[CSD]2001年4月1日号《ヘッドライン》

[CSD]2001年4月1日号
《ヘッドライン》
 = 1面 =
★「君が代」伴奏忌避の教師を支援の「要請文」殺到——学校側も職務命令回避
◎北朝鮮拉致問題:横田早紀江さんの証し携え米国での訴えに手ごたえ
★聖書協会世界連盟:新たに28言語を聖書翻訳
★ガンビア政府がイスラム法採択を検討
★<講壇に立つ女性たち>[10]さや教会牧師 篠浦 千史さん(上)
★<落穂抄>JTJ宣教神学校の10年
 = 2 面 =
★低迷する教勢データを読む——電通マーケティング専門家が分析
◎暴力で平和はつくれない——平和実現ネットが非暴力トレーニング
★ロスアンゼルスに超教派AXIOS発足——米国でのセミナー参加者を支援
★厳しい時代のなか心の戸をたたこう——フリーメソジスト総会
★<世界の出来事フラッシュ>英国、オランダ
★<論説>真のリーダーを求めて 記・岡村 又男
 = 3 面 =
★S・マクベイ氏「恵の歩み」セミナー:行き詰まり体験からキリストをエンジョイすることを知った
★『恵の歩み』初版完売——好反響に「これから神様が何をなさるか楽しみ」
 = 4 面 全面広告=
☆PBA創立50周年/感謝と躍進の年
 = 5 面 特集・聖書を読もう=
★みことばを生活の中で実践——子どもディボーションノート発行
★帰納法的聖書研究法で聖書日課——月刊「百万人の福音」
★手軽で内容充実の語句辞典——『聖書コンコーダンス』発行
★音と映像で聖書の世界を表現——CD写真集「聖書の世界」
★英国:ロンドンのスラングで埋め尽くされた福音書
★5月に神戸聖書展開催——目玉は死海文書
★日本聖書協会:イタリア語聖書制作——観光客に名画地図入りも
 = 6 面 関西だより=
★働き盛り世代が燃える——第5回全国青年宣教大会
★超教派震災ボランティアの拠点から6年——兵庫松本通教会が献堂
★性欲の問題を正面から——『男か女か—同性愛のカウンセリングに』など邦訳
★京都の福音喫茶「一粒の麦」がマンガ同人誌を発刊
★ハワイ福音放送20周年を祝い訪問団帰国
★神戸聖書展を成功させる会——4月に加賀乙彦講演会
 = 7 面 =
◎自らの信条にうそつけない——感染症研究所立地の問題を『科学者として』で指摘
★<ひと>坂内 義子さん(参院選挙に立候補予定)
★コテコテ大阪弁聖書出版——「天にいたはるわてらの神はん」
★韓日共催ワールドカップに向けGOAL2002全国委員会発足
★英国:ピーッコク氏テンプルトン賞受賞
★「受難・復活節美術展」銀座・東京福音センターで開催(4月6日から22日)
★韓国:プロテスタント、カトリック、正教が復活祭に合同礼拝
 = 8 面 =
★<聖書66巻>ピリピ人への手紙 希望こそ復活の喜び 記・平野 耕一
★<書評>『漱石・芥川・太宰と聖書』奥山 実著(マルコーシュ・パブリケーション、1500円)
★<新刊書紹介>『キリスト者は何を信じているか』A・ファン・リューラー著(教文館、2500円)
★<新刊書紹介>『エイミー 神の召しに応答したある女性の物語』生ける水の川翻訳委員会訳(1700円)
★<情報クリップ>催し情報ほか

北朝鮮拉致問題:横田早紀江さんの証し携え米国での訴えに手ごたえ0104010102

北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)に拉致されたとされる日本人家族が、2月25日から3月4日まで訪米し、米政府、議会、国連、市民団体、教会など26か所でための協力を訴えた。
初日、ワシントンで行われた記者会見では、被害者の一人横田めぐみさんの父親の滋さんが、「米国は北朝鮮に強いパイプを持っており、ブッシュ政権になった機会に政府、人権団体などにこの問題についての理解を求めるために」訪米したことなどを話した。
 記者会見=写真右=には、めぐみさんの母・早紀江さんを失踪事件が起きた新潟で信仰に導き、現在アメリカに住むマクダニエル元宣教師夫妻も駆けつけ、「めぐみさんが拉致されたときに私が新潟にいたのは、私にめぐみさんを救出せよという使命が与えられたことだと思っている」と語った。
 今回の訪米では、予定していなかったコンドリーザ・ライス大統領補佐官にも出会い、めぐみさんが失踪して信仰をもった早紀江さんの証しや、今日までの活動を英文で記した資料を手渡すことができた。
 3月15日に開かれた横田早紀江さんを囲む祈り会(会場/東京新宿区・いのちのことば社本社)で、早紀江さんは、「(アメリカが)『国際テロ』とはっきり認識してくれたことに力強さを感じました」「神様のなさることは時にかなって美しいといつも思います。
みわざが現れるまでがんばってゆけると思いました」などと報告した。
 訪米に同行した西岡力さん(北朝鮮に拉致された日本人を救出する東京の会会長・東京基督教大学教授)は、クリントン前米大統領と金大中韓国大統領が、拉致問題を棚上げして北朝鮮と関係改善する可能性に危惧を抱いていた。
だが、共和党のブッシュ大統領政権下でハバード国務次官補代行が「現在テロ支援国家指定を解除するつもりはない」と発言したこともあり、西岡氏は「国際社会の関心を高めて解決への糸口が見つけられれば」と願う。
 救う会では、4月に、国連人権委員強制的失踪ワーキンググループや国際赤十字への申し入れのため、ジュネーブを訪問することになっている。
 次回の祈り会は4月19日午後2時45分から、いのちのことば社(TEL03・3353・9348/鴻海)で。
5月には拡大祈祷会も予定している。

