ヘッドライン
[CSD]2012年1月1・8日号《ヘッドライン》
[CSD]2012年1月1・8日号《ヘッドライン》= 1面 ニュース=
◎新年メッセージ:収穫の主に期待して 記・近藤愛哉
= 2 面 ニュース=
◎金正日総書記急死 どう祈るか——後継者の心が変わるように 横田早紀江さんが要請
◎映画「私を生きる」緊急公開——「君が代」強制をおかしい、と言った教師たちの実像
★9か月目の3・11一致祈祷会——山北宣久氏「闇の中のクリスマス」語る
★<落ち穂>内村鑑三の感慨
= 3 面 =
★<竜馬をめぐる人々>[71]坂本直寛の章:30——晴耕雨読 天職への転向 記・守部喜雅
★いますぐ原発への廃止を——カトリック司教団がメッセージ
★<オピニオン>信頼関係による変革の道 記・中澤達生
★情報クリップ
= 4・5 面 特集/夢と希望を語る若者たち=
★ピアノの奏楽通して神様を礼拝したい——吉田和奏
★医療を用いて世界宣教 語学にも力を入れたい——堀井 翼さん
★看護師になって人助けできたら幸いだなぁと——伊藤 聖さん
★一輪車を使ってイエス様のこと伝えていきたい——安部 聖香さん
= 6・7 面 PRのページ =
★「教会福音讃美歌」新春に発刊——礼拝賛美と宣教に用いられることを 記・安藤能成
★礼拝で会衆が一緒に歌える 記・田中 進
★伝統曲から新作までジャンルも多様 記・下川羊和
★5曲に2曲は新しい歌詞に出合う 記・齊藤一誠
= 8 面 PRのページ =
☆教会・宣教団体・クリスチャン企業
= 9 面 仕事と信仰=
★瀬尾雅之さん([有]S.E.O.代表取締役社長)[下]——何もできないときに主が働かれる
★<定年後の挑戦>[9]牧師、特養老人ホーム施設長にシフト 記・星野 隆三
= 10 面 PRのページ =
☆教団・伝道団体
= 11 面 伝道・牧会を考える=
★ケープタウン決意表明(12)——私たちが愛する主のために?
★解説:福音のストーリー性
★<小さき人々のパラダイス>[11]共働学舎の挑戦——生きる意味を必死に求めたダテオ君? 記・佐原俊幸
= 12 面 レビュー=
★CD:「北上夜曲」岩渕まこと・由美子(MAKOT BOX、全10曲、2,625円税込)
★CD:「J-Frontines Live Worship2011」(ニューホープ東京リソース、全8曲、1,260円税込)
★BOOK:『出来事の言葉・説教』加藤常昭著(教文館、A5判、4,725円税込) 評・郷家一二三
★BOOK:『鉄道きょうだい』E・ネズビット著(教文館、四六判、1,680円税込)
★BOOK:『くまのテディ シリーズ』レスリー・フランコ&ニコラ・スリー著、ローラ・クーパー絵(日本キリスト教団出版局、A5判、各1,050円税込)
★BOOK:『子どものとき、戦争があった』いのちのことば社出版部編(いのちのことば社、四六判、1,260円税込)
★Movie:「しあわせのパン」原田知世、大泉 洋主演(1月21日より北海道先行公開。URL http://shiawase-pan.asmik-ace.co.jp/ )
==新年特別増大号 第2部==
= 13 面 人間ドキュメント=
★泥沼に咲き出た一輪の白蓮——朝鮮をこよなく愛した浅川巧
= 14 面 特集/日韓の架け橋・浅川巧=
★「朝鮮人の弁護に行きたい」——関東大震災 朝鮮人大虐殺の情報に触れ
★浅川巧を描いた映画「道~白磁の人」(高橋伴明監督)——2012年初夏より全国公開
= 15 面 特集/日韓の架け橋=
★日本人・日高教師に助けられた転機——学生時代に抗日愛国運動に参加していた具斗書
★「被害者意識持つのは当然」としていた思いを日本人に謝罪——日本宣教に情熱を傾注したハ・ヨンジョ氏
