milk.jp/~glory/)
★被災地へ届け トラクト各種——「こころの傷を通して…」「今、あなたに何が起こっているのか?」「子どもの心をケアする」
= 8 面 視力障害者特集 =
★晴眼者と手を携え 世界へ——日本盲人キリスト教伝道協議会が60周年
★「60年間一度も途絶えず」——祈りの中誕生した大阪盲女子集会
★イエス様が灯してくれた希望の光——中途失明のどん底から
★全盲ピアニストのホアン・チョケーさん——東日本大震災チャリティで演奏「神様は励まし合う機会与えてくれた」
= 10 面 教会学校 =
◎お父さんお母さんも教会へどうぞ——日基教団・久が原教会のファミリー礼拝
★<CSもうひと味>東日本大震災チャリティーYouth Live!
= 11 面 クリスチャンライフ =
★教団超え、聖書の学びと交流を——JTJ通信神学生から広がる輪「ぽぽの会」
★Movie:「光のほうへ」——心の重荷を解き放つ愛の光
★<また行きたい! 教会の魅力>[13]ミニストリー「礼拝篇」?——温かく教会に迎え入れるために
= 12 面 教会 =
★文化の違いも超えてキリストで一致——フェイス&ビクトリー国際教会
◎東日本大震災:仙台の宗教者ら「心の相談室」開設−−今は遺族・被災者らの悲嘆ケアを(http://w
宮城県仙台市で、東日本大震災の支援として宗教者を中心に「心の相談室 」が立ち上げられた。電話担当の川上直哉牧師(日本基督教団仙台市民教会主任担任牧師)に聞いた。「心の相談室」は、宮城県宗教法人連絡協議会、仙台市仏教会、仙台キリスト教連合が協力して設立。宗教者にとって死者の弔いが責務だとし、宗教宗派を超えて、死者の弔い、遺族の悲嘆ケアを行うことを目的にする。カウンセリング、医療、生活支援の専門家とも連携をとって、支援の仕組みをつくる。
4月いっぱいは仙台市の葛岡斎場で「心の相談室」を開設。5月からは斎場での相談窓口を閉じ、宗教者、カウンセラー、医療者の有志を主体とした避難所での相談、啓発・講演活動、電話相談の活動を始めた。5月初めの10日間で電話の相談は3件。「特に沿岸部はまだ落ち着いて弔いに向かうのは難しいようだ。今、皆の注目は仮設住宅建設にある。仮設住宅に入った後に心に向き合うと思われます」
「心の相談室」を進める中で、東北人のコミュニケーションの仕方に気づいたという。川上牧師が特に強調するのは「東北では、『伝道』してはいけない」ということ。
東北人にとって人間関係が重要。「身内に対しては明け透けなコミュニケーションをするが、他人に対しては警戒心を持つ。僧侶も、偉い人、一目置く人とされはするがお客様という位置づけ。さらに外側に他人がいる。今は東北沿岸の人々から教会が見直されている。しかしここで一気に直接的な伝道をしてはいけない」という趣旨だ。
「売名行為を嫌う。今はただ黙って奉仕して、ひたすら祈ることが大切。身内までなるべきかは分からないが、一目置かれるお客様になり伝道ができる。やめてしまったらだめ。やり続けることで、変な人だけれど熱心にやっていると一目置かれることが大切」と強調した。
5月になり、被災地はは一変した。4月まではどこの被災地でも同じニーズがあった。今は違うニーズがそれぞれの所である。4月のようにやるとミスマッチがあるという。実務者を増やすなど、組織、実績づくりが課題。その後に広く協力を求める。「教会で人生相談をしているところがあるので、『心の相談室』に協力を呼びかけたい。まずは布教なしでの相談が大事。布教は相手の必要に応じて次の段階です」
当初「心の相談室」では、弔いと遺族・行方不明者の家族のグリーフケアを中心にする方針だった。心のケアについては行政も追いつかないところがあるという。川上牧師は「被災者一般の心のケアにも活動を広げる必要を感じている」と課題を述べた。
5月末から6月に被災者の心のケアに関するワークショップを各地で開催する。詳しくは http://www.sal.tohoku.ac.jp/kokoro/iary.cgiS