暴力で平和はつくれない−−平和実現ネットが非暴力トレーニング0104010202

「暴力によって、本当に平和がもたらされるのかを考えてもらいたいと思います」と、多くのサラリーマンが無関心に通り過ぎるJR田町駅(東京・港区)で叫ぶ姿があった。
平和を実現するキリスト者ネット(日本キリスト教協議会内)が、今年はじめから3回の「ピースアクション連続講座2001Spring—主よ、私たちを平和の道すじにして下さい—」を実施し、締めくくりとして3月18日から20日に、平和をつくり出す実践的な力を身につける「非暴力トレーニング」が行われた。
19日の街頭アピールもその実践の一つ。
「憲法を守ろう」とそれぞれの観点からアピール。
話に耳を傾けることが逆に効果的になることもあり、あえてマイクは使わなかった。
トレーニングを終えて参加者らは、とりあえずできることとして「ベル隊」を結成することになった。
5月3日に東京・日比谷公会堂で行われる「2001年5・3憲法集会」後のピースウォーキングをハンドベルで行進する予定だ。
5・3憲法集会「生かそう憲法、高くかかげよう第9条」(「2001年5・3日集会実行委員会主催)では評論家の加藤周一さんや作家の澤地久枝さんらがスピーチする。
手話通訳もある。
午後1時半から。
キリスト者平和ネットTel.03・3203・0374、FAX03・3204・9495。

自らの信条にうそつけない−−感染症研究所立地の問題を『科学者として』で指摘0104010701

憎まれても、愛していることを知って欲しい・元イスラム教徒だったイラン人のアリ・マンサーさん(バプ連盟・東京バプテスト教会員)は、東京でイエス・キリストと出会い信仰を持ち、1999年に受洗した。
アリさんは現在、宗教上の理由で母国イランに戻れない状態だが、「同胞を愛し、イスラム教徒を愛し、家族を愛している。
救われた喜びを多くの人に伝えたい」と語る。
「私が書いた本には、誹謗中傷はもちろん、事実無根の事は一切書いていません。
部長に問いただしたところ、上からの圧力があったというのです。
週刊誌に取り上げられたことが当時の対馬厚生大臣の目にとまり、勘気に触れただけなのです」と語る新井さん。
 新井さんが入所してすぐのころの予研は、筑波への移転で揺れていた。
厚生省では移転を決めていたが研究所の職員の強力な反対に遭い、移転はとんざしてしまった。
しかし、予研は手狭なため、移転はどうしても必要なことだった。
その中で候補地に上がったのが新宿区の現在地である。
 新井さんの勤務する予研ではさまざまな病気の治療や予防のため病原菌・ウイルスの研究を行っている。
非常に危険なものも扱う。
「移転そのものは必要なことですし、この研究所自体は無くてはならないものです。
しかし、住宅や大学が密集しているような地域に建てるのは危険なことです。
予研ではさまざまな病原菌を扱っているからです。
通常の研究活動が危険というのではなく、阪神大震災規模の地震が起きたら一大惨事になる可能性が高いからです」この思いは強く、新井さんは研究所の職員でありながら、移転反対運動にかかわっていく。
当初、研究所のスタッフの中でも反対の声を挙げる。
新井さんは高校時代に天幕伝道で救われ、高校・大学を通じて熱心に教会に通っていた。
しかし、予研に入ってからは、教会から足が遠のいていた。
その原因の一つは、水俣病患者との出会い。
厚生省の人間として何もできないことに苦しさを感じるようになる。
それから聖書を読むのがつらくなり、やがて教会から離れた。
しかし、この運動を通して新井さんは教会に戻るきっかけをつかむ。
移転反対運動をすすめるメンバーの中にいた日本基督教団・東京信愛教会の鈴木武仁牧師との出会いである。
「20年以上教会から離れていましたけれど、神様がその間ずっと導いてくれたのだと思います」「私が生まれ育った教会は、厳格に聖書の言葉を守る教会でした。
ですから、裁くなと聖書に書いてある以上、決して人を裁かないのです。
そのことと反対運動が自分の中でうまく一致できなかったのが、鈴木牧師との出会いを通してがぜん興味がわいてきました」と新井さん。
そしてもう一度聖書を読みはじめ、鈴木牧師の教会に出席するようになった。
2年後には、自分の出身教会のグループに戻った。
今は三島の集会の責任を持っている。
「クリスチャンとして裁判に訴えるのはどうかとも思いました。
しかし、聖書は正義と公儀を求めている。
それにこたえていきたい。
とどのつまり、私はキリスト者以外の何者でもないということです。
20数年間の信仰の低迷期もまた私には必要だったのです」『科学者として』を執筆した新井 秀雄 さん 「クリスチャンとして自らの信条にうそはつけない」と国立感染症研究所(予研)主任研究官の新井秀雄さんが、危険な病原菌を扱う同研究所が住宅地に立地した問題性を指摘した本『科学者として』(幻冬舎、1500円、税別)が昨年来一般のマスコミをにぎわせている。
この本が週刊誌に取り上げられたことが原因となって新井さんはこの1月4日、同研究所から厳重注意処分を受けた。
新井さんは法的根拠のないこの処罰に対して、公務員の言論の自由を侵害するものとして、処分の撤回を求めて東京地裁に提訴した。