ヘッドライン
[CSD]2001年5月6日号《ヘッドライン》
[CSD]2001年5月6日号《ヘッドライン》
= 1面 =
◎尼崎:受洗直前 小6息子に刺殺された母——「大切なのは罪と向き合うこと」
◎教会が文化に接点に——日本ゴスペルミュージックアワード委員会発足
★クリスチャン出征兵士への寄せ書き——ニューギニア派遣元米兵の遺品から発見
★牧師も話すゴスコン——ローランド芸術文化振興会主催(大阪・浜松・東京で)
★ラオス:相次ぐ教会閉鎖——「聖書は偽り」と棄教迫る
★<講壇に立つ女性たち>[16]四国福音キリスト教会牧師 河崎 倫子さん(下)
★<落穂抄>野辺地天馬著「子ども日日の光」45年ぶりの復刊
= 2 面 =
◎イムマヌエル:ミッションハウス運用開始——宣教師一時帰国の拠点に
★さいたま市にアサエル宣教聖書学院(栄義之学院長)開校
★「小説家にも聖書はおもしろい」——神戸聖書展記念講演会で加賀乙彦氏
★日本イエス:7月に創立50周年記念大会——新委員長に岩田扶美二氏
★<ひと>ヘラルド・ブレデセンさん(米国国家朝餐祈祷会創始者)
★憲法9条改憲論議焦点に各地で憲法記念集会
★神戸YMCA移転(〒651-0093神戸市中央区二宮町1-12-10)
★<世界の出来事フラッシュ>アゼルバイジャン、インドほか
★<論説>信仰の私事性と公共性
★<あかし文学>神様いのちをありがとう[3] 作・山口かおる
= 3 面 新会堂建築シリーズ=
★恵泉女学園大学チャペル
= 4 面 全面広告=
☆ペンテコステ・聖霊運動100年祭
大阪で9月10日~12日(Tel.06-6360-0670 主イエス・キリスト教会)
= 5 面 青年伝道は今=
★高校生伝道の現場から——素直になれる場所がある
= 6 面 特集・視覚障害とともに=
★「信徒が牧師を育てるんです」——影山範文氏(愛のキリスト教会牧師)
★中途失明をバネに——鈴木経子さん(横浜白山道教会員)
★朗読奉仕は利用者の身になって
★教会に視覚障害者が来たらどうする?
= 7 面 =
★心中事件の解明へ——クリスチャンとして真実を求める
★北朝鮮拉致問題:因旛晃さんCD「めぐみ」で母の気持ちを歌う
★イースターに心の内のかぎをあけて——柳川 茂さんの受洗
★ペルー:宣教師が乗った軽飛行機が墜落
= 8 面 =
★<聖書66巻>テモテへの手紙第1 望みを置くべきは神 記・柴田 俊彦
★<書評>『日本の宗教と政治』國學院大學日本文化研究所編(成文堂、2500円)
★<新刊書紹介>『現代人のための教理史ガイド』棚村重行著(教文館、2500円)
★<新刊書紹介>『モリユリの手話賛美』森 祐理著(いのちのことば社、1500円)
★<情報クリップ>催し情報ほか
尼崎:受洗直前 小6息子に刺殺された母−−「大切なのは罪と向き合うこと」0105060101
4月14日、兵庫県尼崎市で小六男児(11)が母親(44)を刺して死亡させた事件で、母親は事件の翌日イースターに市内の教会で洗礼を受けることになっていた。教会では母親の葬儀が行われ、遺骨も教会墓地に埋葬されることになった。
17日の葬儀では、洗礼を受けるときに母親が読むはずだった証しが朗読された。
あいさつに立った父親(47)は、「息子を赦すことから始めたい」と語り、参列者に感動を与えたという。
教会の牧師は、「教会には亡くなられたお母さんが一人で来ていたので、これからは残された家族との関係が大事です。
私たちの教会の課題です」と語る。
母親は5、6年前からテレビ伝道番組「ライフライン」を視聴し、求道を続け、近畿福音放送伝道協力会(近放伝)のフォロアップによって、昨年のクリスマスから教会に通い始めていたという。
近放伝の通信講座で信仰の確信を与えられ、このイースターに洗礼を受けるばかりなっていた。
同牧師は「今回の事件に限らず、不条理な出来事が世界中で、そして私たちの身の回りで起こっています。