= 16 面 全面広告=
☆教会・伝道団体・クリスチャン医療関係
= 17面 全面広告=
☆フラ・グレイス フェスタ2012——東日本大震災チャリティイベント
2012年2月4日午後2時開演 会場:エル大阪
HP http://www.gospeltv.jp/hulagrace/
= 18・19 面 特集/小さないのちを守る会=
★高校生の「できちゃった」に周囲は中絶を勧めたが…
★窓口に中絶の相談… でも、本当は産みたい 記・保健師・鈴木 栄
★一児の父となり、中絶・虐待の現実を知り 記・逃れの街ミニストリー代表・中村 穣
★「守る会」応援トラクトCD「光に照らされて」(300円)
★いのちを守る会ネットワーク http://chiisana.org/
= 20—23 面 神学校特集=
★明日の宣教に資する教会と神学校との協力関係 記・関野祐二
★教会が期待する神学校・聖書学校との協力関係 記・清水吉雄
★TCU夏期伝道レポート——ともに福音の恵みを受けるテーマに 記・山城恵美
★「日本人に日本語で聖書を教えたい」夢かなう——女性の賜物活かす奉仕を聖書から授業するモニカ・ブルッテルさん
★地域教会と共に献身者を育てる東海聖書神学塾——教会に貢献する教育けざして 河野勇一塾長に聞く
= 24 面 インサイド・ニュース=
★戦争を止めようとした人々をめぐる秘話——賀川豊彦とスタンレー・ジョーンズを語る後宮敏夫牧師
◎新年メッセージ:収穫の主に期待して 記・近藤愛哉=1201010101
そのとき、弟子たちに言われた。「収穫は多いが、働き手が少ない。だから、収穫の主に、収穫のために働き手を送ってくださるように祈りなさい。」マタイ9・37、38主が祈られる姿を見たときに、「私たちにも祈りを教えてください」と声をかけたあの弟子のように(ルカ11・1)、私たちもどのように祈るべきかという主のことばに聞くことから2012年の歩みを始めたいと思う。福音書の中で「祈り」について教えている個所はそう多くはないが、冒頭に挙げた個所において主は、「働き手を送って下さるように祈りなさい」と命じられている。では、「そのとき」というのは一体いつのことなのだろうか。 直前の個所に、「すべての町や村を巡って、会堂で教え、御国の福音を宣べ伝え、あらゆる病気、あらゆるわずらいをいやされた」とあるように、それは主が人々のただ中にご自分の身を置かれた「そのとき」、さらには「羊飼いのない羊のように弱り果てて倒れている群衆を見てかわいそうに思われた」「そのとき」だということがわかる。「祈りなさい」という命令に注目してみたい。「(切に)願いなさい」、「懇願しなさい」とも訳し得るこの語は、例えば、全身をツァラアトに冒された人が主の前にひれ伏してきよめられることを願った場面や(ルカ5・12)、父親がひとり息子から悪霊を追い出してくれるように願った場面でも用いられている(ルカ9・38)。それぞれの切迫した状況と心情を思うとき、同じ言葉をもって弟子たちに命じられている主の思いの強さもまた迫ってくるように思われ、これまでの信仰の歩みを通してどれだけ真剣にこの主の命令を受け止めていたかと問われる。人々の生の現実に身を置かれ、圧政による苦しみ、社会的な不平等や貧しさ、不条理、何よりも神から離れて歩む罪人の窮状を知るにつけ、主は心を動かされ、深くあわれみ、弟子たちに対してもご自分と心を合わせ、父なる神に懇願するよう求めておられるのだ。働き手を送ってくださるように、と。
