ヘッドライン
[CSD]2012年6月17日号《ヘッドライン》
[CSD]2012年6月17日号《ヘッドライン》= 1面 ニュース=
◎首都圏も大震災の備えを——教会ネットワーク構築めざし「東京大震災ブログ」開設
★アートで悲しみ、怒りの感情を表現し分かち合う——子どもの心へ届くカウンセリング養成講座
★サッカーW杯最終予選から白熱!——ゴスペル♪聴きながら日本代表を応援
= 2 面 ニュース=
◎クリス・ライト博士来日講演——ローザンヌの宣教運動の論客
★国際:死海文書にネヘミヤ記発見
★イスラエル:ベツレヘムが実在した証拠の印章を発見
★世界祈りの大会[中]——青年も子どもも世界を祈る 記・福田 崇
★<落ち穂>天安門事件からの広がり
= 3 面 =
★<いのちへのまなざし>[14]心を尽くす 記・柏木哲夫
★<召天>齋藤篤美氏(さいとう・あつよし、元日本同盟基督教団理事長、6月4日午前3時57分、75歳)
★<オピニオン>「聖霊と私たち」が決める解決法 記・根田 祥一
★<情報クリップ>催し情報・放送伝道ハイライトほか
= 4 面 全面広告=
☆日本ホーリネス教団第61回夏季聖会 7月16日(月)~18日(水)
連絡先:Tel.03-5369-3929
= 5 面 仕事と信仰=
★井畑秀明さん(みずほ銀行支店長)[下]——現場の最前線で真実を重ねつつ
★<定年後の挑戦>[14]定年後の家族?——家族の物語を振り返る 記・星野隆三
= 6 面 全面広告 =
☆趙 コニ師セミナー 6月25日(月)~26日(火)
主催:日本民族総福音化運動協議会(Tel.079-442-4854)
= 7 面 伝道・牧会を考える =
★教会ルポ<ここも神の御国なれば>[14]JECA・帯広栄光キリスト教会?——十勝に7つの教会を
★ケープタウン決意表明(31)パート?解説——私たちが仕える世のために(14)
= 8 面 =
◎ベサニ・ハミルトンさん(片腕のプロサーファー)——私のために立てられた計画
◎首都圏も大震災の備えを−−教会ネットワーク構築めざし「東京大震災ブログ」開設=1206170101
3・11東日本大震災から1年3か月。教会やキリスト教支援団体スタッフらは震災を自分自身の課題と受け止め、今後に生かそうと取り組む。5月には「今から首都圏大震災に備えよう」と「東京大震災ブログ」が立ち上がり、被災した子どもの心をケアするためのカウンセラー養成講座が開かれた。東京大震災ブログは、災害支援団体クラッシュ・ジャパン次期東京災害対策担当の栗原一芳さんが立ち上げた。「東京大学地震研究所によると、4年以内に50%の確率で、都心で地震が起きると予測されている。これは大変な確率でいつ起きてもおかしくない。早めの備えのためブログで情報提供しようと考えた」
ブログではすでに、専門家の発言、研究結果を引用しつつ▽世界の地震の2割は日本周辺で起こっている▽今は大地動乱時代の幕開けである▽東京に被害を及ぼす地震のタイプ(海溝型、断層型など)▽東京大震災の被害予測▽大都市ならではの問題、についてアップ。特に都心では「神戸と比較し人口比で約6倍、JRの乗降客で17倍。被害想定は単純比較で阪神淡路の5~10倍、時間帯によりこの数値より数倍になる」とし、高層難民、帰宅難民、避難所難民が予想されているという。
栗原さんはブログでの情報発信を通じ、教会間、自治体とのネットワークを構築していきたいと願う。「東日本大震災では起こった後でも各地で神様のすばらしい御業が見られた。東京は起こる前から神様のすばらしい御業を見たい。東京の教会に大地震の備えに対する意識をもってもらうと共に、ぜひネットワークづくりをし、来るべき日のためにやれるだけのことは何でもやりたい」と抱負を語った。
本紙では8月から栗原さんの新連載「東京大地震に備えよう(仮題)」をスタートする予定。
▽東京大震災ブログ=http://tokyodisaster.blogspot.jp/
◎クリス・ライト博士来日講演−−ローザンヌの宣教運動の論客=1206170201
2010年に南アフリカのケープタウンで開催された第3回ローザンヌ世界宣教会議で神学委員長を務め、ローザンヌ運動が提起してきたホリスティック(包括的)な福音理解と宣教の使命を、現在の世界の実情との関わりで再提示した「ケープタウン決意表明」起草の中心となったクリストファー・J・H・ライト博士が、日本ローザンヌ委員会(金本悟委員長)の招きで6月下旬に来日し、東京と神戸で講演する。また、来日に合わせ、同氏の主著で宣教の理解に大きな影響を与えている『神の宣教|聖書の壮大な物語を読み解く』が東京ミッション研究所から邦訳出版される。クリス・ライト氏は、北アイルランドの宣教師家庭出身。ケンブリッジ大学で旧約学を修め、「旧約における経済と倫理」研究で博士号を取得。聖公会の按手を受け、英国内で牧師として奉仕した後インドのユニオン聖書神学校で旧約学を教える傍ら、宣教団体クロスリンクスと関わりをもち、宣教活動にあたった。帰国後はオール・ネイションズ・クリスチャン大学の教頭を務め、宣教師の養成訓練に携わった。
01年から、ジョン・ストット博士の基金によって始められたランガム・パートナーシップ・インターナショナルの所長に就任。05年ローザンヌ会議の神学委員長に抜擢され、ジョン・ストット氏が基礎を築いたローザンヌ運動を引き継ぎ、21世紀の文脈に沿って再構築する重責を担った。
