ヘッドライン
[CSD]2012年2月19日号《ヘッドライン》
[CSD]2012年2月19日号《ヘッドライン》= 1面 ニュース=
◎JEA宣教シンポ:「支援→宣教」から地域貢献へ——教会のあり方 発想の転換促す
★「まるで礼拝みたい」——フラ・グレイスフェスタ 賛美フラにうっとり
= 2 面 ニュース=
★未受洗者陪餐の是非 公法廷へ提訴——戒規免職の北村慈郎氏 日基教団相手取り提訴
★韓国初の教会立刑務所 開設から1年——32人が受洗 罪の悔い改めに効果
◎リベア内戦下の女性虐待の被害者らに救援を——M・ロバーツさん平和へのケア活動を訴える
★<落ち穂>ブリッジス・フォーピースの活動
= 3 面 =
★<竜馬をめぐる人々>[76]坂本直寛の章:35——閉塞感の中で聖霊降臨求め 記・守部喜雅
★集合的な英知でキリストを伝染——佐藤優氏 聖書セミナーで新共同訳の社会的役割を評価
★<オピニオン>宣教と救済の二元論を超えて 記・片山信彦
★集会・イベント情報
= 4・5 面 建築特集=
★ボランティアで被災建造物診断——(株)西村建築設計事務所
★安心感提供のため木造も構造計算——(有)新井建設
★基礎段階で耐震にお金を——一級建築士事務所ロゴス
★木造教会建築の耐震性アップ術——冨士土地(株) 下満勝仁さんに聞く
= 6 面 関西だより =
★神と人の声に耳を傾けるケア——教会と介護事業が協働 JEC・シャローム希望教会
★教会文化につまずかせるな——日本民族層福音化運動協議会オープンセミナー
★東日本大震災復興支援のつどい——OCCで3月17日に開催
★沢知恵さん2冊の著書出版記念コンサート&トーク
★被災地に思いを寄せて時田直也コンサート(3月10日に中央電気倶楽部で)
= 7 面 神学/災害 =
★キリスト者は震災の問題をどのようにとらえたらよいのか——聖書と神学から考える? 記・中澤啓介
= 8 面 ひと =
◎ナイトdeライト(ロックバンド)——暗闇から光へ戻された
◎JEA宣教シンポ:「支援→宣教」から地域貢献へ−−教会のあり方 発想の転換促す=12021901
東日本大震災の支援活動が復興へ向かう中、今後の宣教の可能性への言及も増えつつある。そうした状況を受け、日本福音同盟=JEA=宣教委員会(末松隆太郎委員長)は2月6日、東京・千代田区のお茶の水クリスチャン・センターで緊急の「宣教シンポジウム」を開催した。加盟各教団・教派・団体から宣教担当者らが参加し、現地で救援・復興活動に携わっている教会関係者から発題や報告を聞いて討議した。現地からは従来の「宣教」の概念に転換を促す提言が相次いだ。JEA宣教委員会では09年「危機の時代の宣教協力」を主題に札幌市で開かれた第5回日本伝道会議(JEC5)を受けて、各地で宣教フォーラムを開きテーマを深めている。その矢先に大震災が起こり、昨年10月の宣教フォーラム秋田ではテーマを一部手直しして、震災後の諸問題も含めた「新たな危機と宣教」に焦点を当てた。宣教委ではこうした取り組みを重ね、JEAが2016年に計画しているJCE6につなげていく構想だ。
今回のシンポジウムでは、南三陸町を支援するキリスト者ネットワーク代表の森谷正志氏(仙台バプテスト神学校校長)、福島県キリスト教連絡会副委員長の住吉英治氏(同盟基督・勿来キリスト福音教会牧師)、3・11いわて教会ネットワークコーディネーターの近藤愛哉氏(保守バプ・盛岡聖書バプテスト教会牧師)が発題。