震災後に被災地での働きを続ける中で、命は助かったものの喪失による深い悲しみと先の見えない大きな不安の中に置かれ、どこに希望を見いだしたらよいかもわからずに、まさに「弱り果てて倒れている」多くの方々とお会いしてきた。行政や様々なボランティア団体により、生活のために必要な物資は次々と届けられたかもしれない。しかし、そこに身を置き、他の何よりも必要であるはずの「御国の福音」を分かち合うことの出来る存在があまりにも少ない現実を思うとき、切なる願いが内から沸き上がってくる。「主よ。働き手を送って下さい…」
しかし、これは何も被災地だけの現実ではない。もし主がかつてガリラヤを巡られたように、私たちが住む市や町を巡られ、そこに立たれたとするならば、一体何を思われるのだろうか。いや、主は立っておられるのだ。そして、主を知らずに歩む人々、希望を見いだすことも出来ずに、羊飼いのいない羊のように行くあてもなくさまよう人々、悩みのうちに滅びてゆく人々を深く憐れんでおられるのだ。「キリストのからだ」なる教会が主の眼差しと深いあれみとを共有させて頂くとき、主が命じられた通りに「収穫のために働き手を送って下さるよう」懇願するものと変えられるのだ。
しかし、その「働き手」は一体どこから遣わされてくると言うのだろうか。一つの答えが福音書の中に示されている。主が命じられた後、この祈りを共有した弟子たちこそが遣わされていったことが記されている(マタイ10・5~、ルカ10・3~)。懇願する者は同時に、自らが収穫のための働き手として遣わされようしていること、遣わされていることにもまた目が開かれていくのだ。
被災地にあっても、福音に初めて触れ、心開かれ救いへと導かれる方々が起こされている。私たちの目には荒廃した困難な状況に見えたとしても、主ははっきりと「収穫は多い」と断言されている。主は私たち信仰者を通し、この国の至る所で、御国の福音が宣べ伝えられ、分かち合われることを求めておられる。この新しい年、切なる思いで懇願し、祈り続けようではありませんか。「主よ。収穫のために働き手を送ってください」。そして、「さあ、行きなさい」(ルカ10・3)と語られる主のことばを聞きながら遣わされて行こうではありませんか。収穫の主に心から期待しながら。
◎金正日総書記急死 どう祈るか−−後継者の心が変わるように 横田早紀江さんが要請=120101020
北朝鮮の最高指導者であった金正日総書記が12月17日に心筋梗塞で急死したと、19日、同国国営メディアが伝えたことを受けて、三男の正恩氏への権力委譲で情勢が不安定化するのではないか、拉致問題はどうなるのか、など様々な観測が流れている。それでは私たちはこの事態に何を覚え、祈るべきか…。拉致被害者の横田めぐみさんの母、早紀江さん(75)は本紙の電話取材に、今の心境をこう語った。「一つの悪が消滅し、息子(金正恩)があとを継ぐことになったけれど、まだどういう人物かわかりません。金正日は非常に心が頑なだったので、正恩氏は頑なな心が変わっていってほしいです」
「ここまで祈りが聞かれた。これからが正念場」だとも強調。「日本の政治家がこの機会を捕らえ、拉致被害者の方々のいのちが守られ、1日も早く無事帰国できるよう、皆さんの祈りがますます必要になってきます。政府の主だった人々をはじめ、皆さんに神様からの知恵が与えられ、道が開かれていくように、ますます神様の栄光が現されていくように」と、祈りを要請した。
12月19日の記者会見では、金総書記に対し「憎い。でもどんな悪い人でも人間。できれば亡くなる前に友好的な思いをもってもらって、解放してほしかった。せめて意識がある間に悔い改めてもらいたかった」と語っている。
「北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会(救う会)」会長の西岡力・東京基督教大学教授は、 「金正日政権下、朝鮮人民の人権を侵害した。人口の1%にあたる20万人が強制収容所で虐待、300万人の国民が餓死、韓国、日本を始め世界中から人々を拉致した。犠牲者の中にはクリスチャンもいた。近年は哨戒艦沈没事件や延坪島砲撃事件などテロがある。このような暴政が金正日死去で終わるのかどうか、まだ流動的だ。政権下で虐待された人々、いまだ犠牲になっている人々のことを考え、祈りたい」と語った。