そして、今回私たちは、目の前にそのような不条理な出来事を突きつけられました。
でも、このことを単一の事件として受け止めるのでなく、信仰者としてどう受け止めるのかが問われると思うのです」。
「それは決して、安易にいつの日か益になるとか、天国で必ず会えるといった、お慰めではなく、自分の内にある罪と向き合うことだと思う」という。
「世の報道では、親子関係であるとか、学校のことであるとかを取り沙汰し、原因を求めようとしますが、それに惑わされてはいけない。
一番肝心なのは自分が罪人であると認めることです。
このようなことが起こると、人々は神など存在しないかのように受け止めます。
そうではなく、このようなことが起きることこそ、神が存在することの証しなのです」と、牧師は語っている。
教会が文化に接点に−−日本ゴスペルミュージックアワード委員会発足0105060102
「ゴスペル」がクリスチャンに限らず全国的なブームになっている中、キリスト教会が健全な音楽活動を評価することを通してその背景にある「福音」の影響を世の中に与えていこうと、このほど「日本ゴスペルミュージックアワード委員会=JGMAC」(村上宣道会長)が発足した。昨年、祝キリスト降誕2000年実行委員会祝賀委員会が主催した「ゴスペルクワイヤーコンテスト」が、多くのノンクリスチャンのグループや聴衆も巻き込んだ。
同企画にかかわった関係者らを中心に、これを1回限りのイベントで終わらせず、さらにゴスペル音楽を通じて世の人々の飢え渇きにキリスト教界が福音の本質をもって接点を持ち続けることが必要だとの声が上がり、委員会の発足となった。
福音的な聖書信仰に立つ教会と伝道団体が協力し、クリスチャン、ノンクリスチャンを問わず、全国各地のゴスペルクワイヤー、聖歌隊などのグループに「ゴスペルミュージックアワード(賞)」へのチャレンジを呼びかける。
関東、関西、沖縄、名古屋、北海道、九州、四国、仙台など各地区で実行委員会、実務委員会を組織し、予選大会を開催することを呼びかけるが、今年はまず関東(埼玉県・川口リリアホール)で9月28日、第2回ゴスペルクワイヤーフェスティバル予選大会を開く。
グランプリ大会は東京・中野サンプラザホールで12月1日。
将来的には、音楽のジャンルにより部門別のコンテストも検討されている。
米国では一般公開されている映画をキリスト教界が審査して優良な映画を選ぶ「ムービーガイド賞」がああり、教会が積極的に健全な文化の創造に寄与している実例がある。
JGMACでは、同様に世の音楽に対してキリスト教界がゴスペルミュージックという領域で接点をもち、ゴスペル本来の意味を深く浸透するように働きかけていくことは、教会が「地の塩、世の光」としての役割を果たすこと、ととらえている。
委員会の趣旨は?ゴスペル音楽を通しての福音宣教?クリスチャン音楽の育成と活性化?ゴスペル音楽により、国、民族、教会の壁を越えキリストにある一致を目指す?健全な音楽活動をキリスト教会が積極的に評価することにより、世の音楽に良い影響を与える。
会長の村上宣道氏は、「いわゆるセキュラーな世界から、今ほどチャレンジを受けている時代はない。
その大きな一つが、一般社会におけるゴスペルミュージックのブーム。
今こそ教会は、人々にこの音楽の中心メッセージであるゴスペル(福音)を知ってもらう絶好の機会が与えられている。
昨年行われたゴスペルコンテストは、動員された半数以上のノンクリスチャンを、このまま放置しておいてはならないというチャレンジを私たちに残した。
『機会を十分に生かして用いなさい』とは、この時代の教会に主から与えられたご命令であると思えてならない」という。
組織は副会長=清水昭三(関西)、中島秀一(関東)、比嘉幹房(沖縄)ほか地区委員会会長▽実行委員会=中川健一(渉外・広報)、小平牧生(財務)、栗原一芳(推進)、高叡華(制作・事務局長)▽アーティストフェローシップ=小坂忠ほか実務委員会、専門委員会、海外協力等(敬称略)。