森谷氏は「支援と宣教」についてパラダイム転換を提唱した。近年キリスト教界で提言されているパラダイム転換では、地域で生きて働く教会の再発見という視点が共通していることに着目。初代教会に戻りすべての手法を考えようとする学者ブルース・ウィンターの著書に基づき、町の繁栄(原語は、welfare)を求め、地域社会に寄与・貢献する教会へと転換する必要を示唆した。「支援活動は支援のための支援ではない。支援を必要としている人々のために神の民として最善を尽くすのが教会。初代教会のクリスチャンたちは町の平和に資する生き方をし、町を変革する市民意識を持っていた。南三陸町ではこの点で、次の世代を変えるような素晴らしい方向が見えている。今までのパラダイムを捨てて、聖書全巻の一貫した研究から教会を再考する必要があります」
住吉氏は、震災後の原発事故の中で福島県いわき市に留まり、教会が地域住民への救援拠点となった経験から、「宣教のキーワードは?共生?。地元の方と共に生きることにつきる。日本宣教においてパン(衣食住の必要)の位置づけは重要です。神のみことばとパンを一つにしていかなければならない」と提言。宣教の課題として教会観の重要性を指摘し、「地元から政治家を輩出したい。連携して市に貢献していきたい」と述べた。
近藤氏は「岩手における宣教論」について、宣教のための支援ではなく「支援者と被災者」から「人と人」への転換に言及。有賀寿著『衣更えするキリスト教』から引用し、「どうしたら?効果的?に?教え?を伝えることができるか?から、どうしたらその地の人々の間でキリスト者として生きること/仕えることができるか?」への転換を提唱した。
被災地では「震災救援」を超えた「人と人」との関係が構築され、全人的な関わりを通して信頼関係が得られてきているという。「一人の罪人としてそこに赴き続けることが求められている。親しくなる中で悩みを打ち明け、祈り、聖書を読み始めイエスに導かれた人々もいます。本当に信頼されて初めて宣教ができることを知りました」
◎リベア内戦下の女性虐待の被害者らに救援を−−M・ロバーツさん平和へのケア活動を訴える=120219
1989~2003年にかけて断続的に2度も内戦が起きた西アフリカの共和制国家リベリア。ミアタ・ロバーツさんはキリスト教共同体(CCC)の一員として、暴行や性的虐待でトラウマを受けてきたリベリアの女性、少女のケアをしてきた。2月2日、「リベリア紛争を乗り越えた女性たち」と題し、東京・港区のウェスレーセンターで自身の体験を語った。農業指導者としてアジア学院で学んでいた99年、リベリアで第二次内戦が勃発。研修を終えた翌年、母国に帰国。「ひどい状態で多くの人が亡くなり、多くの女性がレイプされていた」という。
ミアタさんは暴行や性的虐待を受けた女性や少女をケアする活動を開始。自身も家族を失っており、「トラウマを受けた者がトラウマをもった女性のため活動するのは大変なことだった」。だが、「私が人々のために戦えば人々も自分のために戦ってくれる」と信じ、国連と協力し国内避難民センターを設立した。
その後「リベリアの女性、子どもたちがどんなに苦しんでいるか、そのひどい状況を国際社会に訴えなければならない」と、リベリア中の女性団体が集まり、国連、アメリカ大使館、リベリア国会、リベリア大統領邸に向けデモを決行。「白い衣装を身につけた何千人もの女性が集まり、私たちのスローガンをプラカードにして掲げ、30分ごとに?ピース?と叫びました。私たちは平和的な手段によって『暴力を終わらせ平和をもたらしたい』と訴えました」
05年、エレン・ジョンソン・サーリーフ氏が大統領に就任後、リベリア情勢は安定した、というミアタさん。「現在二期目のサーリーフ大統領は草の根の貧しい人たち、女性の立場で政治を行ってくれる。国家の海外債務を削減することに努力し、リベリアに言論の自由をもたらしてくれた」と評価した。