「救う会」では、北朝鮮拉致問題に取り組むNGOと協力して、金正日の葬儀が行われる12月28日に、犠牲者に思いをはせる東京集会を開く。「追悼ムードにだまされず、この体制が終わっていないことに思い至るべきだ」と強調した。
在韓ソウル日本人教会の吉田耕三牧師は、金正日総書記死去の報を受けたソウルの牧師たちの反応は「とても冷静だ」と語る。「韓国の牧師たちは、北韓(北朝鮮)宣教は金正日が死ななければ開かれないと思ってきたので、次の指導者は神を恐れ、民を愛する指導者が立てられるようにと祈ってきた。なので、彼の死が北韓宣教の門が大きく開かれる契機となるようにと祈っている」
金正日の死をきっかけに宣教の門戸が大きく開かれるように、神を恐れる人が政治を担当できるように祈ってほしい、と要請した。
◎映画「“私”を生きる」緊急公開−−「君が代」強制をおかしい、と言った教師たちの実像=1201010
学校での「日の丸・君が代」強制が年々強まっている。特に東京では、都教育委員会が教職員に「君が代」起立斉唱などを職務命令で行わせる通達を出すなど、教育の統制が進められてきた。さらに今年は大阪でも、教職員に「君が代」斉唱を義務づける条例が可決し罰則規定を明文化する動きも進んでいる。そうした中「いま学校で何が起きているのか?」を描いたドキュメンタリー映画「?私?を生きる」が1月14日から2週間、都内で緊急上映される。映画は、そうした教育統制に毅然と立ち向かい?私?を貫く東京の3人の教員たちにカメラを向ける。ナレーションもBGMもなく、本人や同僚、保護者のインタビューだけで構成された映像がリアルに実態を映し出す。パレスチナを追い続けてきた土井敏邦監督は「日の丸・君が代」問題ではなく、自らに問いかけられる教員たちの?生き方?を描いたという。
元中学校の家庭科教員根津公子さんは、家庭にとって重要だと性差別の問題などを取り上げ教委と対立、「君が代」斉唱不起立などで11回の懲戒処分を受けた。停職処分中も毎日校門に?登校?し、疑問を投げかけるプラカードを掲げ続けた。「『教員を続けるために起立しては』と言われるけれど、私は『今の状態は危ない。上からの命令に黙って従うことは恐ろしい明日をつくってしまう』と伝える責任がある。うそはつきたくない」と話す。
現役の小学校音楽教員佐藤美和子さんは、卒業式で校長が教員や生徒を無視して「日の丸」掲揚を強行した国立市の小学校で、子どもたちに自由はあると伝えるため?ピースリボン?に似た手作りのリボンを着けて式に出たことが職務専念義務違反とされ、訓告処分を受けた。翌年から式での「君が代」ピアノ伴奏を強要されたが、クリスチャンとして信仰の良心などを理由に拒否し続けている。その結果、意に反した報復人事を受け、ストレスで胃から出血して緊急入院。そんな経験から「炭坑の危険を知らせるカナリヤの役割を担いたい」と言う。
元三鷹高校校長の土肥信雄さんは、生徒たちの名前を覚えて声かけを欠かさず、生徒たちに慕われてきた。都教委から職員会議での挙手採決禁止の通達が出ると、「民主主義の教育現場になじまない」と撤回を求めた。定年後「適正に職務を遂行する能力に欠ける」とされ、再雇用を拒否された。土肥さんが大切にしてきたのは平和を伝承する教育。そのため「言論の自由は何より大事。今言わなければ後悔する」と、裁判に訴えている。
上映はオーディトリウム渋谷(http://a-shibuya.jp/)で。配給は浦安ドキュメンタリーオフィス(070・5454・1980)。