財政は、協力教会や支援者の献金、宣教団体の協賛金、審査登録費、チケット収入などで「日本ゴスペルミュージックアワード基金」を設ける。
企業スポンサーも募る。
事務局は〒359-0025 埼玉県所沢市上安松96、TEL&FAX042・944・1152。
イムマヌエル:ミッションハウス運用開始−−宣教師一時帰国の拠点に0105060201
国外で働く宣教師とその家族にとって、数年ごとに帰国して宣教報告をし支援を呼びかけることは、活動の継続のために欠かせない。ところが一時帰国中の住まいが、その都度間に合わせで変わることが、子どもたちの教育などの面で不便を生じてきた。
そうした問題に対応しようと、イムマヌエル綜合伝道団国外宣教局(竿代照夫局長)では宣教師を派遣して40周年を迎えた昨年の11月、千葉県我孫子市白山に建設していた帰国中の宣教師の住居「ミッションハウス」が完成。
今年3月から利用を開始した。
完成した「ミッションハウス」は2階建て建築面積98・95平方メートル、延べ床面積194・60平方メートル。
2LDKと、3DK+リビングルームの二世帯が入居できるほか、管理人室と倉庫がある。
98年の宣教大会でこの種の施設の必要を訴えた、当時の平位全一国外宣教局長の話を聞いた教団内の信徒が、土地の無償貸与を申し出たことから計画が具体化。
建築費約3000万円と倉庫、家具・備品など合わせて約4000万円の必要経費は、このための献金と内部融資でまかなった。
竿代照夫国外宣教局長は「これまで宣教師たちは、一時帰国時に個人の篤志家の好意でその家に住まわせていただいたり、教団でアパートを借りたり、可能であれば実家に帰ったりしていたが、それでは不安定だ。
子どもたちが帰国するたびに別の場所では、学校が違ってしまう。
特に、子どもたちのことを考えてミッションハウスを設置した」という。
また、海外赴任中の荷物はこれまで横浜市の聖宣神学院内の倉庫に預けていたが、住居地にまとめておいた方が便利と「ミッションハウス」に五畳ほどの広さの倉庫を2つ置いた。
1988年からフィリピンに派遣され、3月に4期目を終えて一時帰国した梅田昇・登志枝宣教師一家が最初の利用者。
以前は教会員の提供してくれたマンションや、実家に滞在していたが、「帰るたびに住むところが変わったため、学校のことや免許の手続きなど、その都度どこへ行けばいいのか分からなくて困った。
今回は決まった場所があって安心」という。
米国の大学に在学中の長女を除き、中学二年の長男、小学6年の次女、小学3年の三女が一緒に帰国した。
以前は子どもたちの夏休みに合わせて短期間の帰国で済ませていたが、今回は4月から1学期間、地元の小中学校に通い、8月初旬まで滞在する予定だ。
「学校生活の違いに戸惑いながらも、子どもたちは楽しそうで友達も連れてきました。
次に来たときも同じ学校なので、戻ってくる安心感があるでしょう」と梅田宣教師は言う。
これまで神学院に預けていた荷物をミッションハウスに移せば、必要な物をいちいち取りに行かなくてもすぐに使えて助かる、とも。
イムマヌエル綜合伝道団は、日本の教団としては戦後いち早く宣教師を国外に送り、40年間で20組余りの宣教師を送り出してきた。
現在はケニア、ジャマイカ、台湾、フィリピン、ボリビアの5か国に7組を派遣している。
同様の一時帰国中の宣教師住居は、近年、OMFが日本事務所の建築と合わせて設置したが、教団レベルでは整備が遅れている分野だ。
自身もケニアへ派遣されていた竿代局長は、「ナイロビでは各団体がゲストハウスを持っている。
また各宣教団対は宣教師の一時帰国施設を持っている。
日本でも、できればこういう場所が各地にあって、団体同士で貸し借りできたらよい。
将来はアメリカのように、引退宣教師が安心して余生を過ごせる村のようなものもあればなおよいと思う。
宣教師が安心して海外で生涯をささげてくることができるようなバックアップ体制を目指していきたい」という。