主著『神の宣教』では、旧新約聖書全巻にわたる聖書神学的な考察を展開し、聖書そのものを、被造物との関係を回復しようとする神のミッション(派遣)の中で位置づけ、その視点から聖書全体の「壮大な物語を読み解く」
ことに挑戦している。
今日、「神の宣教(ミッシオ・デイ)」という概念には様々な議論があるがライト氏は、聖書に照らして宣教を理解しようとする一般のアプローチに対して、神の宣教に照らして聖書を理解しようとする。「宣教は聖書正典全体の物語を読み解く主要な鍵である」と捉え、「聖書全体がそれ自体、『宣教的』現象である」と見る。「今日の聖書を構成する書簡はそれ自体、神の究極的宣教の産物であり、それを証しするものである。聖書は私たちに、神の宣教のストーリーを描き出してくれる」
◎ベサニ・ハミルトンさん(片腕のプロサーファー)−−私のために立てられた計画=1206170801
映画『ソウル・サーファー』(6月9日〈土〉より全国公開。SSoul-surfer.jp)は天才サーファー、ベサニー・ハミルトンさんの実話がもとだ。2003年、13歳でサメに襲われ、左腕を失う。だが1か月後にはサーフィンを再開し、数々の大会で活躍する。復活の背景には信仰があった。自伝『ソウル・サーファー サメに片腕を奪われた13歳』(ヴィレッジブックス)でこう語る。「何も悪いことをしていない人に、どうして不幸が起こるのか。わたしにもうまく答えられない。ただわたしは、自分の身に起きたことを書くことで人びとに伝えたい―ひどい出来事が起きても、それを乗り越えられることを…」「なぜ、わたしがこんなことに」
その日は親友家族といっしょにサーフィンを楽しんでいた。波に身を任せ、大きな波を待っていると、突然、灰色の影があらわれた。「ほんの一瞬の出来事だった。ものすごい圧力がかかり、そのあと稲妻のような速さで引っぱられるのを感じた。くわしいことは何ひとつわからないけれど、全長四・五メートルのイタチザメの巨大なあごが、ボードの先とわたしの左腕を覆っていたのはわかった。そのあと、自分の周りの海水が真っ赤に染まったのを、驚きながら見つめていた」(引用は自伝より。以下同)。なんとか冷静を保ち、浜に向かうと、左腕を失ったことに気づく。サーフボードもえぐれていた。
大量の出血だったが、処置が早く、体力もあったので、命はとりとめた。だが3日後には今もなおときおり苦しむ「幻痛」(切断してないはずの体の部分に痛みがあるかのように感じること)が始まった。もうサーフィンができないという絶望感に打ちひしがれた。「みんなの前では何食わぬ顔をしていたが、平気なふりができないときもあった。『なぜ、わたしがこんなことに?』と一秒ごとに考えてしまうのだ」。彼女は自分が信じる神様に意味を求めた。
サーフィン好きな両親のもと、ハワイのカウアイ島で育ち、5歳からサーフィンを始めた。様々な大会で好成績を収め、10歳でスポンサーがついた。キリスト教の信仰は両親から受け継いだ。「わたしにとって、神さまと固い絆を持つことは、サーフィンよりも大切だ。キリストへの信仰が、わたしにとってなにを意味するのかときかれると、いつも、ひとことでこう答える―『すべて!』これは、サメに襲われる前も後も、変わらない真実だ」
事故後、家族も気が動転する中、親しいクリスチャンが聖書の言葉で励ました。その言葉は「わたしはあなたがたのために立てている計画をよく知っているからだ。―主の御告げ。―それはわざわいではなくて、平安を与える計画であり、あなたがたに将来と希望を与えるためのものだ」(エレミヤ29・11)だった。事故の2週間前にベサニーさんは母親とともに神様に「自分を用いてください」という祈りをしていた。その信仰が事故を乗り越える力になった。「神さまを信じていることが、試練を克服できた大きな理由だと、心から思っている。納得のいかないことが起こっても、天国にいるだれかがわたしに関する大きな計画を持っていて、上から見守ってくれていると思うと、らくになる」と確信する。
1月後、家族が見守る中、再びビーチに立っていた。はじめの2、3回は失敗した。気持ちがくじけたが、両親、兄弟の励ましを受けて、ついにボードの上に立つ。その後も厳しいトレーニングを続け、数々の大会で好成績を収めるようになった。
「アロハの精神」で助け合う
家族や多くの支援者に「アロハの精神」(人が見返りを求めずに与えあう尊敬と愛情)を感じ、「将来だれかを助ける機会があれば、ぜったいに行動しよう」と決意した。積極的にメディアの取材を受け、自伝や聖書に関する本も出版。キリスト教を土台にした国際NGOワールド・ビジョンとともに、スマトラ沖地震(04年)で津波被害があった地を訪ね、海への恐怖を覚える人々をケアする働きもした。
映画公開を前に来日したベサニーさんは、東日本大震災の悲しみを抱える日本人に向けて「神様の愛と希望を伝えたい。あらゆることに神様は理由を持っている。人間は利己的で、自分たちで善悪を判断してしまうが、私たちは神様を指示する立場にいない。私の事故も私が耐えることができると神様がご存じだったから起きた。でも私の力ではなかった。キリストに助けてもらい可能となった。神様は私たちを受け入れてくださる。キリストとともに生きる生活は、キリストの無い生活よりも千万倍も素晴らしいです」とメッセージを送った。
これからの活動について「今まで、試合で戦ってきたが、ギアを変える。旅をして、愛を伝えながら、サーフィンをする生活をしたいと思います」と抱負を語る。彼女の真っ直ぐな信仰と爽快なサーフィンが人々に勇気と希望を与えるだろう。