◎東日本大震災:クリスチャン臨床心理士らがフェイスブックに情報を集約−−「震災とケア」(http:/
クリスチャン臨床心理士の藤掛明さん、村上純子さんが、ソーシャルネットワークfacebookに「【クリスチャン臨床心理士】震災とケア」という公開ページを開設した。心のケアに関する情報や提言をしていくことが目的。2人の臨床心理士はともに心理相談室「聖学院大学グリーフケア・ルーム」でカウンセラーを務め、被災者ケアの話題も語り合っていた。それぞれに個人ブログやfacebookの個人ページなどで、被災者の心のケアにまつわる記事を書いていたが、そうした情報がすぐに「過去記事」となり、他の記事に埋もれてしまう傾向にあった。そこで、被災者ケアに焦点を合わせたfacebookページを共同で開設し、蓄積していくことにした。このページにはfacebookに登録しなくてもアクセスできる。http://www.facebook.com/ccp.shinsaicare
*ccpとは、Christian Clinical Psychologist
◎お父さんお母さんも教会へどうぞ−−日基教団・久が原教会のファミリー礼拝=1105291001
東京都大田区にある日基教団・久が原教会(藤崎義宣牧師)の教会学校(CS)では月に一度、付属のこひつじ幼稚園に通う子どもとその保護者を招く、「ファミリー礼拝」を開いている。内容は前奏に始まり、暗唱聖句、賛美歌、聖書のお話など。基本的には普段のCS礼拝と変わらないが、人数も増え、どことなく活気が漂う。全体での礼拝が終わると、他週のCSと同じく、子どもたちは分級に分かれる。記者が訪ねた3月27日はイースターの前ということもあり、受難・復活劇の練習をしたり、小学科を卒業する6年生のためにチョコフォンデュを楽しんだりと、生き生きした時間をもった。
◇
同教会のある場所は大田区の閑静な住宅街。60年以上の歴史ある付属幼稚園は地域の信頼を集めるが、教会と地域とはなかなか接点がないのが実情だ。「地域の人たちに気軽に教会に足を運んでもらいたいという思いから、幼稚園の方を、教会主催のイベントやCSにお誘いするようになっていきました」と、CS教師歴40年、同教会責任役員の浅見英明さんは言う。そんな中で、ファミリー礼拝が始まったのは2年ほど前。子どもや母親たちだけでなく、家族でと呼びかけたところ幾人かが出席するようになり、現在は、園児の保護者は15人ほどが集まる。「来年度からは、月に2回にしてはどうかと思案中です。もっと多くの方に出席していただければ」と語る。
ほかにも、教会と幼稚園との接点は様々。ファミリー礼拝以外の週は、子どもたちがCSに出席している間、キリスト教に関心のある保護者などを対象に、お茶を飲みながら自由に語り合う「ハーバークラブ」、月に一度、日曜日に牧師や幼稚園教諭、教会員が証しや演奏を披露し園児保護者との架け橋を目指す「虹の会」、未就園児とその母親のコミュニケーションスペース「こひつじ広場」(木曜)なども、好評だ。
「お父さんにも関わっていただいています。日曜日の子どもの送り迎えはお父さんたちにお勧めし、お母さんにひと休みしてもらう。第1日曜の午前には、お父さんを対象にした『パパひつじの会』を開いています。無理なく、楽しく、子どもとふれあいながらお父さん同士も交流をもっていただくことを願っています。これまでに、シャボン玉などを作る『親子チャレンジサイエンス』や『親子チャレンジクッキング』などを楽しみました」と浅見さん。秋には、教会のバザーで父親たちによるゲームコーナーも。「お父さんたちは、子どもたちにいいところを見せたいですから、すごく張り切るんですよ」と笑う。
園児や保護者を巻き込むことで、少しずつ地域との接点が芽生え始めている同教会。「卒園生をつないでいくことで、CSや教会にも活気が出てくると思います。地域に密着した教会として、ヨーロッパのように町の中心のような場所になれば」と、浅見さんは語った。